コラリー・クレモン(Coralie Clement)というフランスの女性シンガーの「影と光」という曲を紹介します。原題はL’ombre et la lumièreです。2001年に発表されたフレンチボサノバな素敵な曲です。
曲を作ったのはお兄さんのバンジャマン・ビオレー(Benjamin Bioley)です。
L’ombre et la lumière
それでは訳詞に挑戦。
Un beau jour
Ou était-ce une nuit
On s’assoit sur un banc
On décide de refaire sa vie
Et sous le firmament
On oublie les règles et les acquis
Et tous nos différends
Sont différents
天気のよい日
それとも夜だったかしら?
ベンチに腰をかけ
人生をやり直すことを決める
大空の下
ルールや常識は忘れる
私たちの争いごとはみんなもう別の話ね
Un beau jour
Une fin d’après midi
On vole aux quatre vents
Vers un ailleurs
Un atoll, un abri
Une rivière de diamants
On oublie les comptes et les débits
Les quoi, les où, les quand
Simplement, simplement
天気のよい日
午後も遅い時間
東西南北に飛ぶ
どこか別の場所に向かうの
さんごの島、安全なシェルター
ダイヤモンドの川
お金や売れ行きなんてどうでもいい
何をする、どこへ行く、いつにする
シンプルに、シンプルに
C’est l’ombre et la lumière
Ces petits riens qu’on aimait tant naguère
San Rémo, le printemps en fleurs
Au loin j’entends battre ton coeur
C’est l’ombre et la lumière
Les vacanciers qui partent aux sports d’hiver
Monaco, Venise où Honfleur
Plus qu’un rêve, un leurre
それは影と光
それは本当にささいなこと
以前はそういうことを考えるのが大好きだったわ
サンレモ、花の咲き乱れる春
遠くのほうであなたの鼓動が聞こえる
それは影と光
冬のスポーツに興じる観光客
モナコ、ベニス、それともオンフルール
夢より少しましな幻想
天気のよい日
それとも夜だったかしら?
ベンチで気づく
人生をやり直そうと思う
シンプルに忘れる
楽園を垣間見ただけ
海、自然の力
シンプルに、シンプルに
それは影と光
それは本当にささいなこと
以前はそういうことを考えるのが大好きだったわ
サンレモ、花の咲き乱れる春
遠くのほうであなたの鼓動が聞こえる
それは影と光
冬のスポーツに興じる観光客
モナコ、ベニス、それともオンフルール
夢より少しましな幻想
☆歌詞はこちらを参照しました⇒Coralie Clément – L'ombre et la lumière Lyrics | Genius Lyrics
☆2分14秒のところ、歌詞サイトでは s’assoitですが、ここはrevientと歌っているような気がします。
On revient sur un banc
On reprend le cours de sa vie
コラリー・クレモンのプロフィールはこちらで紹介。
お兄さんで敏腕プロデューサーのバンジャマン・ビオレーの曲も訳しています。
影と光の収録されているアルバムはこちら。
単語メモ
“il s’assoit”: “il s’assied” の別の形
refaire やり直す
refaire un calcul 計算しなおす。
refaire sa valise 荷造りしなおす
firmament 蒼穹、天空
acquis (習得した)知識、学識、経験
avoir de l’acquis 学識が深い
différend 意見の対立、いさかい、紛争
les quatre vents 四方位、東西南北
ailleurs 他の場所に
Si tu ne trouves pas tes lunettes ici, va chercher ailleurs. ここでメガネが見つからないなら、他を探したら?
atoll 環状サンゴ島、環礁
abri 避難所
diamant ダイヤモンド
compte 計算、勘定、銀行口座、売上
débit 借方
rien ごくわずかなもの、瑣事、くだらないもの(★後続の語とリエゾンしない)
Un rien lui fait peur. 彼は何でもないことを恐れる
naguère Il n’y a guère (de temps)の略 (文)少し前;(誤用で)かつて
vacancier (海や山で)休暇を過ごす人、バカンス客、行楽客
leurre (鷹狩り用の赤革製の)おとり、ルアー;ごまかし、幻想
cours (時、物事の)流れ、経過、推移
le cours de saisons 季節の移り変わり
éléments 複数形で自然の力
quatre éléments 四大元素(土、水、火、空気)
オンフルール(Honfleur)とは?
モナコとベニスは有名ですが、オンフルールはそうでもないですね。
オンフルールはノルマンディー地方にある古い港町で観光名所です。フランス北西部、カルバドス県、イギリス海峡に注ぐセーヌ川の河口南岸ににあります。
旧港付近には歴史的建造物がたくさん残っています。
ここは画家のウジェーヌ=ヴーダンや作曲家のエリック・サティの生地です。美しいので印象派の画家が旧港のあたりを絵の題材にしました。
こんなところです。動画の長さは2分ほど。
最後に出てくる橋は対岸のル・アーヴルとの間にかかっているノルマンディー橋です。1995年に作られた橋なので近代的な見かけです。
エリック・サティはこちらで紹介。
「光と影」は今からちょうど5年前の2012年の1月から3月まで、NHKのラジオ講座、「まいにちフランス語」の応用編のエンディングテーマとして使われていました。
エッセイストのドミニク・ローホーへのインタビューを題材にした、北村亜矢子先生とセバスティアン・ジャフレド先生の「Vivre avec simplicité 〜ドミニック流シンプルライフに学ぶ一歩先のフランス語」という番組です。
一歩先のせいか、当時聞いたときは、難しすぎて、1回で投げました。今聞いてみたところ、ちょうどよい感じで、聞き取りの勉強になりそうです。
この記事へのコメントはありません。