ブリジット・バルドーが夏の終わりを歌った曲、マドラグをご紹介します。バルドーは50年代から60年代にかけてたいへん人気のあったフランスの女優です。
マドラグはサン・トロペにあったバルドーの別荘の名前です。バルドーはサン・トロペが好きで、別荘を買い、夏場はよく訪れていました。
La Madrague ラ・マドラグ
1963年の曲です。
人のいなくなった海岸で
誰が想像したことだろう
貝殻やエビやカニが
失われた夏を嘆いてるなんて
夏が行ってしまってから
みんな、ボール紙のかばんの中に
バカンスをしまったの
太陽と歌の季節に
思いをはせるのは悲しいことね
でも、私にはよくわかってるわ、来年は
すべてが再び花開き、私たちは戻ってくるの
でも、今日のところは、つらい気持ちよ
海と私の家から去るのはね
ミストラルも慣れるでしょう
ヨットがない海に吹くことに
風が私の髪をくしゃくしゃにする
私が一番恋しく思うのはそのこと
親友の太陽は
遠くに行くばかりで、もう私を照らしてくれない
離れ離れになることを
お互いに少し残念に思いながら
汽車は私を秋へと連れて行く
再び、雨の街へ向かう
私の悲しみは、誰のためでもない
まるで友だちのように私は悲しみをたずさえる
でもね、夏の1番最初の日には
心配ごとは全部忘れてしまうの
私たち、またエビやカニのお祭りをするために
戻ってくるわ
太陽の降りそそぐ浜辺のお祭りを
太陽の降りそそぐ浜辺のお祭りを
太陽の降りそそぐ浜辺のお祭りを
単語メモ
crustacé 甲穀類の動物(エビやカニ)
参考
⇒L55 海の幸(fruits de mer)にはどんなものがある?
qui l’eût cru 誰が信じただろうか、信じらないことに (決まり文句)
eût < avoir 接続法半過去
perte 失うこと
mistral ミストラル(南フランスでローヌ川の谷間から海に向かって吹く乾いて冷たい北風、北東風)
s’habituer ~に慣れる
voiliers 帆船、ヨット
chevelure 髪
ébouriffé 髪などが逆だった、乱れた
fâché 気分を害した、不満な、残念な
madrague もともとは地中海でマグロ漁に使われる大謀網(だいぼうあみ)のこと。
ラ・マドラグ~ロラン・ヴルズィ
ロラン・ヴルズィがカバーしていますので紹介します。歌詞付きの動画です。
シンプルでいい曲ですね。
★関連記事もどうぞ
⇒サン・トロペ名物、タルト・トロペジエンヌのレシピと作り方
⇒歌と訳詞:Le Cantique Mécanique~ロラン・ヴルズィ こちらも素敵な曲です。
★もっと歌の記事を読みたい方はこちらからどうぞ⇒歌の訳詞を書いている記事の目次~その1
いかがでしたか? 夏の終わりはさびしいですね。
バルドーは「風が私の髪をくしゃくしゃにしてくれなくなってさみしい」と歌っています。
くしゃくしゃなのに、とっても素敵に見える髪の持ち主のバルドー。彼女の歌に似つかわしい歌詞です。
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