赤ワイン

暦、年中行事

ボジョレー・ヌーヴォーは何がそんなに特別なのか?

毎年11月の第3木曜日はボジョレー・ヌーヴォー(Beaujolais Nouveau)の解禁日。ボジョレー・ヌーヴォーはフランスの赤ワインの一種です。

なぜ毎年、多くの人がボジョレーだ、ヌーヴォーだと大騒ぎするのでしょうか?

きょうはこのワインについてお伝えします。ちなみに、今年2017年は11月16日がボジョレー・ヌーヴォーの解禁日です。

ボジョレー・ヌーヴォーっていったい何?

FrenchPod101のカルチャーレッスンで、この日の由来を学びましょう。

ボジョレー・ヌーヴォーはボジョレー地方のワイン

みなさん、こんにちは。イングリッドです。

ボジョレー・ヌーヴォーをご存知ですか? これはボジョレー地方のAOC(原産地統制呼称)のついたワインで、1951年からあります。

毎年、このワインは、ガメイという品種のブドウから入念に作り上げられ、醸造がおわるとすぐに発売の認可がおります。

ボジョレー・ヌーヴォーの販売はフランスのみならず、世界中で大きなイベントとなっています。

きょうは、どんなふうにボジョレー・ヌーヴォーの発売がお祝いされるのか学びます。

[クイズタイム]

Savez-vous quel autre pays est grand amateur du Beaujolais Nouveau ?

ボジョレー・ヌーヴォーが大人気の別の国をご存知ですか?

答えは動画の最後にお伝えします。

昔は12月15日にならないとその年のワインを売れなかった

毎年、11月の第3木曜日にボジョレー・ヌーヴォーの発売が開始されます。この日に、醸造が終えます。

ボジョレー・ヌーヴォーの発売が始まる以前は、12月15日より前に発売されるワインは1つもありませんでした。

ですが、いくつかのワイン製造組合が圧力をかけ、この日より前に発売できるようになりました。こうして1951年に「ボジョレー・ヌーヴォー」という呼び名が生まれました。

1985年に、ボジョレー・ヌーヴォーの発売は毎年11月の第3木曜日と決められました。

ボジョレー地方とは?

このワインの名前は産地であるボジョレー地方から来ています。その場所は、長さ55キロで、北はマコン、南はリヨンのそばのラルブレルのそばにあります。

このブドウ栽培地域は、赤ワインで有名で、99パーセントがガメ種です。

ボジョレー地方では毎年、平均5千万ボトルのボジョレー・ヌーヴォーを生産しています。

ボジョレー・ヌーヴォーの特徴

ボジョレー・ヌーヴォーはフランス人の間ではそんなに評判がよくありません。

事実、これは若いワインなので「味わうためのワイン(vin de dégustation)」とはみなされていません。それにもかかわらず、このワインはフランスでは「テーブルワイン(vin de table)」としてよく消費されています。

フランスではボジョレー・ヌーヴォーが最も飲まれている地域は3つあり、1つはパリ、西部、そして東中央地域です。

毎年、ボジョレー・ヌーヴォーの発売にはイベントや販売促進のお祭りがフランス中で行われます。

フランス人はみな、このことを知っていて、ボジョレー・ヌーヴォーを味わっています。

[ファンファクト]

ボジョレー・ヌーヴォーは若いワインであり、そうであり続けなければなりません。事実、このワインはそんなに日持ちしません。

半年すぎると飲めなくなります。だから早く飲み終わらなければなりません。

では、最初に出したクイズの答えです。

日本は、ボジョレー・ヌーヴォーが大人気の国です。毎年、フランスから日本におよそ800万ボトルのボジョレー・ヌーヴォーが輸出されます。

このレッスンはどうでしたか? 何かおもしろいことを学びましたか? ボジョレー・ヌーヴォーを飲んだことがありますか? 好きですか? 

FrenchPod101.comにコメントを残してください。それではまた。

単語メモ

appellation d’origine contrôlée AOC アペラシオン・ドリジーヌ・コントロレ、フランスの農業製品に与えられる認証、原産地統制呼称。

élaborer  入念に作り上げられる

Gamay  ガメ;おもにボジョレー地方で栽培される黒ブドウ品種。ガメという名は、コート=ドール県のサン=トーバンにある集落の名前からつけられました。

vinification  ワイン醸造

syndicat  労働組合、(同業者の)団体、組合

viticole  ブドウ栽培の、ワイン醸造の

faire pression   圧力をかける

appellation  命名、呼び名

cépage  ブドウ苗、ブドウ品種

au-delà  それ以上に ☆副詞です

発音メモ

ボジョレー・ヌーヴォーのつづりはいかにもフランス語らしい形です。

Beaujolais Nouveau

eau の3つ固まりで「オ」と読みます。beaujolais、nouveau 両方に出てきます。

帽子、chapeau シャポー もそうですね。

ai は 「エ」です。最後のSは発音しません。

ou はこの2つで「ウ」

日本ではボジョレー、ボージョレ、ボジョレといろいろな書き方をしますが、「ボジョレ」が一番近いような気がします。

この記事では「ボジョレー・ヌーヴォー」としていますが、「ボジョレ・ヌーヴォー」で検索したら、Googleが、「もしかして: ボジョレー・ヌーヴォー」と言ったからです。

同じくFrenchPod101の動画で発音を確認してください。

vin de dégustation と vin de table の違いも出てきました。

プチ文法:接続法

afin que ~するために のあとは接続法が続きます。

接続法が初耳の方はこちらをどうぞ⇒「まいにちフランス語」45:L67 接続法現在 その1

動画に出てくる文

Auparavant, aucun vin ne pouvait être vendu avant le 15 décembre, mais plusieurs syndicats viticoles ont fait pression afin que certains d’entre eux puissent être commercialisés avant cette date.

puissent は pouvoir の接続法現在形です。

☆活用はこんな感じ
que je puisse
que tu puisses
qu’il puisse
que nous puissions
que vous puissiez
qu’ils puissent

ほかの例

Ecrivez-lui afin qu’elle soit au courant.
事情を知らせるために彼女に手紙を書きなさい。

「…するために」という意味を持つ目的節のほかの表現としては、pour que があります。

Nana fait tout ce qu’elle peut pour que tout le monde soit content.
みんなが満足できるように、菜々はできることなら何でもします。

関連動画

こちらは2016年のボジョレ・ヌーボー解禁日の様子です。今年、2017年は11月16日で、日本では今日ですが、日本はフランスより8時間早いので、現地ではまだ浮かれている人はいないでしょう。

euronews 1分18分

こちらはボジョレ・ヌーボーについて英語で説明している動画です。2分50秒。わかりやすくまとまっています。

アメリカでは、11月の第4木曜日は感謝祭で七面鳥の丸焼きやらのごちそうを食べます。ここからホリデーシーズンに突入するわけですが、たしかに12月15日以降に、その年のワインを発売していると、感謝祭には間に合いませんね。

だから、早めに売り出して、世界中に輸出したいと考えたワイン組合の人たちはビジネスがうまかったと言えます。

べつに、今年のワインを飲む必要もないわけですが。

ワインについてはこちらの記事でもわりと詳しく書いています⇒ワインのラベルの読み方~不思議の国のFrance#5(フランスダイレクト)

*****

今回は、ボジョレー・ヌーヴォーを紹介しました。

日本でこのワインがやたらと人気なのは、軽口だから飲みやすいのと、新しもの好きの国民性のせいかもしれません。

本当のところは知りませんが。






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