フランスでいつマルシェ・ド・ノエル(marché de Noël)が始まったのか、子供むけにやさしいフランス語とアニメーションで解説している、1 jour 1 question の動画を紹介します。
marché de Noël は、日本では、クリスマスマーケット、またはクリスマス市(くりすますいち)と呼ばれます。
クリスマス前のおよそ4週間(この時期をアドベントと言う)におこなわれる、クリスマス関連の商品を売るマルシェ(市)で、ドイツから始まりましたが、最近は、ヨーロッパをはじめいろいろなところで行われています。
物を売る屋台(出店)が出るだけでなく、アトラクションもあります。
マルシェ・ド・ノエルはいつ始まったのか?
タイトルは、D’où vient la tradition du marché de Noël ?(マルシェ・ド・ノエルの伝統はどこから来たの?)
1分42秒
トランスクリプト
D’origine allemande, le premier marché de Noël est arrivé en Alsace au 16e siècle. Il s’appelait Marché de Saint Nicolas.
On y achetait des cadeaux pour les enfants pour la Saint Nicolas, le saint protecteur des enfants.
En 1570, avec l’arrivée du protestantisme, une branche de la religion chrétienne, ce marché est rebaptisé Marché de l’enfant Jésus.
Mais depuis quand ces marchés se sont multipliés ? Du 16e siècle jusqu’aux années 1990, seule la ville de Strasbourg à un marché de Noël.
Chaque année, pendant tout le mois de décembre, des milliers de touristes sont au rendez-vous : chalets illuminés, pain d’épices, vin chaud, jouets en bois. On y vient pour son côté traditionnel célébrant la magie de Noël.
En 1995, face à son succès grandissant, la ville alsacienne présente son marché dans plusieurs salons internationaux de tourisme.
Dès l’année suivante, des marchés de Noël fleurissent partout dans le monde : marrons chauds par-ci, santons de Provence par-là. Chaque ville s’invente son marché et l’adapte à ses traditions.
Au fil des ans, ils deviennent des événements touristiques : patinoires, manèges, animations… Les villes regorgent d’imagination pour accueillir des marchés toujours plus beaux et festifs.
Aujourd’hui, la France est deuxième au classement mondial des marchés de Noël, après l’Allemagne. La féerie de Noël n’est pas prête de disparaître !
☆トランスクリプトの引用元⇒D’où vient la tradition du marché de Noël ? | Lumni
マルシェ・ド・ノエル 和訳
ドイツが起源で、(フランスでの)はじめてのマルシェ・ド・ノエルは、16世紀にアルザス地方で行われました。
このマルシェは、『聖ニコラのマルシェ』と呼ばれました。
人々は、聖ニコラの日に備えて、マルシェで子どもたちへのプレゼントを買いました。聖ニコラは、子どもたちを守ってくれる聖人です。
1570年、プロテスタンティズム(プロテスタント教会)というキリスト教の一派がうまれ、このマルシェは、『幼子(おさなご)イエスのマルシェ』という名前になりました。
でも、いつからマルシェは増えていったのでしょうか? 16世紀から1990年までは、ストラスブールのマルシェ・ド・ノエルしかありませんでした。
毎年、12月のあいだ、たくさんの観光客が、ここを訪れます。電飾を飾り付けた山小屋、パンデピス、ヴァン・ショー(ホットワイン)、木製のおもちゃ。
クリスマスの魔法を祝いながら、おのおの、伝統を楽しむのです。
1995年、マルシェ・ド・ノエルが大盛況なので、アルザス市は、複数の観光の国際サロンで、マルシェ・ド・ノエルを披露しました。
その翌年から、マルシェ・ド・ノエルは、世界中にひろがりました。焼き栗、プロバンスのサントン人形など、それぞれの街が、地元の伝統を取り入れたマルシェを始めるようになりました。
年月がたつうちに、マルシェは観光イベントとなり、スケート、回転木馬、さまざまなイベントが行われています。
それぞれの街で、想像力をふんだんに使って、より美しく、お祭りらしいマルシェを開催してきました。
今日、フランスは、マルシェ・ド・ノエルの世界ランキングではドイツに続いて、第2位です。
クリスマスの夢の世界は、消え去りそうにありません。
単語メモ
être au rendez-vous (物ごとが)予期したときに起こる
regorger de ~で満ちあふれる
classement 格付け、等級、ランク
féerie 妖精の国、夢幻境;夢のように美しい光景
補足
聖ニコラについては、『聖ニコラの日』の記事に詳しく書いています。
12月6日は聖ニコラ(聖ニコラウス)の日。この人はいったい誰なんでしょう?
昔は、聖ニコラのマルシェだったのが、プロテスタントが台頭したあとは、イエス・キリストのマルシェになったのですね。
パンデピスは、スパイスがいっぱい入ったパン(ケーキ)、クッキーです。
パンデピスの作り方。混ぜて焼くだけ:フランスのお菓子(11)
ジンジャーマンクッキー(パンデピス)の作り方:フランスのお菓子38
ヴァン・ショーは、あたためたワイン、つまりホットワインです。
サントン人形は、おもにプロヴァンス地方で作られる土製の小さなカラフルな人形で、キリストの生誕場面の模型に飾るものです。
以下の記事で詳しく説明しています。
かわいいフランス語教えます~その49 クリスマスの単語(1)
いずれもクリスマスの風物詩ですね。
こちらはストラスブールのマルシェ・ド・ノエルを紹介する動画です。
フランス語の字幕を表示させることができます。
3分37秒。
関連記事もどうぞ
サン・ジェルマン・デ・プレのマルシェ・ド・ノエル~「虎と小鳥のフランス日記」第132話
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上の動画は2015年のマルシェ・ド・ノエルの様子です。雪がないみたいなので、iPhoneでストラスブールの気温を見たところ、きょうから9日間は、最低気温でもプラス2度です。
意外にあたたかくてびっくりです。
寒すぎないので、マルシェ・ド・ノエルに人が集まるのでしょうね。
いつもブログを楽しく拝見しております。
クリスマスマーケットの歴史は古いにもかかわらず、フランスでは90年代までストラスブールにしかなかったことに大変驚きました。
今回も新たな発見嬉しく思います。
わたなべさま
こんにちは。penです。
コメントありがとうございます。
マルシェドノエルの記事、参考になってよかったです。
読者の方がいると思うとはげみになります。
これからもよろしくお願いいたします。