翻訳者養成プロジェクトの第3回の授業を聞きました。
今回私が学んだのは、翻訳をするときは、訳すところばかりを見ず、鳥の目になって全体を俯瞰(ふかん)することが大事だということです。
全体を俯瞰する
今回クレイの使い方の本の一部を訳しました。
本はこちらで紹介しています⇒翻訳講座:クレイセラピーについて教えてクレイ
L’agile, mode d’emploi malin クレイのかしこい使用法
として、まずクレイを使うことを決めても、どんな使用法をするのか考えなければならない。何から始めるかはクレイに興味を持ったその理由による、といったことが書いてあります。
そのあと、カプセルと錠剤について説明がありました。
このとき、この2つを対比させて書いている箇所があったのですね。
具体的に日本語で書きますと
ゼラチンカプセル:カプセルは飲み込みやすく、保存が簡単で・・・・。
錠剤:錠剤は飲み込むと口蓋に少しくっつき、またこすれるとくずれやすいので保存もあまりききません。
というのが正しい解釈。
2つとも飲み込みやすさと保存のしやすさの観点から書かれています。
私はこの対比に気づかなかったので、錠剤のほうで、口にくっついて飲み込みにくいのに、さわるとほろほろくずれる(口の中でくずれると思った)ってどういうことよ?
と悩み、結局、最初は飲み込みにくいけど、そのうち口の中でとけていく、というような創作をしました。
同じ段落の中で、カプセルはこう、それに対して錠剤はこう、と書いてあれば、さすがの私も気づいたでしょうが、べつべつの段落に書いてあったのです。
日本語なら気づいたと思いますが。
行き詰まったら、そこばっかり見てないで、ちょっと周囲を見ることが大事だと学びました。
副詞の訳し方
今回も翻訳技術をいくつか教わりましたが、ひとつだけ書きますね。副詞の訳し方のコツです。
副詞は名詞以外のすべての品詞(前置詞などの機能語は除く)を修飾できます。
ちなみに、名詞を修飾するのは形容詞です。
1.動詞を修飾 marcher rapidement 速く歩く
2.形容詞を修飾 famile extrêmement riche とても裕福な家庭
3.副詞を修飾 Il dort bien paisiblement. 実に安らかに眠っている。
4.文全体を修飾 Il est probablement célibataire. 彼はおそらく独身だ。
このうち4の文を修飾する副詞は、話し手の主観が入っています。まあ、ほかの場合もそうですけど、特に話し手の判断が入っています。
そういう場合は和訳するとき、この副詞が意味することを文の述語に移してみるとうまくいく場合が多いそうです。
たとえば4の文ですと、
「彼は独身かもしれない」とするわけです。
他の例:
Il réussira certainement.
直訳)彼はきっと成功するでしょう。
述部に移動)彼が成功するのは確実でしょう。
例文はシンプルな文なので、あまり劇的な違いが見られませんが、翻訳をしていて、どうにも翻訳文くさくて、日本語として変だ、と思った時、このように述部に副詞の意味を移してみると、こなれた訳になることが多々あるそうです。
3回目の授業も濃かった
3回目の授業も1時間25分と長く、中身もみっちりと濃かったです。
今回はパワーポイントの書くパネルのpdfが42ページありましたので、前回同様、4枚を1つにして11ページに印刷。
それから先生の翻訳例と、補助プリントを印刷して授業にのぞみました。
第3回では文法項目の説明として関係代名詞が大きくとりあげられていました。
関係代名詞といえば、que,quiはもう迷わない!フランス語の関係代名詞 quiとqueの違いで記事にしたのですが、先生はque,quiは大丈夫だからとこの二つはスルー。
次の段階(?)の関係代名詞である <前置詞+lequel,lqauelle,lesquels,lesquelles>,quoi,dont,複合前置詞(au bout duquelみたいなやつ)の説明がありました。
過去の2回の講義メモはこちらです。
1回目は翻訳に必要な四つの力、2回目は翻訳力をつけるためのオススメの勉強法を学びました。
これまで3回課題を出しましたが、誤訳をしなかった回はありませんでした。
フランス語力不足もさることながら、いつも課題提出期限のぎりぎりに大急ぎで、辞書もろくにひかず、しっかり訳も検討しないで出してしまっているのも誤訳の原因の1つでしょう。
次回はもう少し早めに課題にとりかかり、丁寧にやるようにしなければと反省しています。
この記事へのコメントはありません。