12月1日に、日本の捕鯨船が2年ぶりに、南極海にクジラを取りに出発したニュースを紹介します。
Euronewsです。
国際司法裁判所の判決で、日本は捕鯨を1年停止していましたが再開しました。
Le Japon reprend la chasse à la baleine “à des fins scientifiques” 日本は「調査」の名目で捕鯨を再開
Le Japon reprend la chasse à la baleine, mais soi-disant à des fins de recherche. Après un an de suspension de cette activité, des baleiniers japonais ont pris ce matin la route de l’Antartique pour aller chasser des grands cétacés.
日本は捕鯨を再開しましたが、調査と言っています。1年の捕鯨停止後、日本のクジラ漁師たちは、捕鯨のために、南極に向けて出発しました。
La Cour Internationale de Justice a interdit au Japon de pêcher la baleine pour un an, estimant que les prises scientifiques étaient détournées commercialement.
国際司法裁判所は、日本が捕鯨することを1年間禁じていました。調査捕鯨が商業捕鯨になっていると考えたからです。
当局は、クジラ漁師たちに、NGOが漁を妨害しにくる可能性もあると警告しました。
「さまざまな報告によりますと、捕鯨の再開に強力に反対している人が多く、もし海で出会ったら、捕鯨の妨害をすることも辞さないというふうに聞いております」。
事実、過激な行動で知られるシーシェパードという環境保護団体は、日本の捕鯨船を追って、自分たちの船を出すと発表しました。
オーストラリアとニュージーランドは、この捕鯨は、クジラの肉と油を摂るためだとして、反対を表明しています。
元記事 → Le Japon reprend la chasse à la baleine “à des fins scientifiques” | euronews, monde
単語メモ
fins 目的
à des fins + 形容詞 ~の目的で
l’utilisation de l’énergie atomique à des fins pacifiques 原子力の平和利用
cétacé 鯨
ONG organisation non gouvernementale NGO
mettre des bâtons dans les roues 妨害する
同じニュースの英語版
スクリプトはこちら⇒Japan’s whaling fleet sets sail despite UN condemnation | euronews, world news
捕鯨問題について
捕鯨船は全部で4隻、12月1日に、南極海に向けて出発しました。ニュースにあったように、国際司法裁判所の出した判決により、捕鯨を中断していたので、今回は2年ぶりの出発です。
3月上旬までにクジラを最大333匹捕獲予定。
この調査捕鯨は、確かにクジラを捕獲して、おなかの中や耳をチェックしたあとは、肉を缶詰にしたり、油をとります。それがお土産物屋さんに並ぶので、商業捕鯨と言われたら、商業捕鯨なんですが、調査捕鯨をして、鯨を研究したあとのクジラを有効活用することは、IWC(国際捕鯨委員会)で認められています。
ただ、日本のやっていることは法の目をくぐっている、とは言えます。
「調査とうそをついて、クジラをたくさん取って食べてる」というふうにも見えます。これは反捕鯨側の意見。
捕鯨賛成派は、日本は絶滅しそうなクジラには手をださず、数が増えすぎているクジラを取っている。そうしないとクジラが魚を食べ過ぎるから。
それにちゃんとクジラの生態を研究している。そうすることで、今後も安定してクジラを取ることができる、持続可能な捕鯨をしている、というような意見。しかしクジラは全体としては数は減っているそうです。
まあクジラも魚も人間が手を出しさえしなければ、いつも適切なバランスを取っていたのだと思われます。
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バランスをとるしかない
人間はさまざまな理由から動物を殺さざるを得ません。そこでバランスを取る必要があります。どこでバランスをとるかが、国や人によって意見が別れるところです。
クジラを殺すなという人は「クジラは賢いから」「クジラはかわいいから」と言うのですが、そんなこと言われてもね。やはり大きな動物はカリスマ性があるのでしょうか。
それに、「クジラを捕獲するのはよくない」と言われても、急に捕鯨をやめることもまた難しいです。
ニュースクリップを見ると、捕鯨船に乗っている人は、わりと若い人が多いです。捕鯨が禁止されていた1年間は、いったい何をして生計を立てていたのでしょうか。
港に子供連れて来てた女性は奥さんでしょうね。これからお正月が来るというのに、旦那さんは3ヶ月、南極方面に行ってしまうので不安でしょう。
しかもシーシェパードが「攻撃する」と言ってるから、よけい不安です。船に発煙筒とか投げて来ますから。
シーシェパードはとても暴力的な動物保護団体で、動物が好きすぎて、人間を憎んでいるのか、とすら感じられます。
暴力的な闘争そのものが好きな風にも見えます。
もし日本が捕鯨をぱったりとやめてしまったとしても、また別の攻撃の的を見つけるのでしょう。
捕鯨反対派、特にシーシェパードのように、捕鯨を敵対視して、暴力活動に出る人たちは、捕鯨で生活している人の生活を保障する代替案か何か出してから暴力以外で解決を試みてほしいですね。
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