『不思議の国のFrance』第23話の受講メモです。
この動画はフランスダイレクトスクールより毎週土曜日に配信されます。
第23話は22話の続きで、ガブリエルが新宿の写真をとるエピソード。
前回は花園神社で撮影していましたが、今回はゴールデン街です。
23話も22話と同じように、ほとんどガブリエルのモノローグで構成されていました。
新宿ゴールデン街の魅力をさぐりながら、前置詞+lequel(複合関係代名詞)の学習もできる、お得な回です。この記事では、そのlequel のこと、使えるフランス語表現、人と違う写真をとることについて書きますね。
前置詞 + lequel, laquelle, lesquels, lesquelles
lequel (とその仲間) は 前置詞+名詞に置き換わって、2つの文を結びつける役割をします。
たとえば
C’est une réunion. それは会議です。
Je serai présent à cette réunion. 私はその会議に出席します。
の2つの文の共通の単語である réunion。この場合、2つ目の文章の中にあるréunionを関係代名詞でおきかえて、文をくっつけることができます。
そのとき、会議に(à cette réunion) の 「~に」を表す à を関係代名詞の前に持って来ます。つまり«à +laquelle» という形になるわけです。
réunion は女性名詞なので、lequel の女性形、laquelle を使用。
C’est une réunion à laquelle je serai présent.
それは私が出席する会議です。
1. lequel は 置き換わる語と性数一致する。
2. 前にくる前置詞が à や de のとき、lequel, lesquels, lesquelles と縮約します。
つまりこんな形が出現します。
auquel, auxquels, auxquelles
duquel, desquels, desquelles
縮約とは⇒「まいにちフランス語」5:初級編L13-15~動詞être
スクリプトで、«à +lequel(とその変化形)»が出てきた文章をご紹介します。
眠る時間
10h, l’heure à laquelle le quartier sombre dans le sommeil.
午前10時は街が眠りにつく時間です。
撮影はゴールデン街で午前10時に始まりましたが、この時間は、この街が眠る時間である、ということ。
à laquelle は à l’huere で、この時間、つまり10時のこと。
Le quartier sombre dans le sommeil à l’huere, 10h. と書き換えることができます。
全く注意をむけない物
Tapis dans l’obscurité, ce sont des objets qui se trouvent souvent trop prés de nous, auxquels nous n’accordons aucun égard.
私たちの近くにありすぎる、闇の中に隠された物は、私たちは全く目をむけません。
これはカメラの被写体について話している部分です。写真家は人が目をむけないものに被写体としての価値を感じるべきだ、というようなこと。
この文の auxquels は des objets (物たち)です。
この文章のコアだけ取り出して文をばらしてみると、
Ce sont des objets. それは物です。
Nous n’accordons aucun égard aux objets. 私たちはそのものにいかなる目もむけない。
obscurité 暗さ、闇
accorder 与える、授ける
accorder son attention à ~に注意をむける
aucun égard いかなる点も
人が注意を向けない物
Aux choses auxquelles on ne prête pas d’attention, il faut savoir s’arrêter et prendre le temps de regarder.
人が注意を向けないものに足を止め、見つめる時間をとることができるようになるべきです。
ここもカメラの被写体の話です。前の文と同じようなことを言い換えています。
この auxquelles も les choses (物たち)のこと。
Aux chosesを文頭にだして倒置しています。ふつうの語順に直すと
Il faut savoir s’arrêter aux choses auxquelles on ne prête pas d’attention, ….
この文のコアだけとりだして、auxquelles を使わずばらして書くと
Il faut savoir s’arrêter aux choses. その物たちに足をとめることを知らねばならない。
On ne prête pas d’attention aux choses. 人は、その物たちに注意を向けない。
choses は女性形複数形なので lesquelles で受けますが、前置詞 à と縮約するので、auxquelles という形になっています。
prêter attention à
~に注意をむける
s’arrêter 立ち止まる、足を止める、とどまる
☆lequel とその仲間についてはこちらの記事で詳しく書いています⇒前置詞+lequel (とその仲間)~翻訳講座第9回後半
使えるフランス語表現4つ
La Golden Gaï n’a pas toujours été le quartier dans bars.
ゴールデン街は昔から飲み屋街だったわけではありません。
avoir + été は être の複合過去形。
n’a pas toujours été は場所の説明をするとき、子ども新聞の記事にも出てきます。
Avec l’apparition de la loi interdisant la prostitution, les maison de joie ont fermé les unes après les autres pour laisser place à des bars.
売春を禁止する法律ができたので、売春宿は、次々に消え、飲み屋街に変わっていきました。
laisser place à ~を許す、許容する、自由を与える
Je ne m’arrêterai pas là.
私はここにとどまりません⇒まだ続けます。
ここでは、ガブリエルはゴールデン街だけでなく、日本のいろんなところに行って、写真を撮り続ける、という意味。
Il me reste encore tellement d’endroits à découvrir.
まだ見つけるべき場所が残っています⇒まだ行ったことがない場所がたくさんあります。
☆resterを使った非人称構文 Il reste ~が残っている
人が目も向けない被写体の例
たとえば、狭い路地裏や、家と家の間からかいま見える空は、ふだん人があまり目を向けない被写体です。
日本語:こんなに狭くても空だよ。
フランス語:A partir de cette rue, le ciel semble si petit. Et pourtant, c’est bien le ciel dans toute sa splendeur.
この道から見る空はとても小さい。でも、まぎれもなく美しい空なのです。
日本語は短いけど、フランス語にするにはちょっと説明が必要です。
à partir de … ~から
花園神社での撮影話はこちら⇒「新宿」という街を名詞構文を使ってフランス語で説明してみよう
この続きはこちら⇒「すごい渋滞」「家でゆっくりした」など連休中にしたことをフランス語で話すには?
前回、今回と写真という芸術がテーマということもあり、日常会話とは違う、詩的な文章がたくさんでてきて勉強になりました。
ガブリエルはフランス人ですから、私たちとは全然違うふうに、日本の景色が見えているでしょうね。
人と違う視点を持つということは、アーティストのみならず、私のようはふつうのペンギンにも必要なことかと思います。
視点がたくさんあるほうが、人生は楽しくなりますね。
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