季節のことわざをご紹介します。
5月のことわざを書いていなかったので、5月、6月の両方が出てくることわざを選びました。
Frais mai et chaud juin, amènent pain et vin.
5月が涼しく、6月が暑いと、パンとワインができる。
5月が涼しく、6月が暑いと、パンとワインができる。
5月は mai
フランス語で5月はmai(メ)です。
語源はローマの女神 Maïa(マイア)です。
マイアは若さ、生命、繁殖などをつかさだる女神さま。
もともとはイタリアの春の女神でした。
暖かくて植物の成長を促す女神。
maiの語源のラテン語は、maius, majus で、majeur(大きい、重大な)という意味の単語と関係があります。
pain et vin パンとワイン
キリスト教では、パンはキリストの体、ワインはキリストの血です。
十字架に架けられる前、最後の晩餐で、キリストは、「パンは私の体、ワインは私の血」と言って、弟子に分け与えました。
キリストのからだと血を分けてもらって共同体になります。
ですから、カソリックの国であるフランスでは、パンとワインは大事なものの象徴と言えそうです。ふだんそんなことを考えて食べてはいないかもしれませんが。
実際、フランスパンってワインに合いますよね。
これにチーズがつけば、とりあえず食事になります。
このことわざは、5月が涼しくて、6月にぐっと気温があがれば、恵みのパンとワインができる、ということです。
よくわかる!フランス語の文法解説
単語の意味
frais 涼しい、ひんやりとした
mai 5月
et そして
chaud 暑い
juin 6月
amènent < amener 連れてくる⇒生じさせる
L’hiver amène les rhumes.
冬になると風邪をひく人が出てくる。
pain パン
vin ワイン
※古くからの言い回しなので、painもvinも冠詞が落ちています。
無生物主語
前回のことわざ⇒42~6月の雨がもたらすものと同じように、主語が、「5月と6月」で人間ではない無生物です。
無生物主語は日本語にはあまりない(翻訳の影響で、日常的に使うものもありますが)ので、訳す時はちょっと工夫します。
このことわざは、このまま訳してもさほどおかしくないですけど。
詳しくは前回の記事と、こちらをどうぞ⇒抽象名詞~翻訳講座第10回前半
直訳
涼しい5月と暑い6月はパンとワインを運んでくる。
Froid mai et chaud juin, donnent pain et vin.
といったバリエーションもあります。
季節の関連記事もどうぞ
⇒かわいいフランス語教えます~その29 季節の単語
ことわざの記事の目次を作りました。ご利用ください。
その1⇒フランス語のことわざ~目次 その1
その2⇒フランス語のことわざ~目次 その2
パンとワインとチーズって、和食で考えると、おにぎりとお茶とたくあんでしょうか?
毎日がおいしいお米とお茶につながっているのですね。そう考えると、一日一日がいとおしく感じられます。
6月もちょうど折り返したところ。
6月が終わると今年の折り返し地点。
みなさまも、日々お元気で楽しくお過ごしください^^
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