毎年5月9日は、欧州連合が制定した、『ヨーロッパの日』です。
この日にちなんで、欧州連合がなんであるのかその歴史や内容を子ども向けに簡単なフランス語で説明している、動画と記事を紹介します。
欧州連合って何?
1 jour 1 question の1分42秒のアニメです。
タイトル:C’est quoi l’Union européenne ?
2019年の5月の制作なので、加盟国は28といっていますが、イギリスが抜けたから現在は27です。
トランスクリプト
Le 9 mai 1950, Robert Schuman, un homme politique français, propose d’unir les pays européens. Car après 2 guerres mondiales, l’Europe est dévastée. Elle ne rêve que d’une chose : la paix !
6 pays répondent à l’appel : l’Allemagne, la Belgique, la France, l’Italie, le Luxembourg et les Pays-Bas. C’est ainsi que naît l’UE : l’Union européenne. Aujourd’hui, l’UE compte 28 pays. Ça fait 508 millions d’habitants, dont toi !
D’accord, mais qu’est-ce qui nous relie ? Des symboles d’abord.
Une devise : Unis dans la diversité et un hymne : l’Ode à la joie. Un drapeau : 12 étoiles jaunes sur fond bleu. Et l’euro : la monnaie de 19 pays de l’UE. L’UE, c’est aussi des valeurs. Comme les droits de l’homme, la liberté ou la démocratie : ce régime politique qui donne le pouvoir au peuple.
Des droits, comme celui de voyager, d’étudier et de travailler dans tous les pays. Des ambitions, comme celle d’œuvrer pour l’environnement. MAIS L’UE EST LOIN D’ÊTRE PARFAITE. Aujourd’hui, le Royaume-Uni ne veut plus être contraint par ses lois. Il a voté pour sortir de l’Union. C’est le Brexit.
Car l’UE produit ses propres lois. Elles sont discutées à Strasbourg, au Parlement européen. Les députés européens, élus dans chaque pays, se réunissent aussi à Bruxelles en Belgique. C’est pour eux que tes parents votent tous les 5 ans. Une élection qui décide de l’avenir de l’Union !
トランスクリプトの引用元⇒C’est quoi l’Union européenne ? – 1 jour, 1 question | Lumni
欧州連合について、和訳
1950年の5月9日、ロバート・シューマンというフランスの政治家が、ヨーロッパ諸国を統一することを提案しました。
というのも、2つの世界大戦で、ヨーロッパは壊滅的な状況だったからです。
ヨーロッパの夢見るものは、ただ1つ、「平和」しかありませんでした。
この呼びかけに6カ国がこたえました。ドイツ、ベルギー、フランス、イタリア、ルクセンブルグ、オランダです。
こうして、UE(l’Union européenne 欧州連合)は生まれました。
今日、UEは、28カ国が参加し、きみを含めて、5億800万の市民がいます。
それはわかりましたが、なにか私たちを結びつけているのでしょうか?
さまざまなシンボルがあります。
モットー:多様性のなかの統合
国歌:歓喜の歌
旗:紺色の地に黄色い12個の星
ユーロ:UEの19カ国が使っている通貨
UEはさまざまな価値基準をもっています。たとえば、人権、自由、民主主義。この政治的体制は、人々に力を与えています。
加盟国全域で、旅行し、学び、働く権利があります。
環境のために活動するといった野望もあります。
しかし、UEは完璧からほどとおいところにあります。
現在、英国がこうしたルールにもうしばられたくないと考えていて、連合から、抜けることを可決しました。これはBrexitです。
というのも、UEには独自の法律があります。この法律は、ストラスブルグにある、欧州議会で討議されます。
ヨーロッパの議員は、それぞれの国で選ばれ、ベルギーのブリュッセルでも集まります。
だから、君たちの親は、5年毎に、この議員を選挙で選びます。欧州連合の未来を決める選挙です。
欧州連合の歴史
次に、1 jour 1 question の記事を紹介します。
8年前の2012年の記事ですが、古い歴史は変わらないので、それなりに参考になります。
先にも書いたように、現在の加盟国は27カ国。もっとも最近の欧州議会選挙は、2019年に行われました。
「欧州連合」についてどんな質問にも答えられるようになろう!
Deviens incollable sur l’Union européenne !
5月9日はヨーロッパ・デー la fête de l’Europe です。
1950年5月9日を記念する日です。
この日にフランスの外務省の大臣、ロベール・シューマン Robert Schuman がフランス、ドイツ、その他のヨーロッパの国に、共同の経済市場を作ることを提案しました。
この提案が欧州連合ができた始まりです。ヨーロッパ市民(=欧州連合市民)全員でこの日を祝いましょう。
☆きょうのできごと:欧州連合の起源は?
