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フレンチポップスの訳詞

Le pouvoir des fleurs(花のちから)ロラン・ヴルズィ(歌と訳詞)

ロラン・ヴルズィ( Laurent Voulzy)の1992年のヒット曲、Le pouvoir des fleursという曲を紹介します。

花のちからが世界を変える、という内容です。

作詞はフランスの有名なシンガーソングライター、アラン・スーション(Alain Souchon)、作曲はロラン・ヴルズィです。

Le pouvoir des fleurs

3分45秒。

とても美しい曲ですね。

歌詞の中に、花の名前がいくつか出てきます。ミドルテンポなので、わりと聞き取りやすいと思います。

それでは訳詞に挑戦!

花のちから・訳詞

地球のための計画があったことを思い出す
人間と自然のための
柵や壁がこわされるのも
アルチュールの古い胸壁がこわされるのも
見なければならなかった
僕たちの希望を思い描こう
人はこころをはせた
花のちからに
ジャスミン、リラ
それは僕たちの師団で兵隊だった
すべてを変えるための

世界を変えるために
すべてを変えるために、バラの花束で
女性を変えるために
男性を変えるために
ゼラニウムで

歌や言葉があったことを思い出す
花びらや花かんむりのような
夢を見ながらきいていた
ターンテーブルを持って夢中だった小さな女の子
花の香り
香りを思い浮かべて
エデン、その庭
それは明日のためにあった
でも明日はいつも同じ
いつも同じ望みが寝ずの番をしている
皆の心の奥底で
すべてをやさしく変えるために

魂を変えるために
心を変えるために、花束で
風の戦争
愛が前にくる
野の花のおかげで

ああ、地球上には、
たくさんやることがある
子どもたちのために、人々のために、ゾウのために
ああ、本当にたくさんやることがある
僕は、
勇気づけるために
この花々をきみに送り届ける

君は僕たちがスカーフやシャツ身にまとっているのを見るのさ
ほらとても鮮やかな色だ
愛が失われたとしても
それはちょっと遅れただけ
鮮やかな色、ハーモニー、香りで
古い世界を変えるために
庭を作るために
君は見るのさ
君は見るのさ
花のちからを
僕の歌の中にはポップなアイデアがある

魂を変えるために
心を変えるために
花束で
風の戦争
愛が前にくる
野の花のおかげで

単語メモ

Les vieux parapets d’Arthur アルチュールの古い胸壁

ここは、アルチュール・ランボーの詩、Le Bateau Ivre(酔いどれ船)の一節のことを言っているとコメントで教えてもらいました。

もとの詩より、parapets の出てくるところを抜粋します。

Moi qui tremblais, sentant geindre à cinquante lieues
Le rut des Béhémots et les Maelstroms épais,
Fileur éternel des immobilités bleues,
Je regrette l’Europe aux anciens parapets !

penの訳(詩にはなっておりません)

僕は震えていた。50海里のところでうめいているのを感じながら
ベヘモットと、大きな渦潮が発情が(うめいているのを)
青い不動の状態(= 海のこと)を永遠にさまよい
古い胸壁にかこまれたヨーロッパを懐かしむ

parapet 胸壁(敵弾を防いだり、見方の射撃の便宜をはかったりするために、胸の高さほどに築いた盛り土)

corolle  花かんむり

tourne-disque  ターンテーブル

Le pouvoir des fleurs は、フラワーパワーと訳してもいいかもしれませんが、そうすると、60年代後半の、サマー・オブ・ラブやヒッピームーブメントのイメージがあるので、「花のちから」としました。

PVではサーカスが出てきますね。これはいったいどんなコンセプトなんでしょうか?

このPVを見る限りでは、花にはちからがあるんだよ、ぐらいの感じなのですが、この歌は歌詞の内容から、平和や自然を大事にしよう、といったエコロジーの歌として今も歌い継がれています。

花のちから・カバーバージョン

2016年にキッズ・ユナイテッド(Kids United)がカバーしており、いまはどちらかというとこちらのバージョンのほうが有名かもしれません。

キッズ・ユナイテッドは歌のうまい子達ばかりが集まっていて、美しいハーモニーを聞かせるのですが、オリジナルにあるロックっぽいところがみごとに抜け落ちているような気がします。

PVも、母の日にはカーネーションを送りましょう的な、花屋の宣伝っぽい印象がありますけど、私だけですかね?

YouTubeには、ロラン・ヴルズィとアラン・スーションが一緒に歌っているライブの映像もありますので、興味のある方はごらんください。

この曲は Caché Derrière というアルバムに収録されています。

また、Saisonsというロラン・ヴルズィのベスト・アルバムにも入っています。

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アラン・スーションは詩人で言葉遊びがふんだんにあったりし、彼の歌詞は訳しにくいのですが、この曲は、訳しやすいほうだと思います。

それでも、よくわからないところがあり、「だいたいこんな感じかな」と思いながら訳しましたので、フランス語が得意な方は、ご自身で解釈していただき、そうでない方は、「だいたいこんな感じなんだな」と思ってください。






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コメント

  • コメント (3)

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    • Blanche Neige
    • 2020年 8月 04日 9:27pm

    私の大好きなLaurent Voulzyの、大好きな “Le pouvoir des fleurs”を取り上げてくださって有難うございます。
    訳詞の中で、”アーサー王時代の古い欄干。。。”というくだりがありましたが、これはRimbeaudアーサー王ではなくて、Arthur Rimbeaudの「酔いどれ船」”Le bateau ivre”の中に一節:Je regrette l’Europe aux anciens parapets”から取っていると思います。parapetsは欄干と言う意味もありますが、城の胸壁と言う意味もあります。 ここでは、障壁や壁を崩そう、と言ってますから、欄干よりも、胸壁の方が良いかしら、と思いますが。

      • pen(フランス語愛好家)
      • 2020年 8月 05日 8:47am

      Blanche Neigeさん

      こんにちは。コメントありがとうございます。
      ああ、この歌詞は、ランボーの詩から取っているのですね。

      ランボーの詩はよく知らないので、少し勉強・リサーチしてから必要に応じて修正いたしますので、
      ちょっとお時間をいただきたいです。

      コメントありがとうございました。

      これからもブログを見ていただければ幸いです。

      pen

    • Blanche Neige
    • 2020年 8月 04日 9:30pm

    すみません!ランボーのつづりを書き間違えました。コメントを修正できないので、書き直します。Rimbaudです。

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