今週の「虎と小鳥」のテーマはタンゴです。
アルゼンチン生まれのヴィクトリアという女性がシャレ・デュ・ラック(Chalet du lac)で行っていたタンゴのレッスンと、彼女へのインタビューという構成。
ヴィクトリアさんは、10年ほど前に渡仏。レッスンだけでなく、さまざまなプロジェクトを展開しています。まさにタイトルどおり、「情熱的な人生 une vie passionnée」を送っているというわけ。
サンプルビデオでレッスンの様子をごらんくださいね
★2015/01/24追記
「虎と小鳥のフランス日記」の配信が終了したため、サンプル動画も削除されました。あしからずご了承ください。
きょうのメニュー
それでは、復習、行ってみよう!
サンプルビデオのスクリプトと和訳
1分すぎあたりで出てきます。
Donc on va faire le dernier tango ensemble, s’il vous plaît.
さあ、最後に、一緒に踊りましょう。(←最後のタンゴを一緒にしましょう)。
今週の表現3つ
~もまた~ない
ヴィクトリアはゴタン・プロジェクトという音楽グループのダンサーだったそうです。「その活動をどのぐらいやっていたのか」、カミーユが質問しました。
彼女は「付や数字が苦手で正確には思い出せない」、と言います、そこでカミーユが
私も数字は苦手です。
J’aime pas les chiffres, non plus, j’aime pas.
~の一部をなす
ヴィクトリアがタンゴの魅力を語ります。
タンゴは決め事ではなく、日常生活の一部なんです。
Ce n’est pas une discipline, ça fait partie de la vie de tous les jours.
何ですか?
カミーユの質問が聞き取れなかったので、聞き返しています。
何ですか?
Comment ?
今週の表現の解説
non plus
~もまたない
否定文と一緒に使います。
Je n’ai pas encore faim. – Moi, non plus.
まだおなかすいてない。- 私も(すいてない)。
Je ne fume pas. – Moi, non plus.
私は喫煙しません。- 私もです。
Pen non plus n’y a rien compris.
penもまた、全然わからなかった。
肯定文(否定じゃない文)のときは、aussi を使います。
J’aime faim – Moi aussi.
おなかすいた。- 私も。
Dormez bien. – Vous aussi.
ゆっくり休んでください。- あなたもね。
セルジュ・ゲンスブールとジェーン・バーキンの歌に Je T’aime,…moi non plus という歌がありますね。これは肯定文(Je T’aime)に対して、non plusを使っています。ゲンズブールらしいですね。
faire partie de
~の(不可欠な)一部をなす;に所属する
Le Japon fait partie de l’Asie.
日本はアジアの一部です。
Les ordinateurs font partie de notre vie quotidienne.
コンピュータは我々の日常生活の一部だ。
Ce n’est pas une discipline, ça fait partie de la vie de tous les jours.
ceはタンゴをさしています。
このdisciplineを「決めごと」としたのは、disciplineに規律という意味があるからですが、「学科、科目;専門分野;スポーツの種目」といった意味もあるので、「ひとつの踊りの種類」かもしれません。
Comment ?
相手の言葉を聞き返すときの決まり文句。
Comment ? Qu’est-ce que tu as dit ?
え、なんて言ったの?
聞き返す言い方はほかに
Quoi ? カジュアル。かなりくだけてます。
Pardon ? Comment ? よりさらに丁寧。
きょうの豆知識~タンゴ
タンゴという踊りは皆さん、ご存知だと思います。タンゴはアルゼンチン生まれの4分の2拍子のダンス音楽であり、これにあわせて踊るもの。
1880年ごろ、ブエノスアイレスのそばのポカという場所の歓楽街で人気だったミロンガという舞曲から生まれたそうです。キューバのハバネラなど、ほかの音楽がこれに融合してできたと言われています。
現在のアルゼンチン・タンゴは20世紀になって確立しました。1910年代にヨーロッパでタンゴが大人気でした。
ヴィクトリアさんが参加していたというゴタン・プロジェクトはタンゴとエレクトロミュージックをあわせた音楽を作っています。
こんな感じです。
かっこいいですね。
ヴィクトリアさんが、タンゴが日常生活の一部と言うわけは、年齢を重ねるにつれて、踊りが変わっていくからとのこと。20歳のときの踊り、30歳、40歳、70歳の踊りと進化(évolution)するそうです。
そうなんですかね?
けっこう激しい踊りに見えますけど、ゆるやかに踊ることもできるのでしょう。
タンゴは映画にもよく出てきます。
タンゴシーンの入っている映画、たくさんありますけど、一つだけご紹介します。
『ラスト・タンゴ・イン・パリ』(1972年 ベルナルド・ベルトルッチ監督)
タイトルにタンゴが入ってるぐらいなので、踊りのシーンは重要です。
が、ここだけ見てもピンと来ないでしょうね。
酔っ払っていますし。
原題はイタリア語で Ultimo tango a Parigi
英語は Last Tango in Paris
ラスト・タンゴ・イン・パリのゆるい踊りシーン。
★ダンス好きなあなたはこちらもどうぞ
⇒第113話 セーヌ川沿いのダンス
⇒歌と訳詞:『水夫、友だち、恋人、または夫』 Marins, Amis, Amants Ou Maris
私ははじめてタンゴという言葉を知ったのは、歌謡曲の「黒ネコのタンゴ」から。この曲はもともとはイタリアの童謡コンテストの入賞曲だそうです。
舞曲がベースになっているだけあってとっても調子のいい歌です。
それでは、次回の「虎と小鳥のフランス日記」の記事をお楽しみに。
最近、「タンゴリブレ」という映画を観ました。刑務所の中で男同士で踊るんですが、すごいカッコイイんですよ。有名なダンサーさんが踊っているから当たり前だけど。
アルゼンチンタンゴでした。
ストーリーは奇妙で、ベルギーが舞台なんですが、フランス語がものすごくわかりにくかったです~。
アンさん、こんにちは。コメントありがとうございます。
ちょっと前にブログでDELFを受験されると書いておられましたが、もう終りましたか?
「タンゴリブレ」・・・知らない映画です。
刑務所の中で男同士で踊るなんてユニークなシチュエーションですね。
友情の踊りかな。
英語で
It takes two to tango.
タンゴは1人じゃ踊れない;1人じゃできない;片方だけのせいじゃない
という成句があるでしょ?
2人で踊るダンスだから、いろいろなドラマが生まれるのでしょうね。