楽譜

フレンチポップスの訳詞

マキシム・ル・フォレスティエのかわいい曲、『小さなフーガ』の訳詞

マキシム・ル・フォレスティエの La Petite Fugue ラプティットフューグ という曲をご紹介します。邦題があるのかどうかわかりませんが、そのまま『小さなフーガ』としました。

「春になると、昔、友だち3人で演奏していた小さなフーガのことを思い出すよ」という歌です。

1969年に1度発表され、90年代に再レコーディングされています。
こちらは新しいほうの録音です。

La Petite Fugue 小さなフーガ

タイトルどおり、クラシカルな曲ですね。

それでは和訳に挑戦!

☆C’était toujours la même
Mais on l’aimait quand même
La fugue d’autrefois
Qu’on jouait tous les trois

On était malhabiles
Elle était difficile
La fugue d’autrefois
Qu’on jouait tous les trois

いつも同じだった
それでも僕らは大好きだった
昔のフーガ
いつも3人で演奏していた

僕らの演奏はへたくそだった
難しかった
昔のフーガ
いつも3人で演奏していた☆

エレオノールがピアノでテーマを奏でた
その演奏があまりに美しかったから
僕らは手を動かすのを忘れて聞き入った
彼女は突然弾くのをやめて僕らを見つめた
ピアノの椅子の上からね
そして、ミ・ファ・ミ・ファ・ミ・レとまた始めて、と言った

☆~☆ 繰り返し

きみ、思い出してよ。床に投げ出されたバイオリンのことを
いつも床にあったよね
ニコラがそのヴァイオリンでフラットを弾こうとすると上手くいかなかった
隣の人たちが、ぞろぞろ歩いて来始めたら
それは食事の時間
バイバイ、バッハ。また次の木曜日に

☆~☆ 繰り返し

或る日、エレオノールが家を出た
音叉を持っていった
その日以来、僕らのヴァイオリンはもう音があわなかった
僕らも次々に離れ離れになって
残ったのはあのフーガだけ
でね、僕があのフーガを聴くのはいつも春なんだ

☆~☆ 繰り返し

歌詞はこちらです⇒Maxime Le Forestier – La Petite Fugue Lyrics

単語メモ

malhabile 不器用な

du haut de qc ~の上から

tabouret (背、肘掛けのない)腰掛け、スツール

gênait < gêner 邪魔をする

bémol フラット♭⇔ dièse シャープ ♯

diapason 音叉 調子笛

s’accorder 調和する

l’un(e) après l’autre 次々に

se disperser 散り散りになる

音叉(おんさ)とは?

音叉は聴音するための道具です。左の金属の棒でUの字型のをたたいて出た音で、楽器をチューニングします。英語ではtuning fork といいます。

音叉(おんさ)

マキシム・ル・フォレスティエ

1949年生まれのフランスのシンガーソングライター。父親が英国人、母親がフランス人です。1965年にお姉さんのカトリーヌとデュオを組んで、パリのキャバレーで演奏を始めます。16歳の時ですね。

このとき、ジョルジュ・ムスタキと知り合い、ムスタキの曲をカバーします。その後マキシムはソロで活動を開始。1972年に Mon frère というアルバムでソロデビュー。現在も活動しています。

ジョルジュ・ムスタキ⇒歌と訳詞:3月の水~ジョルジュ・ムスタキ その1

マキシムにはたくさんの曲がありますが、代表曲は San Francisco これは、1971年に、サン・フランシスコで休暇を過ごしていたときに作った歌です。このとき、マキシムはアレン・ギンズバーグに出会って、インスピレーションを得ました。

こちらで歌詞を訳しています⇒マキシム・ル・フォレスティエのサンフランシスコ(歌と訳詞)

La Petite Fugue カトリーヌ・ル・フォルスティエのバージョン

この曲の歌詞は、マキシムとお姉さんのカトリーヌの共作です。

バックのコーラスはマキシムです。アコースティックギターとフルートがフィーチャーされ、こちらもいい感じです。

やさしくて、きれいで、あたたかみのある声ですね。

マキシムの曲で日本で1番知られているのは、1972年の Éducation sentimentale エデュカシオンソンチモンタール 『感情教育』ではないでしょうか?フローベールの小説のタイトルと同じですが、歌の中身は関係ないと思われます。

こちらもとてもきれいな曲です。

マキシムは子どものころ、バイオリンを習っていたので、クラシカルな曲調が多いのかも。この曲も近々訳したいと思います。

『感情教育』は、70年代にテレビドラマの『おおヒバリ!』という学園ドラマのオープニングテーマに使われていました。

タイトルに「教育」とついているからこの曲を選んだのでしょうか。このテーマ曲のおかげでドラマのイメージが120%ぐらいアップしてました。

『感情教育』の入っているデビュー・アルバムです。

ちなみに、タイトルの「おおヒバリ」は学園の理事長がよく歌うメンデルスゾーンの歌です。

メンデルスゾーンはドイツ人ですから、オリジナルはドイツ語です。

Lerchengesang(ひばりの歌)というタイトルで、かわいいヒバリの歌声をきくと、とてもうれしい、私もヒバリと一緒に歌ってしまう、そして大空に舞い上がり、雲をつきぬけ、太陽まで飛んで行くわ、といった歌です。

こちらもとても春らしい歌です。

このドラマ、私は再放送で見ていましたが、北大路欣也、古谷一行、島田陽子、秋野暢子、葦原邦子、穂積隆信、名古屋章、高橋洋子と有名な役者さんがいっぱい出ていました。木内みどりや竹田かほりは生徒役だったかな。

今思うと70年代のドラマって配役が豪華ですね。






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