フランスで人気の市販のお菓子、プチ・ブール(Petit Beurre)をご存知でしょうか?
プチ・ブールはフランスのお菓子のブランド、LU(リュ)という会社を代表するビスケット。
この記事ではプチ・ブールの歴史、そして家庭で作るプチ・ブールのレシピを紹介しますね。
プチ・ブールとは?
Petit Beurre プチ・ブール 「バターを使った長方形のビスケット」・・・とプチ・ロワイヤル仏和辞典にのっているぐらい、フランスでは一般的なお菓子です。
PETIT BEURRE は直訳すると「小さいバター」です。バターがたっぷりはいっているビスケット、というわけですね。
知らない方のためにCMを紹介します。
最後に出てくるビスケットの画像からわかるように、表面にLU/ PETIT BEURRE /NANTES と刻印されています。
LU はこのビスケットを19世紀の終わりに開発した Louis Lefèvre-Utile というパティシエの苗字のイニシャルです。イニシャルがそのままこのビスケットを作る工場の名前になり、のちにブランド名になりました。
そのため、プチ・ブールはPetit LU(プチ・リュ)とも呼ばれます。
Nantesとあるように、このお菓子はナントの工場で作っています。
ナントは、フランス西部、ロアール川下流にある河港(かこう)都市です。
ジャック・ドゥミ監督の生まれ故郷でもあります⇒ジャック・ドゥミ監督の回顧展@パリ
プチ・ブールの歴史
1846年、Jean-Romain Lefèvre(ジャン=ロマン ルフェーブル)という人が、故郷のムーズ県(Meuse)を出て、ナントに住み着きました。
ルフェーブルさんは、Pauline-Isabelle Utile(ポリーヌ=イザベル ユティル)という名前の奥さんとパティスリー(お菓子屋さん)を作ります。
1886年、Louis Lefèvre-Utile(ルイ・リュフェーブル・ユティル)が、プチ・ブールを作ります。ルイさんは、ジャン=ロマンとポリーヌ・イザベルの息子です。
LUは、両親の名字のイニシャルです。
プチ・ブールは当時流行っていた、イギリス産のビスケットからインスピレーションを得たお菓子。
周囲のなみなみのデザインは、ルイさんのお祖母さんが持っていたドイリーからヒントを得た、という言い伝えがあります。
これはプチ・ブールの古いラジオのCMです。
LUと書いてあるカゴを持っている少年は、古くからあるプチ・ブールのキャラクターです。
プチ・ブールは大人気で、LUは今やとても大きなブランド(une grande marque française)になりました。ナントを代表するメーカーでもあります。
フランスのスーパーの食料品の棚ではLUというマークが目立っています。
日本のアマゾンでも売っています。
LUの歴史は、ホームページを参考にしました⇒LU Créateur de biscuits depuis 1846 : biscuits LU
シンプルだけどおいしいプチ・ブール
プチ・ブールの材料はとてもシンプルです。
ようするにほとんど小麦粉とバターです。
ちょっと固めのビスケットなので、紅茶にひたしたり、くだいてヨーグルトに入れて食べたりもします。手作りお菓子の材料にも使われます。
LU社は、プロモーションのためにいろいろなグッズを作っています。プチ・ブールは完成されたデザインなので、ビスケットを入れる缶やビスケットを入れる容器、コースター、ポスター、絵はがきなど色々な雑貨が出ています。
プチ・ブールやLUのグッズをコレクションしている人もたくさんいるそうです。
家庭で作るプチ・ブール
では、家で作るプチ・ブールのレシピを750gに教えてもらいましょう。
バタークッキーを作ってプチブール風の形にして焼きます。
プチ・ブールの材料
※ 1センチリットルは100分の1リットルです。
作り方
- オーブンを180度に予熱
- バターをボールに入れ、ポマード状にのばし、砂糖を入れかき混ぜる
- 小麦粉を半分ぐらい入れてかきまぜる
- ベーキングパウダーと塩を入れる。水も少し入れてかき混ぜる
- 残りの半分の小麦粉を入れ、水を少しいれてかき混ぜる
- 水の残りを少しずつ入れながらかき混ぜる⇒生地のできあがり
- 生地の上にベーキングシートをのせて、綿棒で伸ばし、ナイフで四角く切り、周囲になみなみ模様(レース模様)をつける
- 180度で12分ほど焼く
プチ・ブール風のクッキー型があれば、それで抜いてもいいです。
生地はくっつくので、動画のようにクッキングシートの上で延ばすと扱いやすいでしょう。
プチ・ブールで作るチョコレートケーキ
プチ・ブールとチョコレートを重ねて作るチョコレートケーキも人気があります。ノンベイク(焼かない)お菓子なので簡単です。
材料
作り方
- 四角い型全体にラップを敷く(動画参照)
- チョコレートとバターをあわせて、電子レンジで溶かして、かき混ぜてなめらかにする
- ラップを敷いた型にプチ・ブールを並べる
- 並べたプチ・ブールの上にコーヒーかココアをぬる
- その上にチョコレートを流す
- その上にプチ・ブールを並べ、同じように層を作っていき、最後はチョコレートで終わる
- 冷蔵庫で3時間ぐらい冷やし、チョコレートを固める
- お皿に開けて、表面にアイシングシュガーをふりかけて、四角く切ってできあがり
最初にシェフ・ダミアンが Le gâgeau mercredi (水曜日のケーキ)と言っています。水曜日に子供のおやつに作るのに最適なケーキ、という意味です。数年前まで、フランスでは水曜日、全国的に小学校がお休みでした。
☆きょうのフランス語:faire des petits dentelles 小さなレース状の模様(なみなみ模様)をつける
dentelle ドンテル(ダンテル)はレース、レース状のもの、という意味です。
こちらはプチ・ブールを使ったレシピ集です。
日本語のビスケット/クッキーはフランス語では、biscuit ビスキュイと呼ばれます。自家製クッキーは biscuit maison ビスキュイ・メゾンです。
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