フランスのお菓子を紹介するシリーズ。今回はタルトタタン(tarte tatin)です。これは要するにアップルパイのバリエーションです。焼いたあと、型から出すときひっくり返すのが大きな特徴。
100年ほど前に、フランスでタタンという名前の姉妹が、ふつうのアップルパイを作るときにちょっとした失敗をし、そこから生まれたお菓子だと言われています。
タルトタタンの歴史
1880年代にフラウスのソローニュ地方(Sologne)、ラモット・ブーヴロン(Lamotte-Beuvron)というところに、タタンホテル(フランス語ではオテル・タタン Hotel Tatin)という小さなホテルがありました。
ラモット・ブーヴロンはパリの南160キロぐらいの場所にあります。
このホテルは、ステファニーとカロリーヌというタタン姉妹が経営していたごく家庭的なホテル。
何がどうしてタルトタタンができたのか、ということについてはいくつか説があります。
1.料理を担当していたステファニーが、忙しすぎて、ふつうのアップルパイを作るつもりで、りんごをキャラメライズするため、鍋にバター、砂糖、りんごを入れて忘れてしまった。しばらくすると焦げる匂いが。
ステファニーはあわてて、リンゴにパイ生地をかぶせ、オーブンに入れて仕上げた。ひっくり返してお客さんに出したら、大好評だった。
2.ステファニーがキャラメライズしたりんごのパイを反対に焼いてしまったが、そのまま客に供した。反対というのは、通常パイ生地を敷いて、その上にりんごをのせるところ、りんごを先に入れて、パイ生地をかぶせた、ということ。
しかし、パイをこういうふうに焼いてひっくり返すデザートは、以前からあったそうです。
いずれにしろ、タルトタタンは、このホテルの名物デザートになりました。
オテルタタンは現存します。
“Lamotte-Beuvron hôtel-restaurant Tatin 3” by Croquant – Own work. Licensed under GFDL via Commons.
タルトタタンの作り方
750 Grammesというフランスのオンラインレシピサイトの、Tarte tatin maison 「家庭風タルトタタン」の作り方の動画を紹介します。
りんごは生のまま、パイ生地(折り込みパイ)も、市販のものを使うので簡単です。もちろん、自分で作ってもかまいません。
材料
1 pâte feuilletée
250g de sucre
50g d’eau
Un peu de cannelle
Pommes
パイ生地 1枚
砂糖 250グラム
水 80グラム
シナモン少々
りんご
作り方
1.カラメルを作る。なべに水と砂糖を入れて火にかけ、きつね色になるまでこがす。動画では、3分の1の水、3分の2の砂糖と言っています。これは砂糖の重さに対して、3分の1の水ということです。
2.型にカラメルを入れておく
3.りんごをむいて、2つに切って芯をとり、型に並べる
4.ところどころにバターを散らす。
5.シナモンをぱらぱらとふりかける
6.パイ生地を型にかぶせる
はしを型に折り込み、上に空気が通るように、適当にナイフで小さな切れ目を入れる。
7.180℃で、1時間ほど焼く。
8.焼けたら、ひっくり返して型から取り出す。
りんごの量は1キロぐらいでしょうか?けっこう大きな型を使っていますね。型の量に合わせて調節してください。
鍋に、バター、砂糖、リンゴをいれて、リンゴをキャラメライズしてから、焼く方法もあります。次の動画を参照してください。
こちらもりんごを使ったお菓子です⇒すごく簡単なりんごケーキの作り方~フランスのお菓子(4)
タルトタタンの作り方 りんごをキャラメライズするレシピ
ジェイミー・オリバーがフライパンで作っている動画です。シェフダミアンより、丁寧に教えてくれてます。カルバドスとかバニラを使っているので、ちょっとグレードアップしたタルトタタンです。
動画は10分です。
りんごを真ん中から(縦割りではなく水平に)半分に切ってるところが独特です。それともイギリスではこれが普通なのでしょうか。
材料:
小麦粉 (パイ生地を伸ばすときに台にくっつかないようにふる)
パイ生地 500グラム
りんご 800グラムほど
砂糖 100グラム
カルバドス 100ml
バニラ 1さや
バター 50グラム
タルトタタンはサワークリームやアイスクリームと食べるとおいしいです。使うりんごは紅玉など、実がしまってすっぱいものがおすすめ。甘いりんごと酸っぱいりんごを混ぜても美味。
それでは次回のフランスのお菓子の記事をお楽しみに。
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