『奇跡のひと マリーとマルグリット』というフランス映画の予告編のスクリプトでフランス語を学習しています。
原題は、Marie Heurtin(マリー・ウルタン)。19世紀末のフランス。生まれつき目が見えず、耳が聞こえず、口がきけないマリーが、聾唖の少女を受け入れている修道院に連れられてきました。
マルグリットというシスターが、自分の生涯をかけてマリーに手話を教えることを決意します。
『奇跡のひと マリーとマルグリット』予告編のスクリプトと和訳
予告編はこちら。字幕と手話つきです。
映画の概要は前編の記事をごらん下さい⇒『奇跡のひと マリーとマルグリット』(前編)~予告編のフランス語
今回は33秒から最後まで
Et comment vous, vous y prendriez-vous ?
La Langue des Signes !
Mais elle est aveugle !
Je lui ferai les signes dans la main.
Cette petite est sourde et aveugle de naissance, à force…sont intelligence s’est certainement racornie.
Oui, mais si son intelligence est restée intacte ?
Couteau…
Couteau !
Ma mère !!!
Mais là elle signe le mot «couteau», ma Mère !
どうやってわからせるつもりなの?
手話で。
でも彼女は目が見えないのよ。
手のひらを使って手話を教えます。
あの子は生まれつき目が見えないし耳も聞こえないのよ。たぶん知能も失われているわ。
そうかもしれません。でも、もしちゃんと知能が残っていたとしたらどうでしょう。
ナイフ
ナイフ!
シスター!
マリーが手話で「ナイフ」と。シスター。
Et avec vos problémes de santé…
Mes poumons causeront certainement ma mort, mais enfin d’ici-là…j’aurai terminé ma tâche avant de quitter ce monde.
Elle vous dit qu’elle est contente et…et qu’elle vous aime.
Je t’interdis de mourir.
Je suis tellement heureuse… elle est ma joie…elle est la fille de mon âme…la lumière de ma vieé
あなたの健康上の問題は・・
私の肺は不治の病に冒されていますが、その時までには…死ぬ前に、自分の役目は果たすつもりです。
マリーは幸せであなたたちが好きだと言ってるわ。
死んじゃだめよ。
私はとっても幸せ。マリーは私の喜び。マリーは私の魂の娘。私の人生の灯火だわ。
単語メモ
à force 繰り返しているうちに、とうとう、しまいには
A force, il a fini par y arriver.
繰り返すうちに、とうとう彼はそれに成功した。
racornie 固くなった、干からびた、角質化した
poumon 肺
causer ~の原因となる、引き起こす
d’ici là 今からその時まで
今回のお話
マルグリットシスターは院長の反対を押し切って、マリーの教育をしようとします。
マリーは三重苦なので、自分の手と彼女の手を使い、愛情をこめて抱きしめ、スキンシップしながら手話を教えるのです。
野生児マリーは食卓につかせるのも一苦労。しかし決してあきらめないマルグリットシスター。
ついにある日マリーはcouteau (ナイフ)と手話で語ることに成功します。
マリーの話はヘレン・ケラーの話と似ています。実際年齢も似ていて、マリーは1885年生まれ、ヘレン・ケラーは1880年生まれ。
ただマリーは生まれつき三重苦でしたが、ヘレンは2歳のときに病気で高熱を出した後遺症で、三重苦になりました。またヘレンの両親は金持ちだったので、家庭教師を雇うことができました。
ヘレンが5歳のとき、当時20歳だったサリヴァン先生がヘレンのお屋敷にやって来ます。
サリヴァン先生はその後50年に渡ってヘレンのよき友であり師であったわけですが、マルグリットシスターは不治の病にかかっていました。
自分がもう長くないから、よりいっそうマリーの教育に情熱を傾けることができたのかもしれません。
『奇跡のひと マリーとマルグリット』メイキングの抜粋
YouTubeにこの映画のメイキングの抜粋がいくつかありました。
マリーを演じた人は実際にろうあ者です。監督の演技指導はすべて手話で通訳して伝えています。彼女はふつうの(というのも変ですが)ろうあ者なので、目は見えます。
でも目が見えないマリーをすごくうまく演じていますね。
日本市場向けの予告編
日本では2015年の初夏に公開されました。
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「愛と信念があればなんでもできる」そんなことを教えてくれる映画ですね。それでは次回の映画の記事をお楽しみに。
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