シンプルでフランス語入門段階でも覚えやすいことわざをご紹介します。
La nuit porte conseil.
夜は助言をもたらす。
夜は助言をもたらす
今回は、あえて直訳ふうの和訳をつけました。
というのも、このことわざは、少なくとも以下の3つの解釈ができるからです。
1.夜考え事をするといいアイデアが浮かぶ。
2.一晩寝るといいアイデアが浮かぶ。
3.決めるまえに一晩よく考えるべきだ。
1つずつご説明します。
まず1ですが、夜は周囲が静かなので、昼間より落ち着いて考えごとができます。だから、夜、考えれば、いい案が浮かぶ、というもの。
2は、今何か、考えなければいけないこと、決めなければいけないことがあるけれど、考えがまとまらない。でも、一晩寝て、朝になれば、いい案が浮かぶ、という解釈。
3は、すぐに決めず、一晩よく考えたほうがいいアイデアが浮かぶ、または大事なことは一晩寝てゆっくり考えるべきだ、とういう解釈。
一般には、2の解釈をすると思います。ロワイヤル仏和辞典の訳は「一晩眠れば知恵も浮かぶ」とあります。
でも、ロベール仏和大辞典では、「重要な決定を下す前に一晩よく考えたほうがよい」とあります。これは3の解釈ですね。何かを決めるとき、即決せず、少し時間をおいたほうがいい、ということです。
どの意味で使うかは、文脈にもよるし、好き好きだと思います。
朝型の私は、2の解釈が好きです。1と3は、夜、起きている必要がありますから。
夜は一日の活動のあとで、心身ともに疲れています。一晩寝て、スッキリしたあとのほうがいいアイデアが生まれますよね。
それと、夜って、何を考えるにも悲観的になりがちです。悪い方に考えて思いつめてしまうというか。
同じ問題を、朝考えてみると、もっとポジティブに思考できるような気がします。
まわりが明るくて、新鮮な雰囲気の中で考えることができるからでしょうか?朝は、新しい手つかずの一日の始まりですから。
何かやったあと、一晩寝かす、というのも大切なことですね。
誰かに苦情やお別れの手紙を書いたら、すぐに投函せず、翌朝読み直すことをおすすめします。十中八九、「私、きのう何をこんなに感情的になっていたんだろ」と思うのではないでしょうか?
よくわかる!フランス語の文法解説
単語の意味
la 女性名詞につく定冠詞
nuit 夜
porte < porter 運ぶ、届ける、もたらす
conseil 助言、アドバイス (男性名詞)
※conseil に冠詞がついていませんが、ことわざや慣用句では冠詞が落ちていることがよくあります。
直訳
夜は助言をもたらす。
類似の表現
consulter son oreiller
枕に相談する⇒一晩寝てよく考える
英語では
sleep on it ちょっと考えてみます
Take advice of your pillow.
枕の助言を得なさい⇒一晩考えなさい
という表現があります。
日本語でも「寝かせる」という言い方をしますね。
★夜が出てくることわざにはこんなのもあります。
フランス語のことわざ9~夜は物の文目(あやめ)も分かず
★ことわざの記事の目次を作りました。ご利用ください。
その1⇒フランス語のことわざ~目次 その1
睡眠や脳のメカニズムは完全には解明されていませんが、寝ているあいだに脳は、昼間起きたことを整理して、不要な情報を捨て、デフラグしている、という説がありますね。
起きていると、脳はずっと刺激を受けっぱなしですから、睡眠によってそれを遮断することは大切だと思います。
忙しいときに睡眠を削って、作業をするより、しっかり寝たほうが効率がいいでしょうね。
私は、ブログの更新を早朝しています。翌日書くことが決まっていないときは、寝る前に「翌朝、ブログの更新が終わって、ほっと安堵した自分」をイメージするようにしています。
いわゆるイメージトレーニングです。
そうすると、寝ているあいだに、脳が勝手に記事のネタをインプットしてくれるようです。いつも朝起きると、書くことを思いつきますから。
案が出なくて苦しんでいる方は、だまされたと思って、やってみてください。
それでは、次回のことわざの記事をお楽しみに。
La nuit est mere de pensees とも言うので、私も一晩寝てから考えることにしてます。Prends conseil a l’oreiller だと一晩中考えることになり、つらいし、かならずしも良い考えが浮かぶとは限らないので、私はまず寝ることにしています。
樋沼さん、こんにちは。
そうですね。私はそもそも、夜いつまでも起きていられないので、
寝てしまいますね。
なるようにしかならない、と思うほうです。
コメント、ありがとうございました。