バスク地方の郷土のお菓子、ガトーバスクの(gâteau basque)のレシピを紹介します。ガトーバスクは、「バスクのケーキ」という意味です。
バスク地方ってどこ?
バスク地方はフランスの南西部で、スペインに隣接しています。もっと厳密に言うと、ピレネー山脈の西から、カンタブリカ山脈の東部に及ぶ地方がバスク地方で、スペインとフランスにまたがっています。スペイン語ではバスコ(Vasco)と呼ばれます。
フランスのバスク地方は、北バスク地方と言ったりします。
ビスケー湾に面していて、風光明媚なところです。
バスク地方には独特の言語(バスク語)と文化があります。
こちらはバスク地方の構成を説明している1分半の動画です(英語)
フランスのバスク地方は面積としては小さいですね。同じバスク地方でも、この3つは微妙に文化が違うそうです。
ガトーバスクの作り方
練り込みパイでクリーム(マロンクリームやカスタードクリーム)をはさんだ、素朴なお菓子です。
材料
300g de farine 小麦粉
1 œuf entier 全卵
3 jaunes d’œufs 黄身
200g de beurre バター、室温に戻す
180g de sucre en poudre 砂糖
1 c à c de levure ベーキングパウダー 小さじ1
1 zeste de citron レモンゼスト
Crème pâtissière カスタードクリーム 350グラム
Sel 塩
上に塗る溶き卵
☆カスタードクリームは先に作っておきます。
こちらでカスタードクリームの作り方を書いています⇒サン・トロペ名物、タルト・トロペジエンヌのレシピと作り方
☆適当なところで、オーブンのスイッチを入れ、170度Cに予熱します。
作り方
1.ボールに、小麦粉、砂糖、塩ひとつまみ、ベーキングパウダーを入れ、へらで混ぜる。
2.そこへ全卵、黄身3個を入れ、バターも入れて、へらでざっっくり全体を混ぜてから、指で、生地がまとまるまですり合わせる。
3.生地を2つに分けて、ベーキングペーパーの上にそれぞれをのせ、円盤状に形を整えてから、上にベーキングペーパーをかぶせて、その上から綿棒で6~8ミリの厚さに伸ばす。
4.伸ばした生地を1時間冷蔵庫に入れて冷やす。
5.生地の片方を型に敷き詰める(動画では、耐熱ガラスの型を使っていて、最初にバターを塗ってあります)。
6.その上にカスタードクリームを入れ、平にならし、その上で、レモンの皮を削って散らす。
7.はしっこのはみだしている生地は中に折り曲げ、溶き卵を塗る(のりの役割)。その上から、もう一方の生地をかぶせる。
8.その上に溶き卵をぬる(照りを出すため)。最後にフォークで模様をつける。ナイフで穴を何箇所かあけ、170度Cで45分ほど焼いたらできあがり。
☆郷土のお菓子なので、ラフに作ったほうが雰囲気が出ます。
さくらんぼのガトーバスクの作り方
フィリングにさくらんぼを使ったガトーバスクです。バスク地方は、ブラックチェリーの産地なので、もともとは、さくらんぼのジャムを詰めていたそうです。
材料
300g de farine 小麦粉
1 œuf entier 全卵
3 jaunes d’œufs 黄身
200g de beurre バター
180g de sucre en poudre 砂糖
1 c à c de levure ベーキングパウダー 小さじ1
250g de griottes さくらんぼ(グリオット)
Sel 塩
上に塗る溶き卵
作り方
生地の作り方や焼き時間や温度は最初に紹介したガトーバスクと同じです。
このレシピでは、セルクルを使って生地を敷いています。グリオットは種をとって、そのまま投入しているようです。
自分で作る時は、缶詰や瓶詰めのグリオットを使うとよいでしょう。
こちらは値段も手頃です。といっても600円しますが。
チョコレートや冷蔵庫にあるジャムを使ってもよいです。
伝統的なガトーバスクの作り方
最後に、ガトーバスクが古くから作られていると言われるCambo-Les-Bain(カンボ・レ・バン)という村でパティシエが作っているガトーバスクを紹介します。
5分44秒
新鮮なミルクを使ってカスタードクリームを作っているからきっとおいしいでしょう。
バスク地方や山も海もあるので、豊かな食文化を誇っています。
バスク地方はスペインと陸続きなので、かつては、ここが、スペインから入ってきたチョコレートの玄関口でした。
特にバイヨンヌという街は、古くからチョコレート産業がさかんです。
昔、バイヨンヌのチョコレートについて記事に書いたことがあります⇒第33話 夕方のモントルグイユ通り「虎と小鳥のフランス日記」
また、作曲家のラベルはバスク地方出身です⇒モーリス・ラヴェルの生涯
景色がよく、海の幸も山の幸もあり、チョコレートやお菓子もおいしいのがバスク地方と言えましょう。
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