日本でもわりとよく知られているフランス発祥の焼き菓子、フィナンシエ(financiers)を紹介します。小さい焼き菓子なので複数作りますから、financiers と複数になります。
financiers は もともとは、金融資本家、財界人、という意味で、finance(フィナンス)という名詞から派生した言葉です。
なぜこれがお菓子の名前になったのかというと、その形が、金塊に似ているから、という説が有名です。もう1つ、パリ証券取引所周辺の金融街で、このお菓子の人気が出たから、という説もあります。
背広のポケットに入れたままでも形が崩れず、長持ちするからおやつとして人気が出たとか。本当ですかねえ?
マドレーヌとフィナンシエの違い
以前紹介したことがあり、日本でも大人気のマドレーヌとフィナンシェはよく似たお菓子です。
ともに小麦粉、バター、卵、砂糖というシンプルな材料を使って簡単に作れ、見た目も可愛いお菓子です。
しかし、いくつか違いがありますので簡単にまとめておきますね。
形:べつにどんな形で焼いてもいいのですが、マドレーヌは貝の形で焼くことが多いです。フィナンシエの伝統的な形は長方形です。
卵:マドレーヌは全卵を用いますが、フィナンシェは卵白のみを使います。
バター:マドレーヌは溶かしバターを使いますが、フィナンシエは焦がしバターです。
砂糖:フィナンシエはパウダーシュガー(アイシングシュガー)を使うことが多いです。
粉:フィナンシェは通常、アーモンドパウダーをたくさん入れます。
いずれにしろ、簡単で、失敗しにくいお菓子です。
マドレーヌのレシピはこちら⇒コメルシー名物、マドレーヌの作り方:フランスのお菓子(12)
では、きょうはクララさんのレシピからごらんください。材料だけでなく使う道具の説明もあります。
基本のフィナンシエの作り方
最初の24秒はテーマソングなので飛ばしても大丈夫です。
基本的なフィナンシェの材料
150g de Sucre Glace パウダーシュガー
100g d’Amande en poudre アーモンドプードル(アーモンドパウダー、アーモンド粉)
25 g de Farine 小麦粉
100g Blanc d’œufs soit à peu près 3 blancs d’œufs 卵白100グラム、または、およそ卵3個分の白身
1 sachet de Sucre Vanille バニラーシュガー 1パッケージ(7.5グラム)
150g de Beurre Doux 無塩バター
作り方
下準備:オーブンを180度Cに余熱。型にバターなどをぬっておく
1.焦がしバター(beurre noisette)を作る
鍋にバターを入れて中火にかけ、きれいな茶色になるまで待つ。
よい感じに焦げたら、バターを茶こしなどでこして焦げた固まりを取る。そのままさます。
2.ボールに、アーモンド粉、砂糖、小麦粉、バニラ、卵白を入れてかきまぜる。
3.ここにさめたバターを入れ、かきまぜる⇒生地のできあがり。
4.型に生地を入れ、180度のオーブンで20分ほど焼く。(☆20分も焼かなくてもできると思いますが、型によります)。
5.さめたら型から取り出す。
アーモンド粉の多いレシピですね。次は、750gのフィナンシエです。
オレンジの皮を入れたフィナンシエの作り方
financiers aux écorces d’oranges 材料
4 blancs d’œufs 卵白
130g de sucre glace パウダーシュガー
50g de farine 小麦粉
50g de poudre d’amandes アーモンドプードル
70g de beurre バター
150g d’oranges confites オレンジの砂糖漬け
☆écorce は木や果物などの皮。
作り方
1.焦がしバターを作る。
2.ボールに小麦粉、アーモンドプードル、パウダーシュガーを入れてかきまぜ、そこに卵白を入れてさらにかきまぜる。
3.焦がしバターを入れて混ぜる。
4.最低でも1時間、できれば一晩、生地を冷蔵庫で休ませる。こうすると、焦がしバターの風味がしっかり出るそうです。
☆オーブンを180度Cに予熱。必要なら型にバターなどを塗っておく。
5.型に生地を入れる。
6.オレンジの砂糖漬けを小さく切って、生地の上から散らす。
7.8~10分焼く。
クララさんのレシピでは生地を寝かせていませんが、ちゃんと作るときは寝かせたほうがいいかもしれません。
もう1つ、750gのレシピで、上にラズベリーやアーモンドのスライスをトッピングしているレシピを紹介します。
プチなフィナンシェの作り方
シェフダミアンがローランス(Laurence)と作っています。ローランスが登場する回はたぶん彼女のキッチンで撮影しています。いつも簡単なレシピで、きわめてカジュアルに作っていますね。
材料
6 blancs d’œufs 卵白
80g de farine 小麦粉
80g de poudre d’amande アーモンド粉
200g de sucre glace パウダーシュガー
100g Beurre noisette 焦がしバター
1 pincée de sel 塩ひとつまみ
作り方
下準備:オーブンを180度に余熱。くっつく型なら油脂をぬっておく。
1.ボールに卵白を入れてかきまぜ、そこにアーモンド粉を入れ混ぜ、小麦粉と塩ひとつまみ入れてかきまぜる。
2.焦がしバターを作る
3.1の生地にバターを加えかきまぜる⇒生地のできあがり
4.型にスプーンで入れて、表面にラズベリーやアーモンドをトッピングする
5.180度Cで12分焼く
きょうの単語
クララさんの動画から5つ単語を拾ってみました。
beurre noisette 焦がしバター。ノワゼットは「ハシバミの実、ヘーゼルナッツ」という意味です。べつにバターがナッツ風味だからノワゼットになるのではなく、焦がしたバターがはしばみ色になるから、ビュール・ノワゼットなのです。
こんな色です。
moule ケーキの型。型から出す、は démouler
passoire し器 茶こしは passoire à thé
passoire は chinois と呼ぶこともあります、シノワは円錐形の形のこし器のことです。この形が中国帽に似ているからこういう名前になりました。
シノワはもともとはわりと大きいスープ用のこし器ですが、今は、小さいのもあります。
se débarrasser 取り除く、厄介払いする、処分する
remuer かきまぜる;サラダをあえたり、土を耕すときも、remuer を使えます。心をかきまわす、という意味にも使います。日本語にするときは、心を動かす、感動させる、とないます。
秋は焼き菓子がおいしい季節なのでフィナンシェを紹介しました。
金の延べ棒を食べている、と思うと、なんとなくリッチになった気分ですね。
初めまして。いつも、フランスの事を沢山
知りたく、記事を拝見させていただいております(o^^o)。来年、1週間パリに行こうと思ってますが、1人でも気楽に入れるお勧めなレストラン等ありましたら教えていただきたいです☺️
おさださま
こんにちは。penです。
来年1週間、パリに行くのですね。
それはいいですね。
>1人でも気楽に入れるお勧めなレストラン
ああ、こういうのは当ブログではなくて、
こういうサイトを見たほうがいいかと思います。
https://traveloco.jp/paris/recommends/gourmet
お役に立てず申し訳ありません。
よかったらまた遊びに来てください。pen