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砂糖は“甘いもの”だけじゃない:隠れ砂糖と依存(動画で学ぶフランス語)

フランスのニュース番組から、砂糖の過剰摂取をテーマにした動画を紹介します。

タイトルは、Malbouffe: Tous accros(不健康な食事:みんな依存症)

「あなたは砂糖を摂りすぎていませんか?」という問いから始まるこの動画では、私たちが気づかないうちに大量の砂糖を摂ってしまっている現実と、その健康リスクをわかりやすく見せています。

砂糖への依存

3分34秒。

動画の内容:依存が加速する背景

動画に登場するジャン=マックスさんは、朝食後でもすぐにケーキを食べ、マドレーヌやキャランバーなどの甘いお菓子を一日中つまんでいます。

自分専用のストックまで用意し、「切らさないように毎日補充している」というほど。砂糖のない毎日は考えられない、という人の典型的な姿が紹介されています。

■加工食品にひそむ「隠れ砂糖」

甘いお菓子だけが問題ではありません。たとえば、チョコ入りシリアルには角砂糖約18個分、飲むヨーグルトには約3個分、そしてケチャップには約9.5個分の砂糖が含まれているそうです。

甘くないと思っている食品にも、思いのほか砂糖が入っています。

■食品業界が砂糖を多用する理由

食品業界で25年間働いた技術者によると、砂糖は安価な原材料なので、コストの高い他の材料の代わりとして重宝されています。

さらに、砂糖を加えることで味が心地よいものとなり、消費者の購買意欲が高まるため、業界にとっては戦略的なツールでもあります。

実際に、同じ商品でも過去10年で砂糖の含有量が増えているケースがあると番組は指摘しています。

■消費者にわかりにくい表示

食品のラベルでは、砂糖は「スクロース」「デキストロース」「デキストリン」など、さまざまな専門的な名称で記載されているため、消費者が含有量を正確に把握するのが難しくなっています。

■砂糖の依存と健康リスク

栄養士によると、砂糖を摂ると脳内で快楽ホルモンのドーパミンが放出され、さらに多くの砂糖を求める悪循環に陥りやすくなります。

砂糖の過剰摂取は、肥満や糖尿病、心血管疾患といった深刻な病気の原因になると警告しています。

重要フレーズ5選

動画の中から、フランス語学習に役立つフレーズを5つ紹介します。

1. 砂糖のない一日は味気ない(0:01〜)

Jean-Max Séry fait partie de ces personnes pour lesquelles une journée sans sucre est une journée sans saveur.

ジャン=マックス・セリは、砂糖のない一日は味気ない一日だと考える人々の一人です。

fait partie de…: ~の一部である、~の一人である

pour lesquelles: 関係代名詞 lesquelles(ここでは ces personnes を指す)に前置詞 pour がついた形で、その人々にとっては、という意味。この「前置詞+関係代名詞」の形は、下のプチ文法で詳しく説明します。

sans saveur: saveur は風味、味わい。sans saveur で味気ない、味のない。

2. 彼専用のストック(0:47〜)

Un stock de réserve rien qu’à lui.

彼専用の備蓄ストックです。

rien qu’à lui: rien que は ~だけ、à lui は 彼のもの。合わせて、彼のためだけの、彼専用の、という意味になります。

他の誰のものでもなく彼だけのもの、という強調しています。

3. ストックは切らさない(0:50〜)

On est bien servi et on fait attention que le stock se reconditionne de jour en jour et qu’il n’y a pas de creux, qu’il n’y a pas d’insuffisance.

十分な量があり、毎日ストックが補充され、品切れや不足が出ないように気をつけています。

On est bien servi: 直訳すると よく仕えられている ですが、ここでは 物が十分にある、恵まれている という意味です。

se reconditionne: 在庫が補充される、再び整えられる

※動画は話し言葉なので、faire attention à の 《à》が抜けているのだと思います。

creux: もともと 穴、くぼみ という意味ですが、ここでは 欠品、在庫の空白 というニュアンスです。

4. 市場の現実(1:43〜)

Par contre, il y a des réalités de marché qui font qu’on doit produire pas cher et on doit proposer un produit qui, in fine, sera acheté par le consommateur.

