セルジュ・ゲンスブールの「コーヒー・カラー」をご紹介します。オリジナルタイトルは Couleur café 「コーヒー色」です。
現在NHKのラジオ講座でやっている「百合のFranceウォッチング」のポーズカフェの前に流れる音楽です。
Couleur Café コーヒー・カラー
2分11秒
ダンサーのストラップが落ちるのが気になります。1960年代だから、ストレッチのきく布地がなかったんでしょうね。
それでは訳詞に挑戦!
Couleur Café コーヒー色
僕はきみのコーヒー色が好きだ。
コーヒー色の髪
コーヒー色ののど
君が僕のためにダンスを踊ってくれるときが、特に好き
僕には聞こえる
きみのブレスレットのさらさらとした音が
素敵なブレスレットだ
きみの足首でゆれている
コーヒーの色
僕の好きなきみの
コーヒーの色
全く馬鹿げているよ、その効果
それがかもしだす効果
そんなふうに目や腰を転がしている
君を見ることの
もし君がコーヒーのようにしたら
それは僕の気にさわるだけ
それは僕を興奮させるだけ
今夜は徹夜さ
コーヒーの色
僕の好きなきみの
コーヒーの色
哲学なき愛
それはあっと言う間にさめてしまう
コーヒーのようなもの
でも、君は僕にどうしろっていうの?
もうコーヒーにはうんざりなんだ
そして、それは終わり
ただ忘れるだけ
ふつうに戻るのを待つだけ
コーヒーの色
僕の好きなきみの
コーヒーの色
単語メモ
murmurer つぶやく、ささやく (小川などが)快い音をたてる
se balancer からだを揺する、物が揺れる
hanches 腰
la nuit sera blanche 徹夜する
nuit blanche 徹夜 という表現がやはり、ゲンズブールの作ったフランソワーズ・アルディの「さよならを教えて」に出てきました。
se tasser 平静に戻る、(状況が)安定する
きょうの文法ワンポイント:接続法
Mais que veux-tu que j’y fasse
恋はコーヒーのようにすぐさめるけど、それについて、君は、僕にどうしてほしいわけ?
という箇所です。
vouloir que + 接続法 で
~を望む
Je veux というより、丁寧な表現
fasseは faire(~する)の接続法現在
Que voulez-vous que j’y fasse ?
あなたは私にどうしろと言うのですか?
歌詞では、vousがtuになっています。
ともに決まり文句です。
ほかの例文
Il veut que vous partiez tout de suite.
彼はあなたがすぐ出発することを望んでいる。
すぐに使える口語表現ひとつ
On en a marre de café
私たちはコーヒーにうんざりです。
en avoir marre de qc/qn
~にうんざりする
口語です。
ほかの例
Y en a marre.
もううんざり。
J’en ai marre de ses histoires.
彼の話には飽き飽きした。
On en a marre d’attendre.
待つのはもう飽き飽きだ。
C’est marre.
これで充分だ;これだけだ。
★ラジオ講座が始まるときかかる「プレヴェールに捧ぐ」はこちらで紹介しています。
⇒歌と訳詞:プレヴェールに捧ぐ~セルジュ・ゲンズブール 前編
この曲は1964年の発売の Gainsbourg Percussions(邦題 ゲンズブール・パーカッション)というアルバムに収録されています。
アフリカ音楽に影響を受けた、ゲンズブール流ブラックミュージックを収録。
ブラックというより、やはりコーヒー色でしょうか。本当に彼はうまいこと言いますね。
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