クリスマスがテーマになっている、短くてとてもかわいい歌を紹介します。
タイトルは、Combien de Noëls(クリスマスはいくつ?) 歌っているのは、Tricot Machine というカナダ(ケベック)出身のインディーズポップの男女のデュオです。
Tricot Machine(トリコ・マシーン)は、直訳すると「編みもの器」です。(編み機は、machine à tricoter)
クリスマスはいくつ?
シンプルできれいな歌です。
聞き取りのポイントは、タイトルにも出てくる combien de という表現。そのあとに必ず名詞が続きます。
この歌では、combien de のあとにくる名詞は8個です。
ケベックのフランス語なので、フランスのフランス語とは多少アクセントが違うと思います。
2分44秒。
それでは訳詞に挑戦!
Combien de Noëls aurons-nous encore ensemble
Combien de soleils avant que la terre ne tremble
Combien de mémoires pour les souvenirs d’hier
Combien de tempêtes apaiseront nos hiversCombien de chansons transformeront nos silences
Combien de maisons célèbreront l’importance
Combien de lumières dans les yeux de ceux qui aiment
Combien de bonheur dans le cœur quand on espère
☆2人で過ごすクリスマスはあといくつ?
大地がゆれるまでにいくつ太陽が出る?
きのうの思い出、いくつある?
いくつの嵐が、私たちの冬を静かにしてくれる?
いくつの歌が私たちの沈黙を変えてくれる?
いくつの家が大事なことをお祝いする?
いくつの光が、愛する人の瞳の中にある?
希望をいだく心の中にいくつの幸せがある?☆
☆~☆繰り返し。
歌詞はこちらを参照しました⇒Paroles de Combien de Noëls? par Tricot Machine — La Boîte aux paroles
単語メモ
avant que (ne) + 接続法 ~する前に
Il arrivera avant qu’il (ne) fasse nuit. 彼は夜になるまでには着くでしょう。
trembler 振動する、揺れる
La terre a tremblé en Iran. イランで地震があった。
apaiser なだめる、平静にする、静める、和らげる
L’explication du médecin l’a apaisée. 医者の言葉が彼女の気持ちを落ち着かせた。
わりと基本的な単語ばかりで、難しい単語は出てきません。
文法プチポイント:combien de+名詞
combien de +無冠詞名詞で、どれだけの、どのぐらいの、という意味です。
Combien de photos avez-vous prises ? あなたは写真を何枚撮りましたか?
Combien de personnes sont venues ? 何人来ましたか?
Depuis combien de temps êtes-vous en France ? フランスにはいつからいるのですか?
ここまで疑問文なので、combien de のあとの主語と動詞はひっくり返っています(倒置)。
Je ne sais pas combien de temps il faut pour aller en France. フランスに行くのにどのぐらい時間がかかるのか知りません。
この文は間接疑問文なので、「combien de + 名詞」のあとの主語と動詞はふつうの並びになっています。
間接疑問文は、直接聞く疑問文、「どのぐらい時間かかるの?」を、伝聞みたいな形で伝える疑問文です。
時勢プチポイント:単純未来形
現在形のほかに出てくる時制は単純未来形です(接続法もありますが)。
aurons < avoir (avons)
apaiseront < apaiser (apaisent)
transformeront < transformer (transforment)
célèbreront < célèbrer (célèbrent) ☆célébrer の3人称、複数形の単純未来形は、célébreront ですが、この歌では、ふたつめのéのところが、メロディーの関係で伸びているので、èの音になっているようです。
文法的にもそんなに難しい箇所はないと思います。
la terre ne tremble の ne は虚辞のneと呼ばれるneで、否定の意味はもちません。話し手の否定的な気持ちの表れ、と説明されることが多いです。
Tricot Machine について
トリコマシーンは、ケベックのトロワ・リヴィエールという街出身のインディーズデュオ。コアメンバーは、Catherine Leduc と Matthieu Beaumont。
日本ではCDは出ていないでしょうからほとんど無名かと思います。もう解散してしまいましたが、ケベックのインディーズフォークを代表するバンド(デュオ)です。
2人がトロワ・リヴィエールで出会ったのは2002年、トリコ・マシーンを結成したのは2005年。トリコマシーンというのは、テキスタイルを学んでいたカトリーヌが実際に使っていた器械の名前だそうです。
Tricot Machine という名前のアルバムでデビューしたのが2007年で、すぐに注目をあび、人気者になりました。
きょう紹介したのは、2008年に出た、Tricot machine chante et raconte 25 décembre というクリスマスをテーマにしたミニアルバムの1曲です。
2人は2010年に、La prochaine étape(次のステップ)というアルバムを発売し、ほどなくバンドとしての活動を終えました。
クリスマスアルバムもあたたかい感じですが、ほかの曲も、子供のころの思い出や、くまの話など、ユニークな題材をほんわかと、でもパンキッシュに歌っています。
Combien de Noëls・カバーバージョン
エミール・クレール・バーロウ(Emilie-Claire Barlow)というカナダはトロント出身のジャズ歌手が、Lumières d’hiver (冬の光)というアルバムで、この曲をカバーしています。
いきなりおしゃれな感じになっていますね。
これまでに紹介したクリスマス関連の曲もどうぞ
メリー・クリスマス(ジョワイユー・ノエル):バルバラ(歌と訳詞)
プチ・パパ・ノエルはフランスのクリスマスソングの定番:歌と訳詞
歌と訳詞:Un flambeau, Jeanette, Isabelle ~松明を持って来て、ジャネット、イザベル
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たまに、ネーミングの質問をいただくのですが、「光(lumière)」に関する言葉を知りたい、という声が多いです⇒かわいいフランス語教えます~その40 いろいろな光(ルミエール)
12月やクリスマスの歌、賛美歌をチェックすると、lumière がよく出てきますので、クリスマスソングから探すのもいいかもしれません。
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