その一方で、安く生産し、最終的に消費者に買ってもらえる製品を提案しなければならないという市場の現実があります。

qui font que…: faire que… で ~という事態を引き起こす、~ということになる という因果関係を表します。ここでは「市場の現実のせいで~せざるを得ない」という流れです。

in fine: ラテン語由来の表現で、最終的に、結局は という意味。フランス語の書き言葉や少し硬い表現で使われます。

5. 顧客の砂糖依存を目の当たりに(2:02〜)

Ce qui était effectivement alarmant, c’était de voir que nos clients s’habituaient de plus en plus à consommer du sucre et de plus en plus.

本当に心配だったのは、顧客がますます砂糖を多く消費することに慣れていくのを目の当たりにすることでした。

Ce qui… c’était de…: ~だったのは…ということだ、という強調構文です。

de plus en plus: ますます、どんどん。2回繰り返されているのがポイントで、砂糖の量も頻度もどんどん増えていく、という意味合いが強まっています。

s’habituer à…: ~に慣れる

単語メモ

se priver de ~を自分に禁じる、断つ

procurer ~を得させる、もたらす

vis-à-vis de… ~に対して、~に関して

côtoyer ~と日常的に接する、付き合う

roulés au chocolat チョコのロールパン(菓子パン)

piocher つまみ食いする。元は つるはしで掘る という意味で、ここでは お菓子の山に手を入れて取る ニュアンス

fourré à… 中に~が詰まった。fourrer(詰め込む)の過去分詞形

agroalimentaire 農産物加工の、食品産業の

matière première 原材料、素材

nocif / nocive 有害な

à force de (+ 不定詞) ~しすぎた結果、~し続けて

avoisiner ~に近い、~前後である

libérer 放出する、解放する

プチ文法:前置詞+関係代名詞(pour lesquelles など)

今回のフレーズに出てきた pour lesquelles は、前置詞と関係代名詞を組み合わせた形です。

フランス語の関係代名詞では、qui や que をよく使いますが、前置詞が必要な場合は lequel / laquelle / lesquels / lesquelles を使います。

■基本の形

前置詞 + lequel(男性単数)/ laquelle(女性単数)/ lesquels(男性複数)/ lesquelles(女性複数)

先行詞(前に出てきた名詞)の性・数に合わせて形が変わります。

■動画のフレーズで確認

Jean-Max Séry fait partie de ces personnes pour lesquelles une journée sans sucre est une journée sans saveur.

先行詞は ces personnes(女性・複数)なので、lesquelles が使われています。pour は ~にとって という意味で、全体で その人々にとっては という訳になります。

■ほかの例

La maison dans laquelle j’habite est ancienne.
私が住んでいる家は古い。(先行詞 la maison は女性単数 → laquelle)

L’outil avec lequel il travaille est très moderne.
彼が使っている道具はとても現代的だ。(先行詞 l’outil は男性単数 → lequel)

Les raisons pour lesquelles il a refusé sont inconnues.
彼が断った理由はわからない。(先行詞 les raisons は女性複数 → lesquelles)

■注意点

前置詞が àde の場合、lequel と縮約が起こります。

à + lequel → auquel、à + lesquels → auxquels、à + lesquelles → auxquelles
(laquelle は縮約しません:à laquelle)

de + lequel → duquel、de + lesquels → desquels、de + lesquelles → desquelles
(laquelle は縮約しません:de laquelle)

Le projet auquel je participe est passionnant.
私が参加しているプロジェクトはわくわくする。

なお、先行詞が人の場合は、前置詞 + qui でも表現できます。

La personne pour qui j’ai acheté ce cadeau…
La personne pour laquelle j’ai acheté ce cadeau…
(どちらも「私がこのプレゼントを買った相手」)

