スイスの冬の名物料理、チーズ・フォンデュは、新型コロナウイルスの感染を広げるのか、そうでないのか?
この問題がスイスで話題になっていると伝える Euronews の1分45秒のニュースクリップを紹介します。
タイトルは、Fondue et Covid-19 sont-ils compatibles ? La question fait rage en Suisse(フォンデュとCOVID-19は、両立するか? スイスではこの問題で大騒ぎになっている)
faire rage は、猛威をふるう、という意味で、伝染病が猛威をふるう、という言葉にかけて使われています。
コロナとチーズ・フォンデュ
1分47秒
トランスクリプション
Vacherin, gruyère, emmental, comté… chaque région suisse a sa fondue. Elle reste le plat suisse par excellence, et souvent le plat incontournable de vos vacances d’hiver… Personne n’y résiste, à moins de détester le fromage.
Mais nombreux sont ceux qui s’interrogent sur la compatibilité de la fondue et du Covid-19.
“La fondue est un plat covido-compatible on va dire, qui se prête très bien à la situation actuelle parce qu’on a grandement besoin de bonne humeur et de convivialité. Voilà, la fondue, c’est le plat par excellence pour traverser cette période”.
Mais peut-on continuer à s’adonner au plaisir de la fondue sans crainte de contamination ? La question fait rage en Suisse, tout le monde y va de son petit conseil sur la manière de la manger. Les experts sont même appelés à la rescousse et leur conclusion reprise en cœur:
“Alors, il y a beaucoup de craintes sur est-ce qu’on peut manger une fondue avec des gens qu’on connait ou qu’on connait pas et la réponse est : il y a aucune crainte à avoir. Le gêne pathogène du Covid est tué à 50 degrés et la fondue est cuite à 80 degrés.
La fondue au gruyère, et cetera. et la fondue au vacherin, c’est une fondue qui se cuit beaucoup moins chaud donc à 50-55 degrés, donc c’est un peu plus risqué. Donc le but est vraiment de manger une fondue gruyère et fromage d’alpage.”
Dans tous les cas, les fromagers suisses peuvent être rassurés, les ventes de mélange à fondue ont augmenté de 10 % depuis le début de l’année.
Preuve que, confinés ou pas, Covid-19 ou pas, les Suisses ne lâcheront pas leur fondue de sitôt.
トランスクリプションの引用元⇒Fondue et Covid-19 sont-ils compatibles ? La question fait rage en Suisse | Euronews
チーズ・フォンデュ:和訳
ヴァシュラン、グリュイエール、エメンタール、コンテ、スイスの各地方にそれぞれのフォンデュがあります。
チーズ・フォンデュはスイスの代表的な料理で、冬のバカンスに欠くことができないものです。
誰も抵抗できません。チーズが嫌いでない限り。
けれども、たくさんの人が、フォンデュとCOVID-19との相性について、いぶかっています。
「フォンデュはCOVIDと相性がいい料理だと思いますよ。この時期、ぴったりです。だって、大いに、皆と一緒にご機嫌になるべきですからね。
だから、フォンデュはこの時期を乗り切るのに最高です」。
ということですが、私たちは、感染を恐れることなく、フォンデュをどっぷり楽しみ続けることができるのでしょうか?
この疑問は、スイスで大変話題になっています。皆、フォンデュの食べ方に関して、ちょっとしたアドバイスを求めています。
専門家たちまで、この問題を解決するのに呼び出され、その結論が皆の胸にとどめられています。
「知っている人、知らない人にかかわらず、ほかの人とフォンデュを食べてもいいのか、不安に思っている人がたくさんいますが、その答えは、こうです。恐れることは何もありません。
COVIDの病原菌は50度で死にますが、フォンデュは80度で調理します。グリュイエールなんかのフォンデュは。
ヴァシュランのフォンデュはずっと低い温度、50度から55度で調理するので、少しリスクがあがりますね。
だから、グリュイエールや山岳地方のチーズフォンデュにするといいですよ」。
いずれにしても、スイスチーズの生産者は安心できます。フォンデュミックスの売上は、今年の始め以来、10パーセント上昇しています。
ということは、外出制限があろうとなかろうと、COVID-19があろうとなかろうと、スイス人が、フォンデュを食べるのをやめることは、すぐにはなさそうです。
それでも、科学者たちは、気をつけるように言っています。2人フォンデュなど、少人数のグループで食べることを推奨しています。
単語メモ
par excellence 典型的な、代表的な
à moin de + inf. ~するのでない限り
s’interroger 自問する、いぶかる
se prêter à ~に適する
grandement 大いに
s’adonner à ~に没頭する、ふける、専心する
craintes (たいてい複数で)心配、不安、危惧 (f)
pathogène 病因となる
alpage 山岳高知(特にアルプス)の夏季牧場 (m)
mélange à fondue フォンデュミックス。フォンデュに何種類かのチーズがミックスされた商品。(m)
ne … pas de sitôt すぐには~しない
inviter qn à qc/inf. ~に~するように勧める、促す
toutefois しかしながら、にもかかわらず
s’en tenir … à ~だけにしておく
関連動画
1分17秒。
RMCはフランスの民法のラジオ局です。
コメント欄で、多くの人が、「ジャーナリストのレベルが低い」と書いています。
こういうふうに大勢で、わいわい楽しそうに報道すると、バラエティ番組っぽくなりますね。
■チーズに関するほかの記事
サヴォア風チーズフォンデュ「虎と小鳥のフランス日記」第122話
フォンデュ・ミックスの売上が伸びているのは、外食をする人が減っているからでしょう。
フォンデュ鍋の中では、コロナウィルスは死ぬでしょうが、鍋以外の場所にいるウイルスに感染しますよね。ワインも一緒に飲んでいますし。
そんなこと、ちょっと考えれば誰だってわかることです。
だけど、チーズフォンデュは、スイスの国民的な郷土料理だから、「これを食べない冬なんてありえない」、という気持ちが、正常な判断をさせないのでしょう。
フォンデュ、おいしいので、その気持ちはわかります。
日本のすき焼き、しゃぶしゃぶ、カニすきなども危ないですね。1人か2人で静かに食べたほうがよさそうです。
Penさん、こんにちは。
食欲をそそるニュース、楽しく見ることができました。
チーズフォンデュを食べても問題ないよと言っている男性は、チーズフォンデュの専門家でしょうか。タトゥーやピアスがいかついですが、Tシャツや帽子のイラストがお茶目(笑)
どんな食事にせよ、今年の冬は少人数で静かに食べなくてはですね。
わたさん、こんにちは。
Euronewsの記事に書いてありますが、この人は
Les Compagnons du Caquelon という、フォンデュをプロモートする団体の
会長さんです。
フォンデュのことには詳しい人ですね。
コメントありがとうございました。