フランスの2月はカーニバルのシーズン。今回はカーニバルの起源を紹介します。カーニバルはフランス語では carnaval カルナバルといいます。
カーニバルは、マルディグラ(謝肉の火曜日)と呼ばれる日に最高潮を迎えます。2020年のマルディグラは2月25日です。
なぜ、まだまだ寒い時期にお祭りをするのでしょうか?
FrenchPod101のイングリッドに教えてもらいましょう。いつものように和訳を書きます。
カーニバルの歴史
みなさん、こんにちは。イングリッドです。
もし、仮装がお好きなら、きょうの話題はあなた向きです。
2月から3月にかけてフランス人にとても人気のお祝いがあります。人々はパレードをし、いつもとは違ったデザートを食べます。
このお祝いには2つ名前があります。カーニバル、またはマルディグラです。
このレッスンでは、マルディグラを祝う理由と、お祝いの仕方を学びます。
☆クイズタイム
Savez-vous ce que les Français cuisinent et dégustent comme patisseries à l’occasion du Carnaval ?
カーニバルのとき、フランス人がどんなスイーツを作って食べるか知っていますか?
動画の最後で答えをお教えします。
マルディグラはいつ?
カーニバルの起源は、古代ローマ時代の自然の再生をお祝いする大きな行事にさかのぼります。その後、フランスの人々がキリスト教徒になったあとも、冬の終わりをマルディグラとしてお祝いすることを続けました。
マルディグラはイースターシーズンの幕開けです。この時期は、キリスト教の暦ではきわめて重要です。
マルディグラは四旬節の直前です。四旬節は40日間の断食の期間で、イエスが荒野で祈りの時期を過ごしたことにちなんでいます。
四旬節は水曜日に始まり、直前の火曜日がマルディグラです。油ものを食べることができる最後の火曜日なのでこう呼びます。
マルディグラのお祝いはこんな感じ
マルディグラはフランス人にとっては仮装をする機会です。この伝統は、中世に当日、衣装を変えて役割も反対にすることから始まりました。
貧しい人は王様に仮装し、男性は女性に仮装しました。
現代では、フランスの子どもたちはみな、カーニバルの日は仮装をして学校に行きます。高校でも、コスチュームを着て通学できます。
さまざまなフランスの都市で、花車のパレードや仮装行列があります。
今日、もっともフランスで有名なカーニバルはニースのものです。このカーニバルは中世から行われています。
ニースのカーニバルは毎冬、2月に2週間、毎年違うテーマで行われます。パレードには花車が20個出て、花のコンテストも行われます。どの花車がもっとも美しかったのか競うのです。
花車は夜のあいだに摘んだ新鮮な花で飾られます。翌朝、パレードが始まり、参加者は仮装し、花を一つかみ、観客に向かって投げます。
☆ファンファクト
パリではカーニバルが5世紀続き、世界でも最も大きなものの1つでした。ところが、1914年に戦争のため停止し、忘れ去られていました。けれども1998年から再開され、人気を博しています。
では最初に出したクイズの答えです。
カーニバルでは、フランス人はリッチで甘いおやつを食べます。伝統として、最後の卵を使い切ります。四旬節の間は食べられないからです。
よって、カーニバルの名物のおやつは卵を使ったベニエやビューニュ、フリッターです。
このレッスンはどうでしたか? 何かおもしろいことを学びましたか? あなたの国にはカーニバルがありますか?どんなお祝いをしますか?
FrenchPod101.comにコメントを残してください。それではまた。
単語メモ
Mardis Gras マルディグラ。直訳は油の火曜日。
par la suite 後に、あとで
à travers qc ~を通じて
pascal 復活祭の
carême 四旬節 キリストが荒野で40日間断食したのを記念する悔悛の期間。四旬節の最初の日が「灰の水曜日」です。
jeûne (宗教上の)断食、断食節、カトリック教会の大斎(たいさい)
char 花車、山車(だし)
se dérouler 繰り広げる
manifestation 一大行事
s’affronter 相争う
poignée 一握り、一つかみ
tomber dans l’oubli 忘れられる
カーニバルに関しては、別の記事でもふれていますので参考にしてください。
カーニバルの語源は「肉を断つ」
イングリッドの動画は、学習者向けに簡単なフランス語と構文で構成されています。
もう少し複雑なフランス語で(しかしとても聞き取りやすいです)説明しているカーニバルとマルディグラの歴史をごらんください。
ニースのカーニバルの様子も出てきます。
動画に出てきますが carnaval の語源は carne(肉)を leavre(断つ)です。
昔の人にとって、信仰や宗教はとても大切だったので、四旬節には肉や乳製品といった動物性食品は食べませんでした。
昔は冷蔵庫がないので、四旬節の前に卵を使い切っていたのです。しばらく節制しないといけないので、マルディグラで大騒ぎして楽しみます。
カーニバルは無礼講で、身分、性別、人間と動物の区別はつけず楽しむためにマスクをつけ、仮装しました。
それだけふだんの生活は身分できっちり分けられていたのでしょうね。
2020年のイースター関連カレンダー
四旬節は40日ですが、日曜日を数えないので実際は46日です。マルディグラはイースターの47日前です。
今年、2020年のイースター関連のスケジュールは以下のとおり。
2020年2月25日 – Mardi gras
2020年2月26日 – Mercredi des cendres 灰の水曜日
2020年2月26日から2020年4月9日 Le Carême 四旬節
2020年3月25日 – L’Annonciation お告げの祭日。マリアに受胎告知があった日。この日は毎年同じです。
2020年4月5日 – Dimanche des Rameaux 棕櫚(しゅろ)の日曜日。復活祭直前の日曜日で、キリストが受難の前にエルサレムに入ったことを記念する日。
2020年4月9日 – Jeudi Saint 聖木曜日。復活祭前の聖週間(四旬節の最終週)の木曜日。
2020年4月10日 – Vendredi Saint 聖金曜日。キリストの復活直前の金曜日。キリストの十字架上での死を記念する日
2020年4月12日 – Pâques イースター(復活祭)。キリストの復活を記念する日。春分のあとの最初の満月の次の日曜日。
2020年4月13日 – Lundi de Pâques イースター・マンデー
なかなか忙しいです。
私は信心深いほうではないのですが、フランス文化には、カトリックの伝統が大きな影響を与えているので、ごく簡単でいいので知っておいたほうよいと思い、こんな記事を書いています。
それにしても、イングリッドは行事を紹介するたびに、「この日はフランス人はごちそうを食べる日です」と言っている気がします。
ですが、フランスにはアメリカのように肥満の人はそんなに多くありません。
あまりにも食べることが好きだから、おやつを食べないせいだと思います。おやつを食べると、本番の食事がおいしくないのでスポイルしたくないのです。
食事は食事の時間にガッツリ食べ、それ以外の時間は物を口にしないのではないでしょうか?
フランスはグルメの国なので、マックでジャンクなものを買ってきて適当にお昼をすませるなんてしないのでしょう。
最近は違うかもしれませんが。
昔「ELLE」という雑誌の日本語版で、フランス家族の1日の食事をおった記事を読んだことがあります。平日のメニューは、意外に質素で、おやつも食べていませんでした。
しかし週末になると料理好きなご主人が何時間もかけてうさぎの料理を作っていました。
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