見知らぬ女

映画・テレビ・動画

『優雅なハリネズミ』(2)~映画の予告編のフランス語

Le Hérisson ハリネズミ という映画の予告編のフランス語をチェックしています。

今回は、その2です。

Le Hérisson 予告編

きょうはこのアパートに新しい住人がやってくるところ。そして、パロマが、「優雅なハリネズミ」について語るところです。

Je vous présente monsieur Kakuro Ozu, notre nouveau propriétaire.

Bonjour.

Vous connaissez bien la famille Arthens?

Oui, une famille heureuse.

Toutes les familles heureuses se ressemblent.

Mais les familles malheureuses le sont chacune à leur façon.

Toutes les familles heureuses se ressemblent,les familles malheureuses le sont chacune à leur façon.

ご婦人:カクロウ・オヅさんをご紹介します。新しく引っ越してこられました。

管理人:はじめまして。

ムッシュ・オヅ: アルタンさん一家をよくご存知でしたか?

ご婦人:ええ、幸せなご一家でしたわ。

管理人:幸せな家ってどこも似たようなもんです。

ムッシュ・オヅ:でも、不幸な家族は、それぞれの形で不幸ですよね。

管理人:「幸福な家庭はどこも似通っているが、不幸な家庭は、それぞれのあり方で不幸である。」

Vous aussi vous pensez qu’elle n’est pas ce qu’on croit ?

Madame Michel, elle me fait penser à un petit hérisson.

Qu’est-ce qui m’a pris, je suis démasquée.

À l’extérieur, elle est bardée de piquants.

Tu veux pas un chocolat?

Mais moi, j’ai l’impression qu’à l’intérieur, elle est aussi raffinée que
ces petites bêtes, farouchement solitaires, terriblement élégantes.

パロマ:あなたも、彼女はみんなが思っているような人でないと思ってますか?ミシェルさんは、私には、ハリネズミみたいに思えるんです。

管理人:私、どうしたのかしら?見破られているわ。

パロマ:外側はとげで覆われています。

管理人:ココア飲む?

パロマ:でも、私には、内側は、この小さな生き物と同じように、洗練されていて、頑固なまでに孤独で、ひどく優雅に思えるんです。

スクリプトはこちら⇒Le hérisson: transcription

初回はこちら⇒『優雅なハリネズミ』(1)~映画の予告編のフランス語

単語メモ:

propriétaire 所有者、持ち主;地主、家主

la famille Arthens アルタン一家 以前このアパルトマンに住んでいた家族

démasquer 仮面を取る、正体を暴く、化けの皮をはがす

barder de (金具などで)覆う、補強する

piquant とげ
piquants d’un cactus サボテンのとげ

farouchement 荒々しく、激しく、強固に、頑として ←farouche 動物が人に慣れない;非社交的な、とっつきにくい

terriblement  (話)ひじょうに、とても、ひどく
Il est terriblement méchant.
彼はひどく意地が悪い

不幸な家庭はそれぞれのあり方で不幸である

Toutes les familles heureuses se ressemblent,les familles malheureuses le sont chacune à leur façon.

「幸福な家庭は似ているが、不幸な家庭はそれぞれのあり方で不幸である」

これはトルストイの、「アンナ・カレーニナ」の出だしの文章。日本でも有名な一節です。

管理人ルネは、ちょっとした二重生活を送っていました。

管理人室のテレビを音は出さず一日中つけっぱなしにして、さも暇な時間をテレビを見ているようによそおいながら、その実、いつも本を読んでいたのです。

それも、文学といったたぐいの本を。

予告編にも出てきますが、すごく立派な書庫を持っています。アンナ・カレーニナも愛読書の1つなのでしょう。

思わず、トルストイの文章の一節をしゃべったら、ムッシュ・オヅが、ああ、アンナ・カレーニナですね、とわかって、全文を返したのです。

それで、ルネはどきどきします。

ちなみに、ルネの猫の名前は、レオン。フランスではトルストイは、Léon Tolstoïと呼ばれています。

パロマも、ルネが実は読書家だということを知っています。というのも、一度、ふらふらと外に出てきたルネの猫を、部屋に戻すとき、ルネの読みかけの本を偶然見たからです。

その本のタイトルは Éloge de l’ombre

éloge エロージュ は賞賛、賛辞
「影の賞賛」って?と思うわけですが、これは谷崎潤一郎の『陰翳礼讃』のフランス語のタイトルです。

ちなみに英語のタイトルは In Praise of Shadows

『陰翳礼讃』は海外でもっとも読まれている日本の本の1つだそうです。谷崎潤一郎はフランスで人気があります。

この続きはこちら⇒『優雅なハリネズミ』(3)~映画の予告編のフランス語

パロマはいつもビデオカメラを持っていますが、彼女は12歳の誕生日に自殺しようと思っていて、それまでの日をビデオおさめているのです。ビデオ日記みたいなものです。

何にでもカメラを向けるので、家族にいやがられています。






数字71-80フランス語の数字【第29回】71 – 80前のページ

1日の苦しみは1日で足りる:フランス語のことわざ69次のページ景色

ピックアップ記事

  1. 2023年版、フランス語学習用カレンダーの紹介:テーマは「食」
  2. 『星の王子さま』~お役立ちリンク集

関連記事

  1. チョコレート
  2. トリュフォーの本

    映画・テレビ・動画

    フランソワ・トリュフォー 没後30年記念イベント2つ

    フランソワ・トリュフォー François Truffaut(1932…

  3. エッフェル塔

    映画・テレビ・動画

    エミリー、本当のパリへ行く:予告編(パロディ)

    去年(2020年)の秋、Netflixで公開されたドラマ、『エミリー、…

  4. ピアノ

    映画・テレビ・動画

    『愛、アムール』の予告編~年老いた夫が妻を介護する映画

    フランス映画の予告編のスクリプトでフランス語を学習しています。…

  5. ピアノ

    映画・テレビ・動画

    『エール!』La famille Belier (2)~予告編のフランス語

    La Famille Bélierというフランス映画の予告編のスクリプ…

  6. フレンチポップスの訳詞

    店の前で(映画「シェルブールの雨傘」#2):歌と訳詞。

    1964年の映画、「シェルブールの雨傘」(Les Parapluies…

コメント

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。

CAPTCHA


日本語が含まれない投稿は無視されますのでご注意ください。(スパム対策)

更新情報をメールで配信中

メールアドレスを記入して購読すれば、更新をメールで受信できます。

お問い合わせはこちらから

お問い合わせはこちらからどうぞ

封筒
⇒お問い合わせフォームへ


お気軽に^^

☆和文仏訳、仏文和訳の無償サービスは行っておりませんので、ご了承願います。

アーカイブ

PAGE TOP