日常会話では pour qui のほうがよく聞きますが、書き言葉やフォーマルな場面では pour laquelle を使うことが多いです。

※関係代名詞という言葉がはじめての人は以下の記事を読んでみてください。

「まいにちフランス語」39:L61 関係代名詞 qui と que

「まいにちフランス語」40:L62関係代名詞 前置詞+qui, où

砂糖の摂りすぎ・関連動画

砂糖への依存から抜け出す方法を紹介した動画もあわせて紹介します。

タイトルは、Je suis accro au sucre : Comment décrocher?(私は砂糖中毒:どうやって依存から抜け出す?)

3分24秒。

この動画では、砂糖がやめられないナディンさんが管理栄養士のアドバイスを受けて、依存から脱却するまでの流れを追っています。

■ナディンさんの場合

朝のコーヒーから午後のお茶まで、砂糖が一日中手放せないナディンさん。

自分で我慢しようとしても、夕方に反動で倍の量を食べてしまうという悪循環に陥っていました。

管理栄養士の診断では、一日の摂取量は角砂糖20個分(100グラム)で、WHOの推奨量の4倍にあたります。

■依存の仕組み

砂糖を摂ると血糖値が急上昇し、それを下げるためにインスリンが出ます。ところが、摂りすぎると血糖値が下がりすぎてしまい(反応性低血糖)、脳がまた砂糖を欲しがるという依存のループができてしまいます。

■脱却のための3つのポイント

動画では、3つの対策を紹介しています。

1つ目は、3週間の味覚リセット。味覚が甘さに慣れてしまっているので、約3週間かけて甘い味から距離を置きます。

2つ目は、低GI食品への置き換え。普通の砂糖の代わりに、アガベシロップやアカシアのハチミツなど、血糖値が上がりにくい甘味料を使います。

3つ目は、ラベルの「隠れ砂糖」チェック。味付き鶏肉のような、一見甘くない食品にもブドウ糖液糖などの形で砂糖が入っているので、成分表示を確認する習慣をつけます。

無理な我慢は続かないので、低GIの材料を使って自分で手作りすることが勧められています。動画では、アガベシロップとブルーベリーで簡単な自家製ジャムを作る様子も紹介されていました。

■関連記事もどうぞ

フランスのおやつ事情

ベーキング・お菓子作りに関係のある言葉:かわいいフランス語教えます(138)

1月はお酒を飲まないチャレンジをする月~ドライ・ジャニュアリー

*****

砂糖の摂りすぎに関する動画を2本紹介しました。

1本目の動画に出てきたジャン=マックスさんも、2本目のナディンさんも、砂糖をかなり摂っているのに、映像を見る限りどちらもそれほど太っていません。

これがアメリカのニュースだったら、もっと肥満体の人が登場しそうですよね。

この違いは何かなと考えてみると、やはりポーション(一人前の量)の違いが大きいのではないでしょうか。

フランスのジャン=マックスさんは「2切れ食べる」と言っていましたが、一つ一つのサイズがきっと小さくて、素材の味を楽しむ量だと思います。

一方、北米では1人前のサイズがフランスの2〜3倍あることも珍しくありません。

ナディンさんの摂取量は一日あたり角砂糖20個分(100グラム)でしたが、北米で1リットルサイズの炭酸飲料を飲む人なら、それだけで100グラムを超えてしまいます。

1リットルサイズのペットボトルを持ち歩いている学生は、私がカナダで短大に通っていた頃からよく見かけました。もう30年くらい前の話ですが、デスクにどんと置いていた光景は今でも覚えています。

砂糖は純粋に甘いものだけでなく、身近な加工食品にもたくさん隠れています。動画を見ながら、ご自身の食生活もふり返ってみてください。






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