フランスのお菓子やおやつのレシピを紹介しています。今回はイースターのケーキです。フランス語で書くと gâteau de Pâques (ガトードゥパック)となります。
イースターのケーキってどんなの?
イースターのケーキと言っても、イースターケーキという種類のケーキがあるわけではありません。イースターの雰囲気のあるケーキ、イースターがテーマのケーキがイースターケーキです。
イースターになると卵や鶏、ウサギ、その他の形をしたチョコレートが販売されます。そのせいか、イースターの食事のデザートとして食べるケーキは、チョコレートケーキが多いです。
イースターにチョコレートを食べる理由はこちら⇒イースターに卵の形をしたチョコレートを食べる理由~前編
円錐形のケーキ(つまりふつうの丸いケーキ)を焼き、それを鳥の巣やバスケットに見立て、上に小さな卵型のチョコレートを飾ったケーキをよく見ます。ウサギや羊の形のケーキもあります。
まずいつものように750gのレシピを紹介します。クラストの上にチョコレートムースを流したケーキで、上にあっさりと卵型のチョコレートを散らします。
簡単イースターケーキ(チョコレートムース)
材料(ingrédients)
■Le fond 土台
60g de chocolat blanc ホワイトチョコレート 60グラム
100g de pâte pralinée ou pralinoise パートプラリネまたはプラリノワーズ 100g
100g de crêpes feuilletines クレップフィヨティーヌ 100g
パートプラリネはチョコレートの名前のようです。
プラリネはもともと砂糖を加熱してカラメル状にしたものにアーモンドを混ぜてすりつぶしたペースト。アーモンド風味のチョコレートだと思います。
クレップフィヨティーヌは、葉っぱのように薄い生地を巻いたお菓子。動画にでてきます。チョコレートにこれを混ぜるとサクサクした食感が出ます。
■La mousse ムース
300g de chocolat noir ダークチョコレート 300グラム
60 cl de crème liquide très froide しっかり冷やした生クリーム 60センチリットル=600cc
Cigarettes russes 薄い生地を葉巻みたいに巻いたお菓子。直訳は「ロシアの葉巻」。日本語ではシガレットクッキーと呼ばれているみたいです。
飾り用の卵型のチョコレート
イースターのチョコレートムースケーキの作り方
■土台
1.ホワイトチョコレートとミルクチョコレート(プラリネのチョコ)をボールに入れ、電子レンジで加熱。
2.そこにクレップフィヨティーヌを砕いて入れ、混ぜます。
これで土台の生地は出来上がり。オーブンペーパーの上にのせたセルクル(直径20センチぐらい)に生地を敷き詰めます。そのままチョコレートが固まるまで冷蔵庫で生地を冷やします。
■チョコレートムース
1.シャンティイショコラ(chantilly chocolat)を作る。
シャンティイはホイップクリームのことです。シャンティイショコラはチョコレートホイップクリーム。
しっかり冷やした生クリームをボールに入れ、固く泡だてます(動画ではスタンドミキサーを使っています)。
ダークチョコレート(ミルクチョコレートでも可)を湯煎であたため、少し冷まします。
温度の下がった溶かしチョコレートをホイップクリームに混ぜます。
動画では、チョコレートの入ったボールに少しクリームを混ぜ、それを残りのクリームに投入して混ぜています。
これがチョコレートムースの生地です。
2.台の上にムースを入れる。
セルクルの縁ギリギリまで入れて、表面をなめらかにし、穴が残らないようにします。最後の飾り付けにチョコレートムースを使うので、少し残しておいてください。
■仕上げ
冷蔵庫に3時間ぐらい入れるか、冷凍庫に1時間入れて、ムースを固めます。
型からムースを出して、まわりに残りの生クリームをぬり、シガレットリュスで囲って、上に小さな卵型のチョコレートを散らしてできあがり。
ただ、型からムースが簡単に取り出せるのか疑問です。
コメント欄を見ると、「ムースをどうやって型からはずすんですか?」という質問に、シェフダミアンは、「セルクルから出さない」と答えているのです。しかし、セルクルから外さないと、切り分けるのが難しいですよね?
また別の人の「型からはずすの簡単にできますか?」という質問には、「大丈夫!」と答えています。
外すのか外さないのか?
外したほうが食べやすいと思います。通常ムースを型から出す時は熱いタオルで型のまわりを温めます。ムースをガチガチに固めたほうが、はずしやすいでしょう。
ほぼ冷凍して、型からはずしてから、仕上げをして冷蔵庫に入れておくといいと思います。
次にMarmitonのレシピを紹介します。Nid de Pâques (イースターの巣)という名前のケーキです。
イースターの巣ケーキの作り方
チョコレートケーキをエンゼル型で焼いて、真ん中の穴を卵型のチョコレートで埋めます。
材料
1 cuillère à soupe de café fort 濃いコーヒー(インスタントコーヒーだと思います)大さじ1
150 g de chocolat noir amer ダークチョコレート(苦いタイプ)150グラム
4 oeufs 卵4個
100 g de sucre en poudre グラニュー糖 100グラム
100 g de beurre バター 100グラム
2 cuillères à soupe bombée de farine 小麦粉大さじ2
des petits oeufs de pâques en chocolat 飾り用の小さな卵の形をしたチョコレート
※ bombée は bomber(ふくらませる)という動詞の過去分詞で、「ふくらんだ」という意味。つまりスプーンにこんもりと、たっぷりと大さじ2杯、という意味です。
たしかに、スプーンで測る場合、盛り方によって量に違いが出ますね。
作り方
1.オーブンを180度に予熱
2.鍋にバターとチョコレート、コーヒーを入れ、弱火にかけとかす
3.型にバターをぬる
4.ボールに卵の黄身と砂糖を入れ、混ぜる。
5.溶かしたチョコレートを生地に入れる
6.小麦粉をふるいながら入れて混ぜる⇒黄身の生地の出来上がり。
7.白身を固く泡立てる(メレンゲを作る)
8.黄身の生地にメレンゲを混ぜて生地のできあがり。
9.型に流して180度で25~30分焼く。
10.焼けたら粗熱をとって型からはずす。ケーキを完全にさます。
11.カスタードソース(分量外)を穴に流してチョコレートで埋めてできあがり。
☆カスタードソースはなくてもいいです。
もう2つ、話のネタとしてイースターケーキのレシピを2つ紹介します。
卵型のケーキ
これは卵の殻をケーキの型に使います。画期的というかめんどくさいケーキです。卵の殻の中に流しているのは溶かしバターです。
西洋人はあくまで卵の形にこだわりたいようです。
羊の形をしたケーキ(ラマラ)
ラマラ(Lamala)という名前の羊の形をしたスポンジケーキです。アルザス地方の伝統的なイースターのお菓子だそうです。
かわいいといえばかわいいかもしれないケーキです。
イースターでは、地方によってはラムローストを食べる習慣があります。これはユダヤ教の「過ぎ越しの祭」のとき、いけにえとして羊を神に差し出したことから来ているそうです。
羊の形をしたクッキーもあります。
☆イースターについて詳しく知りたい型はこちらの記事をお読みください。
今回はイースターのケーキを紹介しました。
イースターといえば、ホットクロスバンズという丸いパンを食べる習慣もあります。このパンの作り方は、次回か来年のイースターに合わせて紹介する予定です。
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