難しげに思えるフランス語の数字。毎週1つずつチェックしています。今回は15です。
数字 «15»
15 は quinze カーンズ (またはキャーンズ)
発音はこちらで確認してください。
14のところでも書きましたが
⇒フランス語の数字【第16回】~14(カトーズ)
quはか行の発音になります。
Québec ケベック
in は鼻母音 で アン
quin は カーン という感じ。キーンとかクインではありません。
語源と派生語
語源はラテン語のquindecim ← quinque (5)+decem(10)
派生語
quinzième 15番めの、15分の1
歌 «A quinze ans »
quinzeが歌詞に入っている、曲をご紹介します。
セルジュ・ラマ(1943生)の«A quinze ans»。
意味は「15歳のとき」。
1964年の曲です。
歌詞の単語が難しいのですが、A quinze ansは何度も出てくるので聞き取れると思います。
このライブは70年代ですかね?
いつの映像かわからないですけど、1964年ごろは、スーツに、短髪で、直立して(デビュー当時のセルジュ・ゲンズブールのように)歌ってました。
冒頭の部分は
A quinze ans
J’avais l’âme pleine
Et ma plaine à portée du vent
Et le vent de sa douce haleine
berçait mes désordres d’enfants
15歳とのき
僕は充実した魂と
風の吹く平原を持っていた
そして、やさしい吐息のような風が
子どもの混乱した気持ちをゆらしていた
plein, plaine, haleine が韻を踏んでいます。
à portée de ~の届く範囲に
haleine 呼気、吐く息、息
歌詞はこちらにあります⇒Paroles A 15 ans par Serge Lama – Paroles.net (lyrics)
セルジュ・ラマ
セルジュ・ラマはフランスのボルドー生まれ。ほどなく、パリに引っ越しをし、10歳ぐらいからすでに詩を書いていました。
歌手にあこがれ、学業にはあまり身が入りませんでした。早くからオーディションを受け、21歳のときに、パリのL’Écluse(エクルーズ 水門)というキャバレーで歌う仕事を獲得。1964年2月のことです。
この店では、バルバラが看板歌手でした。セルジュはそのバルバラの伴奏をしていたピアニストのリリアーヌという人と恋に落ち、婚約に至ります。
A quinze ans はそのあと発売された45回転のレコード。
翌1965年、新しいレコードを出して、夏、ツアーへ。この時、スタッフの運転していた車が事故にあい、重症をおいます。
同乗していたリリアーヌは即死、彼も大怪我をして、1年間ベッドに横たわっていました。
自分が瀕死の事故にあうだけでも大変でしょうが、恋人を失くしてしまったから相当ショックだったと思われます。
その後は元気で活躍。ですが、それから約20年後、芸能生活20周年を祝った年に、やはり、両親を交通事故で失くしているのですよね。
そんな過去があるからか、もともと詩人で暗い性格なのか、彼は悲しい歌が多いような気がします。
代表作の Je suis malade なんて、タイトルが「私は病気です」という意味。失恋の歌ですけど。
いろいろつらいこともあったと思いますが、2013年には、芸能生活50周年を迎えました。オリンピア劇場で記念コンサートをしたり、アルバムを出し、まだ活躍しています。
quinze を使った表現、文章
quinze jours 2週間
※フランス語では、huit jours を1週間という意味で使います。
Il arrivera dans huit jours.
彼は1週間後に着くでしょう。
donner ses huit jours
使用人に1週間分の給料を前払いして解雇する
tous les huit jours
毎週
もちろん同じ太陽暦を使っていますから、1週間は月曜から(フランスでは月曜始まり)から日曜までの7日間ですが、その日を含めて数えている、とプチロワに書いてありました。
よって、2週間は8+7=15で、15日間なのです。
dans quinze jours 2週間後に
il y a quinze jours 2週間前に
けれども、これは人によって違うようです。以前「虎と小鳥のフランス日記」の解説授業で、ティファニーは「自分は1週間を8日と言わない」、と言っていたような気がします。
もしかしたら古い表現なのかもしれません。あるいは、彼女は確かお父さんが英国人なので(うろ覚え)、そういう言い方をしないのかも、と考えています。
Voyons la page quinze.
15ページを見ましょう。
この続きはこちら⇒フランス語の数字【第18回】~16(セーズ)
★このシリーズを最初から読む方はこちらからどうぞ⇒フランス語の数字【第1回】~0(ゼロ)
5はcinq 50がcinquante ですが、15はqu始まりなので少しまぎらわしいですね。
私は「カーンズめ(缶詰)が15個あるから、おカンズ(おかず)はいらないね」と語呂合わせで覚えています。
覚えられる人は、ふつうに覚えてください。
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