今週の「虎と小鳥」は、教会で行われた声楽のコンサートが舞台です。
前回、第150話のエピソードで登場した、ソプラノ歌手のさゆりさんが、その夜行ったものです。
さゆりさんは現在、パリ地方国立音楽院の演奏家課程に在学中。
動画では、さゆりさんたちの歌をたっぷり聞くことができました。
サンプルでその一部をお聞きください。
★2015/01/24追記
「虎と小鳥のフランス日記」の配信が終了したため、サンプル動画も削除されました。あしからずご了承ください。
いいですね~。バッハ。
今回のビデオでは発話は少なく、どちらかというと音楽を楽しむ内容です。
きょうのメニュー
それでは復習行ってみよう!
今週の表現3つ
最初の2つの表現はお礼の言い方です。
同じ場所で使われているので、まとめ紹介します。
Merci,c’est gentil.と merci de + 不定法
コンサートのあと、カミーユとさゆりさんの会話。
カミーユは、
C’est impressionnant. C’était super beau.
素敵ね。とってもきれいでした。
それに対してさゆりさんが
ご親切にありがとう。来てくれてありがとうございます。
Merci, c’est gentil. Merci d’être venus.
■ Merci, c’est gentil.
ご親切にありがとうございます。
どうもありがとうございます。
この文はこのまま覚えるといいですね。
■ merci de + 不定詞 で
~してありがとう。
コンサートに来たのは過去のことなので、venir を過去形(助動詞+過去分詞)にして être venus
venirは助動詞にêtreをとります。
過去分詞 venus が複数形になっているのは、カミーユとアントワーヌの2人に「来てくれてありがとう」と言っているから。
ほかの例:
Merci de m’avoir aidé.
手伝ってくれてありがとう
comme ~として
アントワーヌとえりさんの会話。
えりさんは、パリに留学中のオペラ歌手で、第143話に登場しました。
⇒オペラコンサート@パリ国際大学都市
今回は、観客として登場。
オペラを歌う時、何語がいいですか?フランス語で歌うのがいいですか、イタリア語、それともドイツ語?
Quand, quand toi tu chantes de l’opéra, qu’est-ce que tu préfères comme langue ?
Tu préfères chanter en français, en italien, ou en allemand ?
■ comme + 無冠詞の名詞 ~として
Qu’est-ce que vous prenez comme boisson ?
飲み物は何になさいますか?
La phrase est donné comme exemple.
そのフレーズは例としてあげられた。
Que veux-tu comme cadeau ?
プレゼントは何がほしいですか?
※commeはいろいろな用法がありますね。
こちらで、まとめています。
⇒L42 フランス人の結婚観
このとき、オペラに出てくる言語の選択肢としてフランス語、イタリア語、ドイツ語、英語、日本語などが出てきました。
えりさんは、イタリア語が話せるのでイタリア語がいいと答えていましたよ。オペラを歌う人は職業がら、多言語を学習しているのでしょうね。
150話はこちら⇒パリのカフェでおしゃべり
バッハのアリア「あなたがそばにいるなら」(BWV508)
冒頭、さゆりさんが歌っていた曲です。
ドイツ語のタイトルはBist du bei mir
『アンナ・マグダレーナ・バッハの小曲集 第2巻』 に入っています。
バッハ作曲となっていますが、近年の研究で、ゴットフリート・ハインリヒ・シュテルツェルが作曲したオペラ『ディオメデス、または、罪なき勝利(Diomedes, oder die triumphierende Unschuld)』の中にあったメロディがもとになっている、ということがわかりました。
このオペラの楽譜は残っていません。だからずっとバッハの作曲となっていました。
それにしても、こんな昔のこと、どうやって突き止めるんでしょうね。
参考⇒Bist du bei mir — Wikipédia
歌の内容は、あなたがずっとそばにいてくれたら、私は永遠に幸せだ、たとえ自分が死んだとしても(これから死ぬのかもしれません)、といった感じ。
私、ドイツ語、全く知りませんので、ウィキペデイアにあった歌詞をGoogleに翻訳してもらいました。さすがにバッハが目をつけただけあり、とてもメロディの美しい曲ですね。
有名な曲で、いろんな人が歌っているし、楽器でも演奏されています。
さゆりさんと同じ、教会で歌っているバージョンをご紹介します。パリを拠点に活動している日本人のソプラノ歌手、秦 茂子(はた しげこ)の歌です。
以前、勉強法ミニレポートを全員プレゼントしていたときのアンケートで、オペラの話題を書いてほしい、という方がいらっしゃいました。
そこで、ゆりさんの回では、モーツアルト、今回はバッハのアリアを取り上げましたが、どんなもんでしょうか?
また、感想など教えてくださいね。
こちらの記事⇒歌と訳詞:Tant que vivray(花咲く日々に生きるかぎり)~クロード・ド・セルミジで書きましたように、私は高校生ぐらいのときからバロック音楽が大好きでした。毎朝NHK-FMの「バロック音楽のたのしみ 」を聞いてから、登校しておりました。
当時流行っていたディープ・パープルなどの、英国のハードロックも好きでしたけどね。朝はバロック、夜はハード・ロックとダブルロックな生活をしていたのを思い出しました。
ところで、秦 茂子は、今回登場したさゆりさんのいわば目標にあたりますよね?パリのどこかの音楽院で教鞭もとっておられるようです。
さゆりさん(なんと二児の母)の夢は世界中で歌うこと。
さゆりさんの夢がかなうといいですね。
Pen さん
第151話 のビデオの最後に曲目が紹介されており、Bach は
ist du mein herz と書かれてありましたが、さすがPen さんは
ビデオに収録されている音楽を迷わず紹介されたことに、感服しました。
脱帽です。 樋沼
樋沼さん、こんにちは。
ist du mein herz ってこの曲の別名なんでしょうかね?
「迷わず」というか、私、ドイツ語さっぱりわからないので、Googleに翻訳を助けてもらいましたけど。
いつも記事を書くまえに、それなりにリサーチしています。
コメント、どうもありがとうございました。
ビデオで紹介されていた曲目 Bist du mein herz をGoogle でしらべましたが、見つかりませんでした。そこでさゆりさんにメールで確かめたところ、Pen さんの言う通りでした。私が感服したのは Pen さんの音楽を聴き取る力です。再度 脱帽。
樋沼さん、こんにちは。
再度のコメント、ありがとうございました。
え、さゆりさんに問い合わせたんですか。
それもすごいですね。
いや、音楽を聴き取る力なんて、ありませんが・・・
バロック音楽は中学生のときから好きでよく聞いてますけど。