「虎と小鳥のフランス日記」のバック・ナンバー、今週は第49話を勉強しました。
去年の4月22日に行われた、大統領選挙の第1回投票の話題です。あれから1年以上たっています。時がたつのは本当に早いですね。
2012年・フランス大統領選挙
この回は、アントワーヌのナレーションで進められています。
サンプルビデオがありますのでごらんください。
最後に1行分だけ、声が聞けますが、これが今回の1つ目のキーフレーズです。
1分8秒
★2015/01/24追記
「虎と小鳥のフランス日記」の配信が終了したため、サンプル動画も削除されました。あしからずご了承ください。
フランスの大統領選挙は5年に一度です。まず複数の候補者から2人選び、後日、その2人から1人を選びます。
選挙の仕組みなどについては、以前子ども新聞の記事を訳していますので、参考にしてください。こちら⇒フランスの大統領選挙の投票のしかた
またこの記事の下にある「関連記事」にも、選挙に関する記事を並べています。
思えばこのころ子ども新聞では、毎日、大統領選挙のことばかりでした。「こうやって政治の話が好きなフランス国民が生まれるのだな」、と思ったものです。
では、この回の重要表現ををご紹介しますね。
3つのキーフレーズ
その1 選挙の時期がやってきた
フランス人がフランス共和国の大統領を選ぶ直接普通選挙の時期がやってきました。
Voici venu le temps pour les Français d’élire au suffrage universel direct leur Président de la Républic.
その2 誰がその責任をとろうとも
誰がその責任をとろうとも、屈するか抵抗するか以外の選択肢はないでしょう。
Et alors, quel que soit le responsable, il n’aura d’autre chois que de se soumettre ou de résister.
これは、選挙結果の出たあとのメランションの演説です。
メランションは左翼戦線(Front de gauche)の党首です。le responsableは「責任をとる人」、つまり大統領。
誰が、大統領に選ばれようとも、自分たちは最後まで体制に抵抗するぞ、と檄(ゲキ)を飛ばしています。
その3 首位に立ったのは
少数派の候補者のダイナミックさと努力にもかかわらず、首位に立ったのは本命の2人でした。
Malgré le dynamisme et l’effort des petits candidats, ce sont les deux favoris qui sont arrivés en tête.
この回はトピックが選挙であり、またナレーションの回だったので、いつもより語彙や構文が難しいです。
3つの表現の解説
Voici venu le temps de+動詞の不定法
いよいよ~の時がやってきました。
Voici venu le temps de passer à l’action.
行動する時がやって来た⇒今こそ行動すべき時だ。
veneはvenirの過去分詞です。
quel que + êtreの接続法 ・・・がどんなものであろうとも
J’achète cette maison quel qu’en soit le prix.
この家の値段がいくらであるとも、私は買います。
Quelle que soit votre décision, écrivez-nous.
結論がなんであれ、手紙をください。
quelは、〇〇がなんであろうとも、の〇〇に性別をあわせます。
prix 値段 男性名詞⇒quel
décision 決定 女性名詞⇒quelle
強調構文
ce sont les deux favoris qui sont arrivés en tête.
強調構文のc’est … quiという形の複数形です。
第1回投票で、首位についた候補者は、本命の2人だった。
強調構文についてはこちらを⇒「まいにちフランス語」41:L63 強調構文
本命の2人とは、このとき現職の大統領だったサルコジ氏(国民運動連合)とこの選挙で勝って、今大統領をやっているオランド氏(社会党)のことです。
ポスターの画像なので汚いです。破られてないだけましかもしれません。
国民運動連合(UMP;Union pour un Mouvement Populaire)は右派、社会党(PS; Parti Socialiste)左派の、それぞれ一番大きな政党で、フランスの二大政党となっています。
現在は社会党の政権ということですね。
フランス人と政治
フランス人は政治の話をするのが大好きです。そのわりに、日本ではあまりフランスの政治は話題になりません。
もちろん、ニュースなどでは報道があります。でもフランスやパリというとファッション、芸術、料理といった話題が先行しがちですよね。
そもそも日本人はあまり政治の話をしないです。選挙のときですら。「宣伝カーがうるさいですね」とかそのぐらいじゃないですか?
「虎と小鳥のフランス日記」でも、受講生の意向を反映しているためか、あまり政治の話は出てきません。
この49回と50回(第2回投票)と、同性結婚の賛成と反対のデモの回ぐらいでしょうか。もう少しあってもいいかな、という気もします。
もちろん、インターネットでフランスのニュースを見ればいいのですが。
「これからフランスへ行く」、とか「フランス人とばりばりお話したい」、という人は、自分の専門分野の話題に加えて、政治(特に日本の政治)と、サッカーのネタは仕入れていったほうがいいように思います。
よく書いていますが、1jour1actu という子ども新聞の毎日のニュースをチェックしていると、自ずとその手の話題に詳しくなっていきます。
フランス語が難しかったら、まず日本語の新聞でフランスのニュースを読んで背景知識を得ておくのもいいですね。
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