フランスのお菓子を紹介するシリーズ。今回はカフェ・グルモン(カフェ・グルマン)です。これは厳密に言うとお菓子の名前というより、セット物の名前です。
café gourmand は直訳すると「食いしん坊のコーヒー」ですが、実はこのメニューは、コーヒーとサイズの小さいお菓子(mignardises)がいくつかついたセットのこと。
フランスには以前はこういうメニューはなかったそうです。
2005年ぐらいにパリのレストランに登場してからトレンドになり、いろいろな店が独自のカフェ・グルモンを提供しています。
カフェ・グルモンにはいくつかの利点があります。
●いろいろなデザートが食べられる。
●1つ1つは小さいのでカロリーが抑えられる、と食べる人は思う(実際のところはわかりませんが)。
●見た目がカラフルでかわいいから女性に受ける。
●どんなものが皿にのってくるのか楽しみ(通常、カフェグルモンにのってくるデザートはメニューに書いてありません)。
●コーヒーとデザートが一緒にでる(伝統的なフランス料理のコースでは、デザートとコーヒーは別々に出ます)。
カフェグルモンの構成
1.熱い飲み物。
通常はエスプレッソ espresso ですが、紅茶 thé ホットチョコレート chocolat chaud もあります。
2.小さいサイズのデザートが3~5種類
こんなお菓子が使われます。すべてミニサイズです。
● mousse au chocolat チョコレートムース
● tartelette タルトレット
● crème brûlée クリームブリュレ
● fondant au chocolat フォンダンショコラ
● clafoutis クラフティー
● fruits フルーツ
● biscuit クッキー
● macaron マカロン
● chouquette シューケット(小さいシュークリーム)
● glace アイスクリーム
● financier フィナンシェ
● brownie ブラウニー
● tiramisu ティラミス
値段は5ユーロ~8ユーロぐらい
まともにデザートを頼むより安くあがるし、おなかもいっぱいになりすぎないとか。
カフェグルモンの例
こちらは昔、「虎と小鳥のフランス日記」のエピソードで出てきた、フランスのル・トラン・ブルーというレストランのカフェ・グルモン
・マカロン un macaron
・チョコがけのエクレア l’éclair au chocolat
・バニラクリームに赤いフルーツのコンポートをのせたもの。crème vanille avec une compote de fruits rouges
・tarte tropézienne タルト・トロぺジエンヌ
タルト・トロぺジエンヌは前回紹介しました⇒サン・トロペ名物、タルト・トロペジエンヌのレシピと作り方
こちらは別の機会に出てきたカフェグルモン。
記事はこちら⇒週末のブランチ「虎と小鳥のフランス日記」第107話
このように単品としてももちろん頼むことができます。コーヒーだけじゃなく、ちょっとおやつもほしいという時にいいですね。
自宅で作るカフェ・グルモン
カフェ・グルモンはデザートとしてすっかり定着し、自宅でおもてなしをするときなどにも使われます。
こちらはBridéliceという生クリームのメーカーが作ったカフェ・グルモンのレシピです。ふつうの人が自慢のレシピを動画で作ってみせてるみたいです。
クレープを茶巾みたいに包むのが可愛いですね。ブルターニュは乳製品がおいしいところです。
カフェグルモンは、プレゼンテーションと言うのでしょうか、どんなふうにお皿に盛るかお店によって違いますし、出てくるお菓子も楽しみですね。
ただし、あまり期待しすぎると、ただのチョコレートムース(フランスではひじょうに一般的なお菓子)にクッキーが転がっているだけ、ということもあります。
それでは次回のお菓子の記事をお楽しみに。
トップの画像のクレジット: cafegourmand via photopin (license)
この記事へのコメントはありません。