慣れないと難しいフランス語の数字を少しずつ学習しています。第48回は概数です。
概数とは、読んで字のごとく「およそ〇〇」というようにだいたいの数を表す名詞ですたとえば、dizaine = 約10 といった単語です。
概数の形
基数 + aine(aine の前の字はt か z)
名詞なので、その前に冠詞などの限定詞がつき、後ろに名詞が続く場合は de でつなぎます。
millier をのぞいてすべて女性名詞です。
6 demi-douzaine 約6
8 huitaine 約8; 1週間
10 dizaine 約10:(同種のものをひとまとめにして)10、10個 ;10の位、10の倍数
12 douzaine 約12; 1ダース(12個)の意味もある。
treize à la douzaine 1ダースの値段で13個。1個おまけつきの;(話)好きなだけ、たくさん
15 quinzaine 約15; 2週間;2週間分の給料
20 vingtaine 約20
30 trentaine 約30、30 ;約30歳、30代
40 quarantaine 約40、40 ;(la~で)約40歳、40代
60 soixantaine 約60、60 ;(la~で)約60歳、60代
100 centaine 約100 ;100倍 ;100の位
1000 millier 約1000 :(複数形で)多数、無数
きのうご紹介した、韓国のMERSのニュースでも、dizain de jours (およそ10日)という表現が出てきました。
こちら⇒韓国でMERS(マーズ:中東呼吸器症候群)の感染が拡大 | フランス語
概数の使用例
une huitaine de tableaux 8枚ばかりの絵
une huitaine de jours ほぼ1週間
*huitaine は1週間という意味もあるので、
dans une huitaine → 1週間後に
une dizaine d’années 約10年、約10歳
Nous étions une bonne dizaine. 我々はゆうに10人はいた。
*dizaine のプチ・ロワイヤル仏和辞書の定義の1番は「同種のものをひとまとめにして)10、10個」です。たとえば、 Vendre les crayons par dizaine.→ 鉛筆を10本ずつ売る。また、10の倍数(10,20,30・・・)もdizaineと呼びます。
une quinzaine d’étudiants 約15人の学生
Il y a une vingtaine de maisons. 20件ほどの家がある。
une trentaine de personnes 30人ほどの人
une quarantaine de chevaux およそ40頭の馬
*quarantaine は「検疫期間、隔離」という意味もあります。14世紀にイタリアでペストの患者のいる船を40日間、隔離したから派生した意味です。
関連⇒フランス語の数字【第25回】31 – 40 | フランス語
mettre qn/qc en quarantaine ~を隔離する・仲間はずれにする
une soixantaine de jours 約60日
une + 概数の単語 + de + 物(日、年、その他)という形が多いです。
映画 12人のパパ
タイトルに概数のはいっている映画をご紹介します。
Treize à la douzaine 2003
邦題:12人のパパ
スティーブ・マーティン主演のアメリカ映画、Cheaper by the dozen のフランス語吹き替え版。
日本では未公開で、後にビデオで発売されました。
douzaine は ここでは1ダースという意味です。
treize à la douzaine は上にも書きましたがお店で1ダース買ったら1つおまけにもらえること。
英語のcheaper by the dozen は、12個まとめて買うと、値引きになる、ということ。
1950年の映画、「一ダースなら安くなる」のリメイクです。この話は子沢山だったギルブレス一家の実話に基づいています。
子どもが12人いる一家のドタバタを描くコメディです。
フランス語版の予告編では冒頭、子どもをカウントダウンしています。
オリジナルの英語版
この続きはこちら⇒小数の言い方~フランス語の数字【第49回】
☆数字の記事のまとめはこちら☆
数字の記事のまとめ その1 0から18まで
Cheaper by the dozen の原作はFrank B. Gilbreth と妹のErnestine Gilbrethが自分たちの子ども時代のことを書いた自伝的小説。
1948年に出版されてベストセラーになりました。古い本ですが、今でも読み継がれています。この家のお父さんが、motion study という、産業の効率化、作業をいかに早くやるか、といったことを研究する専門家なので、よく子どもたちを使って能率化の実験をしていました。
効率のいい入浴の仕方、とか。それがけっこう笑えます。といっても、皆、仲がよくて古き好きアメリカの温かい家族にふれることができます。
スティーブ・マーティンの映画は子どもが12人という設定だけ同じで中身は全然違います。
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