今週の「虎と小鳥のフランス日記」はアニエス・ベーのブティックで行われた、ある雑誌の出版記念パーティです。
マレ地区のそばのこの店は、rue du Jour にあるので、JOUR FEMME という名前です。婦人ものと子ども服を扱っています。
ここはブティックなので、もちろん服を買えるのですが、イベントのスペースとしても機能しており、ライブがあったり、お酒が飲めたり、2階はギャラリーになっているユニークな場所です。
美しい中庭にも、お酒を供するスペースがあり、ここもイベントの場所として使えます。
サンプルビデオでどんな場所かごらんください(映像のみ)。
★2015/01/24追記
「虎と小鳥のフランス日記」の配信が終了したため、サンプル動画も削除されました。あしからずご了承ください。
きょうのメニュー
3つの大切な表現
~が行われています
カミーユがブティックの説明をしています。2階にあがって
そして、2階では、近代美術の展覧会が行われています。
Et à l’étage on a le droit à une petite expo d’Art contemporain.
こんな絵がかかっていました。
このギャラリーのスペースはいろんな展覧会が行われています。
入場は無料です。1階でついつい服を買ってしまわないことが肝要です。
2ヶ月に1度
ゴンザイという雑誌の関係者にインタビュー
月刊誌なのかどうか聞かれて
だいたい2ヶ月に1度出ます。
Euh…il sort tous les deux mois à peu près.
出版する日は特に決まっていないようです。
アニメの「ルパン3世」出てきそうなこの人は、この雑誌のラジオ部門で働いているようです。
めいっぱいです
それがめいっぱいです。
A la force du poignet !
突然身を乗り出し、文字通り目をいっぱい開くルパン3世風の人。
インディペンデントな雑誌(un magazine indépendant)なので、このぐらいの発行ペースがせいいっぱいとのこと。
市場で最もすばらしい雑誌(Le meilleur canard sur le marché en ce moment)だそうです。
ちなみに、この日のパーティは4号出版記念でした。
表現の解説
avoir le droit à
Et à l’étage on a le droit à une petite expo d’art contemporain.
avoir le droit à
~がある、~に行く(参加する)ことができる
このdroitは「権利」
~の権利を持つ=~できる、というニュアンス
ここでは、「私たちは展覧会に行くことができる」
ちなみに、droitは「権利」の他に、スペルは同じですが、語源が違うため、意味が違うものがあります。
droit/droite まっすぐな(形容詞)
droit/droite 右の、右側の(形容詞)右、右側(名詞)
私は「右の」だと思いこんでおり、「2回の右手に展覧会があるのか?」などと、いう質問を向上委員会*でしておりました。
à l’étage
étage は家の1階をのぞく階;上の階
ここでは2階です。
フランス語では日本語の2階が1階です。詳しくは⇒第31話 グランマガザンのクリスマスのデパートの階の説明をどうぞ。
A la force du poignet
これはイディオムです。意味は「腕の力だけで;自力で;腕1本で、努力して」
poignetは手首、カフス
Il a acquis une fortune énorme à la force du poignet.
彼は努力して莫大な財産を築いた。
Mon père a arrivé dans la vie à la force du poignet.
父は腕1本で出世しました。
日本語では、「腕ひとつで「、とか「細腕で」と腕を使いますが、フランス語では手首なんですね。
bras(腕)を辞書で見たら、
à bras; à force de bras; à la force des bras
は、文字通り、「腕で、人力で」という意味でした。
Il a fallu transporter tout cel à bras.
彼はそれを全部手で運ばなければならなかった。
Gonzaiとは?
今回、登場した雑誌は「Gonzaï」(ゴンザイ)という「盆栽」のような「ぜんざい」のような名前です。これはいったいどういう意味なのか、この雑誌のサイトで調べてみました。
Gonzaï | Seul le detail compte
Gonzaï C’est Quoi ? にはこんなふうに書いてありました。
Dans « Gonzaï », on voit bien d’où vient la première partie du mot (de « gonzo », genre journalistique subjectif et speedé créé par Hunter S. Thompson).
Mais la terminaison vient-elle de « banzaï » (pour le côté rentre-dedans) ou de « bonsaï »(la devise du site : « Seul le détail compte ») ?
ゴンザイの最初の部分(Gonz)はどこから来たのか明らかである。それはハンター・S・トンプソンによって作られた、gonzo(ゴンゾ)という主観的で熱いジャーナリズムからだ。
しかし、おしまいの部分は banzaï バンザイ(あつかましい側面)または、bonsaï ボンサイ(このサイトのスローガン:ディテールのこだわる)から来たのか?
※単語
rentre-dedans あつかましく誘惑的な態度、押しの一手で
devise スローガン
雑誌の名前はゴンゾ・ジャーナリズムから来たようです。これは、上の文にもあるように、ジャーナリストが、報道する対象に直接かかわって、主観でする報道スタイルです。新聞の都合で書き換えたりはしません。平たくいえば、言いたいことを言うという感じでしょうか。
ザイ部分はバンザイかボンサイとありましたが、両方とも日本語ですよね。盆栽がディテールにこだわるのはわかるのですが、バンザイがどうして押しの一手なのか謎です。私が意味を取り間違えているのかもしれません。
テレビやラジオなどほかのメディアも使っているゴンザイ。2007年に創刊とありました。6年に4冊出版…。本当に2ヶ月に1度出ているのでしょうか?きっと編集長は本業のかたわらこの雑誌を作っていることでしょう。
★アニエス・ベー関連記事もどうぞ
⇒第123話 パリのファッション・ウィーク その1
⇒第124話 パリのファッション・ウィーク その2
それでは、次回の「虎と小鳥のフランス日記」の記事をお楽しみに。
*向上委員会=虎と小鳥のフランス日記向上委員会 他の人より一足先に次のエピソードを送ってもらい、質問などを送るグループ。この質問を参考にケンとティファニーが講義を作ります。
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