フランスのWebマガジンにのっている、バレンタインデーの記事を読んでいます。
タイトルは La Saint Valentin et ses mystères
バレンタインデーとその神秘
きょうは4つめのパラグラフです。
L’Individu Seul (I.S) et la Saint-Valentin 独り者とバレンタインデー
※L’Individu Seul (I.S) とは、バレンタインデーのときに相手のいない人、その反対に相手のいる人が、l’Individu en Couple(I.C)です。
バレンタインデーの当日になりました。独り者は何もすることがありません。
あるいは、こんな感じでしょうか。この人は13日も一人だったし、15日も一人でしょう。だから、特に14日を思い出させてあげる必要はないわけです。
だって、バレンタインデーをがまんして受け入れなければなりません。独り者はサバイバルのためにいろんな作戦を考えだします。
ある人たちは、自分のやり方で、この日を特別なものにして、このイヴェントへの憎しみや孤独を追い払います。
たとえば、カップルむけのチョコレートの箱を一人でむさぼり食べたり、「独り者のパーティ」を企画したり。
– Ben ? Il est où Philippe ? Y devait pas venir ?
– Il a rencontré quelqu’un en allant chercher les chips à Mauchan.
– Sale bâtard !
– Dis donc ! Il a le droit de trouver l’amour, quand même !
– Oui mais pas de me priver de chips. Je mange quoi, maintenant, moi ? Ton céleri de merde ?
– … Toi, y a pas à se demander pourquoi t’es toute seule, hein.
– Quoi? Répète, un peu, pour voir ?
ベン、フィリップはどこ?え、来ないだろうって?
フィリップはモシャンにポテトチップスを探しに行ったとき、誰かに出会ったんだ。
裏切り者め!
なんと。彼だって恋を見つける権利はあるよ。
そうだね。でも僕のポテトチップスを奪う権利はないだろ。じゃあ、僕は何を食べたらいいんだ?君のくそまずいセロリか?
・・・あんたね、何でひとりぼっちなのか考えたことある?
何だって?もう一度言ってくれ。意味わからんし。
楽しいはずのパーティが、傷口に塩をすりこむことになりかねません。
また、反撃することを選び、2月14日のことを多かれ少なかれ故意に忘れようとする人たちもいます。
– Dis, t’as prévu quoi le 14 ?
– Attends voir… Je regarde mon agenda… Je vais voir mon gynéco. Pourquoi ?
– Euh… Non, rien.
ねえ、14日に何か計画した?
ちょっと待って、スケジュール帳見るわ。・・・婦人科に予約があるけど、どうして?
あ、うん、何でもないわ。
社会的プレッシャーに耐え切れず、運命の相手を見つけるためにどんなことでもする人々もいます。(やむを得ず、本当にどんな手でも使うのです)。
– Dis Véronique, je viens de remarquer que tes yeux étaient du même bleu que mon fond d’écran « Hawaïan Experience ». C’est fascinant…
– Te fatigue pas, Gérard : je préfère passer la Saint Valentin toute seule.
– Même si je t’offre une boîte de Mon Chéri ?
ねえ、ヴェロニク、君の目ってぼくのパソコンの壁紙の「ハワイの体験」と同じくらい青いって改めて気づいたところなんだ。本当に魅力的だよ…
悪あがきはよしてよ、ジェラルド。私、バレンタインデーは一人だけですごす方がいいの。
モンシェリのチョコレートを君にあげると言っても?
人間というものは、いろんな手段を見つけるのです。
どんな状況であれ、独り者たちに同情するのは間違いでしょう。というのも、カップルの人たちにとってもバレンタインデーは、時に、交渉するのががより困難だからです。
元記事 → La Saint Valentin et ses mystères
単語メモ
en passer par qc (あきらめて)~に従う、我慢して受け入れる
différents さまざまな、いろいろな
★冠詞なしで、複数名詞の前に置かれる
Différentes personnes me l’ont dit.
何人かの人が私にそう言った。
exorciser 追い払う
à leur manière 自分のやり方で
gynéco = gynécologue (話)婦人科医
haine 憎悪
céleri セロリ
plaie 傷、傷口
refoulement 押し返すこと、撃退
opter pour ~を選ぶ
volontairement 自分の意志で、故意に
trouver chaussure à son pied 自分の求めていた物/人を見つける、(男性が)自分にふさわしい女性を見つける
voire その上、さらに
faute de mieux やむを得ず
fatidique 運命の定めた
fond d’écran パソコンの壁紙
初回はこちら⇒バレンタインデーとその神秘~その1
この続きはこちらから⇒バレンタインデーとその神秘~その4 相手がいる人のバレンタインデー
フランスにはカップルむけの二人分のチョコレートが入った箱が売っているようですね。
チョコレートをやけ食いすると、にきびができたりしてよくありません。
そういえば、昔、うちの娘が小学生の3年生ぐらいのとき、チョコレートを食べるたびに、鼻血が出ることがありました。原因はわからなかったのですが。
彼女は自分はチョコレートアレルギーなのだと皆にふれまわり、しばらくチョコレートケーキやら何やらを前にして「食べられないの」と人の同情をかおうとしていました。
その頃の一番の仲良しの女の子が、セリアック病という、小麦粉のグルテンを摂取すると、毒になってしまう病気で、かなり制限された食生活を送っていました。
それに対し、娘は健康そのもので、「自分には何のアレルギーもないのか(つまらない)」というようなことを言ってましたから、チョコレートに反応が出て、喜んでいたふしがあります。
現在はそのような鼻血も止まり、ごく普通にチョコレートをバリバリ食べています。
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