湖にて沐浴

フランス語入門日記

トリュフォー監督の Les mistons(あこがれ)のmistonとは?~入門日記第9回

きょうも私がフランス語を始めたばかりの頃の日記をご紹介します。

そのころのメインの教材は
・ラジオ講座(パソコンのストリーミング放送を利用)
東外大言語モジュール|フランス語

の二つでしたが、少し目先を変えるために、トリュフォー監督の映画のタイトルを調べながら、語彙を覚えようとしていました。

きょうはトリュフォー監督の処女作は『ある訪問』の続きです。

フランス語独学日記

2009年6月15日

二つ目の映画のタイトルは Les mistons 1957年。
mistons を辞書で調べたらのってなかった(注)。私の辞書は初心者むけの学習辞書なので、べつの辞書でひいてみる。

「フランス語 – フランス語学習者の情報源・勉強法: 外国語広場(★2014/10/15追記:リンク先にページが表示されなくなったので、リンクをはずしました。)」にのっている仏英で調べてみることにした。

まず、

Dictionary definitions you can understand – YourDictionary

でひいたら、のっていなかったので、

Googleで検索したら、Wikipedia(英語)にこの映画のエントリーがあり、mistonsというのはだいたいbratsという意味、と書いてあった。

bratというのは悪がきと訳せるだろうか。甘やかされて育って子ども、という感じ。生意気なティーンエイジャーなどもbratsと呼ばれるが、それほど悪意をもって使われない場合も多い。

mistonsについているlesは複数形につく不定冠詞。

あらすじをGに訳してもらったら、ニームで、一組のカップルのベルナデットとジェラルドを悪がきたちが追いかけて、ジェラルドのいないすきに、ベルナデットにいやらしい絵葉書を送った。ある日、彼らはジェラルドが山で遭難したことを知る、というふうだった。

絵葉書のところは原文は
une carte postale obscène
である。

このあらすじの中で見覚えのある単語は

un couple  あるカップル
un jour    ある日
le journal   とある新聞
en montagne 山で。enはまだテキストに出てきてないが、前置詞かなと思う。山に冠詞がついてないのが気になる。一ヶ月半の勉強をした印象では、フランス語では、とにかくどんな名詞にも冠詞をつけているような気がするのだが。

あらすじを見た限りではたいした映画ではなさそうなのだが(失礼)、フェスティバルでいくつか賞をとっているようだ。

これも noir et blanc
durée は23分。

この映画は原作があり、Truffautが脚本を書いている。Googleで検索をかけたら、動画があがっているようなので見てみようと思う。23分と短いし。

〈古い日記の引用はここまで〉

(注)この時使っていた辞書は仏英辞書です⇒初めて買った辞書:Oxford Learner’s French Dictionary

このあと、動画で映画を見まして、その感想が1278字にわたってだらだらと書いてあります。

さて、当時はまだ勉強を初めて二ヶ月もたっていなかったので、辞書のひき方を含め、もろもろの調べ方があまりうまくありませんでした。

miston は愛用のプチ・ロワイヤルにはのっていませんが(しかし、mistoufle 意地悪、いたずら はのっています)、電子辞書でほかの辞書をみたら、のっていました。

ロワイヤル仏和:(話・方)小僧、小娘
ロベール仏和大辞典:古・話)小僧、小娘、餓鬼[?;←miste 優しい(mistigri]
Petit Robert仏仏辞典:miston, onne n. -1790 individu, type ◇origine inconnue FAM.et RÉGION Gamin, gamine

ニームは南フランスなので、南仏でよく使われる言葉なのかもしれません。

一度、フランス人のブログでこの言葉を見たことがあります。ミストン・・・マイナーな言葉ですが、かわいいフランス語の人間部門のリストに入れようと思います。

前作の「ある訪問」は試作品のようなものですので、この映画が監督の処女作とされています。17分ぐらいの短篇(オリジナルからカットされたようです)で、YouTubeに映画字幕のも、日本語字幕のものもあります。

すでにこのころから、トリュフォータッチというものがしっかりあります。昔の映画なので、ナレーションなどゆっくりめだし、聞き取りやすいです。

ちなみに邦題は「あこがれ」と、きれいにまとめてありますが、ちょっと感じが違うかもしれません。

このDVDに入っています。

この写真、何かわかりにくですよね?「大人は判ってくれない」でアントワーヌが牛乳盗むところなんですけど。もうちょっとほかの写真はなかったんでしょうか・・・。

このシリーズのほかの記事
● フランス語を始めたばかりの頃

● フランス語を始めて二ヶ月たった頃

● 初めて買った辞書:Oxford Learner’s French Dictionary

● 初めて買った教材はラジオ講座のテキスト

● ラジオ講座を聞き始めたものの・・

● トリュフォー監督のお世話になることを決意

トリュフォー監督の処女作は『ある訪問』

入門日記第10回はこちらから⇒続・トリュフォー監督の Les mistons(あこがれ)のmistonとは?

きょうの豆知識:南仏のニーム

この映画の舞台のニーム«Nimes»は、ガール県にある、ローヌ川下流の平野にある商工業都市。アヴィニョンの西、モンペリエの北東です。アヴィニョンから日帰りで行けるそうです。

紀元前120年にローマに征服され、属州の都市となりました。よって、古代ローマの橋、神殿、円形劇場など古代ローマ人が作った建築物が残っています。みんなは2000年前に建設されたってことですね。

トリュフォーの映画にもこの円形劇場が出てきます。

1世紀に建設された、水道橋、ポン・デュ・ガール«Pont du Gard»は、世界遺産です。この橋はローマ人が作った世界で二番目に高い建物です(1番目はコロシアム。)街を城壁で囲って、この橋で水をひいていました。

ポン ドゥ ガール
File:Pont du Gard Oct 2007.jpg – Wikipedia, the free encyclopediaより

今さらですが、ローマ時代はすごい昔のことなのに、高い技術を持っていたんですね。こういう建物の保存状態がいいのにも驚いてしまいます。

風車小屋便り(Lettres de mon moulin 1869)で有名な、作家のドーデ(Daudet, Alphonse 1840-1897)はニーム出身です。彼は17歳のときには、パリに出てるんですが、その後、故郷には帰らなかったのでしょうか?

こちらは、ニーム紹介ビデオです。

もう少し水道橋をじっくり見せてほしいのですが、手頃な長さのフランス語のビデオは意外にないのです。

では、次回のこのシリーズをお楽しみに。






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