ノートと鉛筆

百合のFranceウォッチング

L52 フランスの学校の問題~映画「パリ20区、僕達のクラス」

『百合のFranceウォッチング』の第52課の受講メモです。この講座では文法は軽く流して、おもにポーズ・カフェの書き取りにフォーカスしています。

先週、3人はお昼ごはんを食べながら、音楽の話をしていました。今週は夕食を食べながら、映画について話しています。

きょうのメニュー
・接続法
・ポーズカフェ~フランスの学校の問題
・映画「パリ20区、僕達のクラス」

接続法

Il faut absolument que tu le voies.
きみは絶対にそれを見るべきだよ。

これはジュリアンが百合にある映画を強くおすすめしているセリフです。このvoies はvenirの接続法の活用です。

法とは、話者がどんなつもりで話しているかということ。
直接法 事実を事実として
条件法 現実にはありえない仮定の話として
ここまではわかるのですが、接続法はよく
頭の中で考えた内容として、といった説明がなされます。

これって、よくわからないですよね?だって、何か話すとき、たいてい頭の中で考えませんか?胃の中じゃあないですよね。まあ、何も考えず、反射的にしゃべるときもありますが。

接続法は queで始まるかたまり(節と呼ばれるもの)の中で登場するので、「queのあとに接続」だから接続法なのですが、私は、「もうこういう形のときは、接続法なんだ」と覚える(全然覚えきれていませんが)ことにしています。

★接続法についてはこちらをどうぞ。

penと船

⇒「まいにちフランス語」45:L67 接続法現在 その1
「まいにちフランス語」46:L68 接続法現在 その2

★法についてはこちらに詳しく書いています。
⇒法については以前こちらに書きました。
「まいにちフランス語」13:初級編L35~動詞prendreと命令法

ポーズカフェ~フランスの学校の問題

書き取り

きょうのスキットで、ジュリアンが「パリ20区、僕達のクラス」という映画を勧めていますね。

Oui, ce film qui traite la question de l’éducation au collège en France, a eu un grand retentissement et il a obtenu la Palme d’or au Festival de Canne de 2008.

Eh bien je pense qu’il décrit avec un réalisme remarquable les problèmes actuels de l’école en France. Et ce qui se passe dans le collège loin d’être exceptionnel peut très bien se produire dans n’importe quel autre collège français.

成績会議に生徒代表が出ている場面は信じられませんでした。

Je suis tout à fait d’accord avec vous. Les délégués classes sont tenus à la confidentialité, ils ne respectent pas ce principe et cela détériore encore plus la relation enseignants-élèves.

要約

この映画はフランスの中学校の問題を扱っており、大評判となり、2008年のカンヌ映画祭でパルムドールを受賞した。

この映画が描いているのは、今日のフランスの学校のリアルな問題で、どこの学校にもありうることだ。

クラスの代表は秘密を守るものなのに、この映画ではこの原則が守られなかったので、教師と生徒の関係がさらに悪化した。

単語メモ

traiter 扱う

retentissement 評判 (← retentir )

la Palme d’or au Festival de Canne カンヌ映画祭のパルムドール(大賞)
この賞についてはこちらに書いています。
カンヌ国際映画祭のパルムドールの起源

être tenu à la confidentialité 秘密を守る、守秘義務がある

enseignant 教師(複数形が多い)

映画「パリ20区、僕達のクラス」 ”Entre le murs”

予告編です。

ポーズカフェで説明があったように2008年のフランス映画。

フランソワ・べゴドー( François Bégaudeau)が自身の体験をもとにして書いた、同名の小説の映画化。監督はロラン・カンテ( Laurent Cantet)

内容は20区の中学に赴任した国語(つまりフランス語)を教えるマラン先生が、やる気のない問題児(と世間からは思われている)を相手にいろいろ苦労する話。

予告編を見てわかるように、みな移民の子どもたちで、家がまずしいといった問題があります。「パリは人種のるつぼである」ということが意外と知られていないと思うのですが、この映画をみれば、そのことがよくわかります。

映画では20区の中学ですが、原作では19区の学校だそうです。このあたりは、移民の多い場所なのです。

一見、ドキュメンタリーに見えますが、フィクションで、生徒は演技経験のないほんものの中学生だそうです。

☆予告編のスクリプトをこちらで訳しています⇒『パリ20区、僕たちのクラス』で接続法半過去を学ぶ:予告編のフランス語(1)

★第26課以降の記事の目次はこちらです。
『百合のFranceウォッチング』~目次 その2(L26~)

パリの中学生、みんな大人っぽいですね。

中学生というのはもともと難しい時期です。ピア・プレッシャーが大きいので。これが高校生になると、大学進学といった、自分の将来のことが視野に入ってくるから、自分自身というものをもう少しみんな持つようになると思います。

自分が中学生のころを思い出そうとしてみましたが、「勉強に意味が見いだせない」とか、そういうことすら何も考えておらず、毎日のほほんと生きていました。

とにかく宿題が多いので、「きょうは、これやらなきゃ」、「あ~、明日はあの宿題出さなきゃ」という日々でした。

小学生のときは、夜の8時には寝ていたのに、中学になったらいろいろやることが多くて、いきなり11時就寝になってしまいました。

一応、はじめはバレー部に入っていて(「アタックNo.1」や「サインはV」がはやっていた)、練習をして帰るから時間がなかったようです。

日本の学校は宿題攻めにして、生徒に何も考えさせないようにしているのかもしれません。今の中学校事情はさっぱりわからないので、もっと楽かもしれないですね。

それでは次回のラジオ講座の記事をお楽しみに。






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