美しい女性

フレンチポップスの訳詞

「4月の少女」ロラン・ヴルズィ:歌と訳詞。12ヶ月の名前がすべて復習できる美しい歌

ロラン・ヴルズィ(Laurent Voulzy)の La Fille d’Avril というとてもきれいな曲を紹介します。

タイトルは「4月の少女」ですが、歌詞の中に、12ヶ月の名前がすべて出てきますので、月の名前の総復習に最適です。

月の名前をすべて聞き取ってみてください。

La Fille d’Avril  4月の少女

それでは訳詞に挑戦!

C’est une fille d’Avril
Pauvre de moi
Une fille difficile
Elle ne veut pas
Découvrir d’un fil
Tout ce qu’elle a
Ni son coeur, ni son corps
C’est comme ça.

彼女は4月の少女
みじめな僕
気むずかしい女の子なんだ
糸1本脱ぎたがらないんだ
彼女は
心もなければ、からだもない
そんなふうなんだ

Les filles de Janvier, on le dit
N’aiment pas garder leurs habits
Au coin du feu
Elles se prélassent
Février Mars
Voici le joli mois de Mai
Les manteaux, on les met jamais
Elles ne gardent presque rien
Quand vient le soleil de Juin
Enfin Juillet les déshabille
Mais elle, c’est une fille…

1月の少女たちは
服を着たがらないと人は言う
暖炉のそばで
くつろいでいる
2月、3月
ほら、楽しい5月だ
コートなんて絶対着ない
6月の太陽がやってきたら
ほとんど何も着ない
とうとう7月、少女たちは服を脱いでしまう
でも、彼女は…

4月の少女
みじめな僕
気むずかしい女の子なんだ
糸1本脱ぎたがらないんだ
彼女は
心もなければ、からだもない
そんなふうなんだ

太陽はもう何の疑いも持たない
8月の砂浜の上に寝そべり
9月には別の夢を見る

風が立つ
少女たちは10月の風が好きだ
服の下を吹き抜ける風が
11月は、もっと寒くなる

きみの腕できつく僕を抱きしめて
絡みあったままクリスマスを過ごそう
でも彼女は

☆4月の少女
みじめな僕
気むずかしい女の子なんだ
糸1本脱ぎたがらないんだ
彼女は
心もなければ、からだもない
そんなふうなんだ☆

☆~☆ リフレイン

歌詞はこちらを参考にしました⇒Paroles La Fille D'Avril Laurent Voulzy lyrics
作曲はウルズィ、作詞はAlain Souchon(アラン.スション)です。この2人はよくコンビで曲を作っています。

4月には糸1本脱ぐな

美しい片思いの歌のようにも、衣替えの歌のようにも取れるこの歌詞を理解する鍵は1つだけ。

このことわざです。

En avril, ne te découvre pas d’un fil; en mai, fais ce qu’il te plaît.
4月には糸1本脱いではいけない。5月になったら好きにしなさい。

意味は「4月はまだ寒くなることもあるから、急に薄着をしないで、5月になったら衣替えしなさい」ということ。要するに4月はまだまだ天候が不順だ、と言っています。

これを知っていれば、リフレインで出てくる、Elle ne veut pas d’couvrir d’un fil の部分が理解しやすいです。

単語メモ

Pauvre de moi ! ああ情けない。なんて惨めなんだ
(☆pauvre とmoi は同格で、deはプロヴァンス起源の虚辞的用法)

découvrir 「発見する」という意味の動詞ですが、「覆いを取る、明らかにする」という意味もあります。本質は同じようなものです。
se découvrir (帽子、衣服、布団などを)脱ぐ

habits  (複数で)衣服

se prélasser  くつろぐ

serrer 抱きしめる 

enlacé  巻きついた、抱きしめあった ← enlacer

Le soleil n’a plus aucun doute 太陽は何の疑いも持たない、確信を持って照っている。つまり、夏の日差しがまぶしい、ということです。
doute は 次の Allongées sur le sable d’août の août と韻を踏ませるために選んだ言葉だと思います。

12ヶ月の名前を復習したい方はこの記事をどうぞ⇒12ヶ月の言い方、総復習~フランス語の暦(10)

ロラン・ヴルズィ

1948年12月18日、パリ生まれ。フランスのシンガーソングライター。1969年から1974年まで、Le Temple de Vénus というバンドを率いていましたが、その後ソロに。

佳作ですが、すばらしいアルバムを出し続けています。とても英米よりの音作りをする人です。

これまで以下の記事で彼の歌声を紹介しています。

歌と訳詞:Le Cantique Mécanique~ロラン・ヴルズィ

『涙のくちづけ』(シールド・ウイズ・ア・キス)のフランス語版:歌と訳詞

夏の終わりにしんみり聴きたいラ・マドラグ~ブリジット・バルドー:歌と訳詞

La Fille d’Avril は Avril というアルバムに収録されています。

もともと英米のロックやポップスが好きな私はロラン・ヴルズィの曲も大好きです。ブログではほとんど彼の記事を書いていないですね。今後また少しずつ紹介したいと思います。

それでは次回の歌の記事をお楽しみに。






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