『マリー・アントワネットに別れをつげて』という映画の予告編を勉強しました。
オリジナルのタイトルは« Les adieux à la reine » 2012年のフランス映画です。監督はブノワ・ジャコ。
日本でも2012年の暮れから今年のお正月にかけて公開されましたので、ごらんになった方もいらっしゃるでしょう。
マリー・アントワネットに別れを告げて
では、予告編をごらんください。これはアメリカむけ予告編なので、英語の字幕が入っています。
2分28秒
きょうは55秒まで、チェックします。
Versailles 1789
1789年 ヴェルサイユ
Dépêchons-nous!
急いで!
Ah ! Mademoiselle Laborde, et de si tôt matin ! Comment vous dire
ma gratitude ?
ああ、ラボードさん、こんなに朝早くから。どうやってお礼を言ったらよいのかしら。
Faut avouer qu’il fait un beau jour.
Aussi, y a-t-il longtemps que nous nous promenons…
Aussi, le plaisir d’être avec vous…
天気のよい日です(←天気のよい日だと言わねばならない)
そして、私達が散歩をしてずいぶんたちます。
そして、あなたと一緒でうれしいです。
Je voulais vous poser une question. Avez-vous déjà été attirée par
une femme ?
質問をしてよいかしら。あなた、女性に惹かれたことありまして?
Vous connaissez la Duchesse de Polignac ?
Tout le monde à la cour connait Gabrielle de Polignac.
On dit que la Reine s’en est amourachée et que ses mœurssont des plus libres.
ポリニャック公爵夫人を知っていますか?
宮廷中がガブリエル・ドゥ・ポリニャックを知っていますよ。
王妃は、彼女に夢中のようですね。あの人達はずいぶん自由にふるまっておられる。
Vous savez ce qui me fait le plus de peine, Monsieur Moreau ? C’est toute cette malveillance autour de la reine.
Si jeune et déjà aveugle…
私をもっとも悲しませることは何かご存知ですか、モローさん?
それは王妃があれこれ反感を持たれていることです。
そんなにお若いのに、もう盲目でいらっしゃる・・・
単語メモ
s’amouracher ~に夢中になる、惚れる
mœurs 素行、品行
faire de la peine à ~は人を悲しませる
Ça me fait de la peine de la voir si malheureuse.
彼女があんなに不幸なのを見るのはつらい。
malveillance 悪意、敵意、反感
この映画の主人公は王妃の家来のシドニー・ラボード。本を読むのが仕事のようです。彼女はすっかり王妃に魅せられています。だから、aveugle(盲目だ)とモローさんから言われます。
タイトルの adieux は adieu の複数形です。
ちなみに、adieu は à Dieu(神のもとに)という意味で、「さようなら」と言ってる側には「もう二度と会えない」という気持ちがあります。
これに対して、Au revoir は revoir(再び会う)とあるように、「また会いましょう」という別れの言葉です。
★後編はこちらから⇒映画『マリー・アントワネットに別れをつげて』予告編のフランス語~後編
これは原作の翻訳です。
補足情報
マリー・アントワネット
マリー・アントワネット(1755-1793)は私自身もこんな風に扮装しておりますが、
フランス国王ルイ16世の王妃でフランス革命のとき、ギロチンにかけられた悲劇の王妃、と呼ばれている人。
くわしくは⇒ついに叶った!?マリー・アントワネットになる夢
ほかにマリー・アントワネットについてたくさん記事を書いています。
⇒「ベルサイユのばら」の新作が週刊マーガレット創刊50周年記念号に
⇒「ベルサイユのばら」の新作を再掲載~週刊マーガレット第13号
ポリニャック公爵夫人とは?
ポリニャック公爵夫人(1749-1793)はマリー・アントワネットの取り巻きの一人です。
彼女は、衰退しつつある嫁ぎ先のポリニャック家を立て直すために、マリー・アントワネットに近づき、見事、気に入られます。
ご主人ともども、たっぷりお金をもらい贅沢をしていました。
しかし、フランス革命が始まると、王妃を見捨てて、さっさとウィーンに亡命し、そこで急死。
これがウイキペディアに書いてあったこと。
一方で、こんな説もあります。
ポリニャック夫人は、とても美しく、知性があり、性格もよい人でした。宮廷に出向いたとき、王妃に気に入られ、後に孤独な王妃の大切な親友となります。ご主人も自分も高貴な家の出で、教養はありましたが、貧乏でした。
王妃はポリニャック夫人をそれは気に入り、それまでの取り巻きからは距離を置き、彼女と親しくします。また金銭的援助もしました。そのためポリニャック夫人は周囲からひじょうに嫉妬されていました。
革命が始まると、王妃は親しい友人に亡命するようにすすめます。ポリニャック夫人もその一人でした。
たぶんこっちが正しいのではないかという気もしますが、本当のところはわかりません。
マリー・アントワネットに別れを告げて、日本向け予告編
日本用の予告編です。内容を見せすぎかも?
1分40秒
日本語の字幕がついているといきなりわかりやすくなりますね。
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