欧州連合は1951年に始まりました。欧州の6カ国 – フランス、ドイツ、イタリア、ベルギー、オランダ、ルクセンブルグ – が石炭と鉄鋼を共同で生産管理することにしました。
第1段階:CEE*の発足
6年後の1957年、上記6カ国がローマ条約 le traité de Rome に調印。大きな共同市場が生まれました。
この市場で、参加国の生産したものをより簡単に販売したり、交換できるようになりました。。
第2段階:UEの発足
次第に他のヨーロッパ諸国も共同体に参加しました。
1992年にCEEには12カ国が参加。このときCEEという名前を今の欧州連合 Union européenne (UE) に変えました。
第3段階:ユーロの登場
1992年に欧州連合は参加国共通の通貨であるユーロを作ることにしました。2002年の1月1日から、これまで各国で使っていた通貨の代わりに、ユーロを使うことにしたのです。
フランスでは、フランの使用をやめユーロになりました。現在、17カ国でユーロが使われています。ユーロを使っている地域を「ユーロ・ゾーン zone euro」と呼びます。
第4段階:国境の撤廃
1993年に加盟国の国境がなくなりました。欧州連合諸国の中で、商品の流通を自由化しました。
また、欧州連合加盟国内の市民はその地域内を、自由に旅行したり、学校へ行ったり、働いたりできるようになりました。
2007年以来、27カ国、5億人の人びとが欧州連合に加盟しています。もっとも最近参加したのはブルガリアとルーマニアです。
欧州連合はどのような仕組みでしょうか?
加盟諸国は、欧州連合の利益のために少しだけその国の自治を放棄します。もはや、何もかもをその国だけで決めることはできず、欧州連合のルールを守る必要があります。
ヨーロッパ市民(=欧州連合市民)の法律を定めたり、代表しているのは誰ですか?
5年ごとに、参加27カ国の国民(ヨーロッパ市民)が欧州議会の議員を選挙で決めます。一番最近の選挙は2009年でした。
さまざまな決定が行われるおもな場所
・ブリュッセル(ベルギー)の欧州理事会 le Conseil européen :27カ国の首相が出席
・フランクフルト(ドイツ)の中央銀行: la Banque centrale : ユーロを管理
・ストラスブール(フランス)の欧州議会 le Parlement européen: 欧州連合の法律の立案、採決
欧州連合のシンボルは?
加盟国は共通の旗を持っています。青地の真ん中に、12の黄色い星が丸く並んでいます。
古代より12という数字は「完璧」の象徴です。
欧州連合の国歌はドイツの作曲家、ベートーベン(1770-1827)の歓喜の歌 l’Ode à la joie (交響曲第九番)です(pen注:後述の動画参照)。
ヨーロッパと欧州連合の違いは何ですか?
ヨーロッパと欧州連合を混同してはいけません。ヨーロッパは50カ国より成る大陸です。
きょうの単語
Europe ヨーロッパ
「ヨーロッパ」という言葉を使い出したのは、ギリシャ人です。2000年以上前のことです。ヨーロッパという名前のギリシャの女神もいます。
ヨーロッパの歴史は、第一次世界大戦、第二次世界大戦をはじめ数々の争いで揺れました。
そのような争いが残したものは大勢の人々の死と、大きな物質的な被害です。
戦後、フランスとドイツは、平和と民主主義と統一をヨーロッパにもたらすことにしました。この時、欧州連合が作られました。
元記事⇒https://www.1jour1actu.com/monde/deviens-incollable-sur-l%E2%80%99union-europeenne%E2%80%A6/ ☆記事が削除されたのでリンクをはずしました。
* CEE = 欧州経済共同体 = 英語の European Economic Community; EEC フランス語は通常後ろから形容するため、アクロニムは英語と微妙に順番が違います。
単語メモと補足
incollable (話)どんな質問にも答える、試験に落ちない
le charbon 石炭
l’acier 鋼鉄 (m)
la traité 条約
en place しかるべき場所[状態]に、準備が整って
faire partie de qc ~の一部をなす、~に属する
Cela fait partie de mon projet.
それは私の計画に入っている。
au profit de qn/qc ~のために
un coin (記憶、意識などの)片隅
dans un coin de sa mémoire 記憶の片隅に
votre une loi 法案を可決する
les principaux lieux 主な決定
☆principal/principaleとlieuの複数形に注意。-al で終わる形容詞 ⇒ -aux, lieu はXをつける。
réunir 招集する
gérer 管理する
un fond 背景、バック、地(じ)
l’Antiquité 古代文明 (f)
au cours de qc ~の間に、~の途中で
secouer 揺り動かす
※序数 première, seconde, troisième, quatrième
※「~にある」の3つの言い方
se trouver, être installé, être situé
※ l’Ode à la joie ベートーベーンの歓喜の歌
第4楽章 quatrième et dernier mouvement de la neuvième symphonie de Beethoven
3分30秒、弦楽四重奏です。
■欧州連合関連記事もどうぞ
2019年、欧州議会議員選挙の結果はいかに? 今回とりあげた記事より、難しめの記事をとりあげているので、物足りない人はこちらへどうぞ。
イギリスのテリーザ・メイ首相、ブレグジット発動の手紙に署名。
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Brexit(ブレグジット)ですが、脱退することを決めてから、数年、イギリスが議会でだらだらやっていて、ようやく、2020年の1月31日に脱退しました。
しかし、まだ、EUと交渉して、決めることがたくさんあります。Brexitしてすぐに、新型コロナウイルスが世界中を席巻したので、いま、Brexit関係の決めごとはすべて棚上げになっていると思います。
いろいろなことが棚上げになっているのは、イギリスだけではありませんが。
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