虎と小鳥のフランス日記のバックナンバー、第47話を勉強しました。
その1の続きです。
47話の見どころは?
今回もまずサンプルビデオをごらんください。
1分40秒
★2015/01/24追記
「虎と小鳥のフランス日記」の配信が終了したため、サンプル動画も削除されました。あしからずご了承ください。
パリ9区にある« Aux Pipalottes Gourmandes »という高級お惣菜テイクアウト店が舞台です。
この回の特徴は?
・長い
・難しい
・おいしそう
・レストランで使う表現がたくさんつまっている
グルメな人に、特におすすめの回です。では、3つのキーフレーズをチェックしましょう。
3つのキーフレーズ
その1
だから。。食事も期待できそうですね。
目の大きいカミーユ
これは、サンプルビデオの一番最後の文です。
その2
私はワインにしますが、どれにしようかな・・
アントワーヌ:声の出演
その3
なるほど。オーナーのおすすめに従います。
パーカーをお召しになったミュージシャンみたいなこの人、この店のオーナーだと解釈して訳しました。
シェフは料理長という意味もありますが、ほかに「最高責任者、リーダー、~長」という意味もあります。
Donc euh… j’crois que ça va être sympa.
Moi je vais prendre un petit verre de vin…qu’est-ce que je vais prendre…
D’accord. On va suivre les conseils du chef.
キーフレーズの文法の解説
その1 状況が主語の近接未来
j’crois que = je crois que
早くしゃべっているのでjeのeの発音が落ちています。
ça vas être sympa
çaは今のこの状況です。
va = aller
aller+動詞 の「近接未来」と呼ばれる形で、「これから~になる」。
ラジオ講座などでは、人が主語の文でよく見るのですが、このようにその場の状況で使われるのがたまに「虎と小鳥」に出てきます。
地下酒場のような店に入って、「これから暑くなりそうね・・」などと言う例も以前ありました。
直訳:今のこの状況はsympaになる、と私は思う。
⇒きっといい感じね、食事が楽しみね。
その2 注文に迷ったら
これはアントワーヌがワインを注文するときに、どれにしようかな・・と言っています。
注文するときメニューを見ながら「どうしよっかな?」と言うことありますね。
そういうときは、qu’est-ce que je vais prendre と言えばいいのですね。
こう言うと、たいていウェイターは「これがおすすめですよ」などと、言ってきます。
ビデオでも Rouge…blanc… 赤ですか?白ですか
と尋ねていました。
その3 おすすめに従います
on va suivre les conseils du chef
デザートのフォンダンショコラを食べる前のカミーユの言葉
conseils du chef オーナー(シェフ)のアドバイス
これもその1と同じ「近接未来」の構文です。
va < aller
suivre ~に従う
suivre le conseil de 誰々 「誰々の忠告にしたがう」
ほかの例)
Il faut suivre les conseils de pros.
プロの言うことは聞かないとね。
その1はこちら⇒美食家の楽園「虎と小鳥のフランス日記」第47話その1
きょうの豆知識1:フォンダンショコラの食べ方
フォンダンショコラ(fondant au chocolat)を食べるときのアドバイスとは?
アドバイスと言ってもたいしたことはなくて、
「井戸を掘る」です。
以下、その場面の会話を書いておきます。
まわりの紙をとらずに、真ん中から食べるか
Soit vous le mangez directement dans la feuille de cuisson
取り除いてもいいです。
Soit vous l’enlevez
それはお好みで。私は真ん中から食べます。
C’est au choix. Moi je vous conseille de le manger dedans, oui.
こういうふうに、井戸を掘るんです。
Ça fait un petit puits, comme ça.
それを聞いて、カミーユが、
まず真ん中から食べないとね。
…il faut le manger à cœur
中央にぶすっとスプーンを入れました。
でも、ふつう紙(une feuille de cuisson)をとりますよね?だって、紙にくっついてるのをスプーンで取るの、大変じゃないですか?
たまに紙をなめてる人いますけど・・
このフォンダンショコラ、ほとんど生です。
日本人はもっと焼きの入ったものが好きです。フランスの人は、一般に生っぽいのがお好みで、フォンダンショコラもどろどろなのです。
きょうの豆知識2:バナニア
前回に続いて、店内にあるお菓子のキャラクターから、1つだけご紹介しますね。
この店のテーブルの上に描かれていたオリエンタルカレーのキャラクターみたいなの、見たことありますか?
これはバナニア(Banania)のキャラクター。
バナニアというのはフランスの粉末のチョコレートドリンクです。
飲んだことないのでわかりませんが、ミロにバナナの味がついた感じでしょうか。
こちらはふくよかなLu少年の脇を固めるバナニア。Lu少年については、前回書いています。
バナニアは1912年に生まれた歴史のある商品です。
古いCM
46秒
この動画の説明に1930ってあったんですけど、それは昭和5年です。昭和5年にもうこんなCMが? びっくりですね。
このキャラクターは以前は、リアルな黒人の絵でしたが、今はアニメのキャラふうですね。
というのも、数年前に、セネガル兵の絵とともに使われていた «Y’a bon Banania» というキャッチフレーズが人種差別的という理由で、使われなくなったのです。
メーカーのホームページはこちら⇒Banania : poudre chocolatée
今は、ドリンクだけでなくいろんな商品が出ています。また、グッズもたくさんあります。
いかがでしたか?
実は、このエピソードを去年聞いたときは、店の人やほかのお客さんの話してることは、皆目わかりませんでした。
きょう聞いてみたら、スクリプトを見ながらなら、意味を持ったかたまりとして頭に入ってきました。
やっぱり聞き取りは回数を重ねるのがよさそうです。
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