ボジョレー・ヌーヴォー

フランスにまつわるあれこれ

なぜボジョレー・ヌーヴォーは人気があるのか?

毎年、11月の第3木曜日はボジョレー・ヌーヴォーの解禁日です。

なぜ、このワインはこんなに人気があるのでしょうか?

ボジョレー・ヌーヴォーの人気が定着した理由を説明している動画を紹介します。

ボジョレー・ヌーヴォー

3分51秒。

あまりおいしくもないボジョレー・ヌーヴォーがここまで人気があるのは、たくみなマーケティングによるものだ、という主旨です。

解禁日を11月21日としっかり決めたのもよかったですね。

そのように制限されると、制限された物の価値があがりますから。

トランスクリプション

C’est un vin rouge français. Il vient d’une région située au nord de Lyon. Il est très jeune, n’a macéré que 3 ou 4 jours, fermenté pendant quelques semaines seulement et ne se conserve pas plus de six mois.

Et, comme c’est un vin que l’on boit juste après les vendanges, c’est un vin primeur.

Oui, je vous parle du Beaujolais nouveau, ce vin qui est commercialisé tous les ans, le troisième jeudi du mois de novembre.

Cette année, ça tombe le 21.

Si les uns trouvent qu’il n’est pas si mauvais que ça, les autres affirment qu’il est imbuvable.

Le chanteur Eddy Mitchell aurait même dit : « Les bonnes années, il nettoie le carrelage, les mauvaises, il le raye !

Vous l’aurez compris, le Beaujolais nouveau n’est pas un grand vin. En revanche, tout le monde s’accorde à dire que c’est un vin convivial !

Comprenez par là, une boisson bon marché pour s’enivrer avec des amis à un moment de l’année un peu sombre entre la Toussaint et Noël.

L’engouement autour de Beaujolais nouveau est assez récent.

Dans les années 50, c’est tout juste un modeste vin primeur que l’on boit dans la région lyonnaise.

Petit à petit, il se vend en dehors de sa région d’origine. Mais le vrai décollage, le grand lancement parisien du Beaujolais nouveau, arrive en 1975.

Un député du Beaujolais réussit à convaincre le président de l’Assemblée nationale de baptiser le Beaujolais nouveau dans les salons de l’Assemblée.

Le parrain et la marraine de cet événement relayés par la télévision sont les chanteurs Georges Brassens et Mireille Mathieu, choisis pour toucher des milieux très différents.

Après cette consécration, le cirque médiatique s’emballe.

Tous les ans, des dégustations sont organisées à la télévision, dans les bistrots parisiens, dans les gares, dans les aéroports, au Forum des Halles ou simplement dans la rue.

C’est la fête, c’est la liasse populaire et un formidable prétexte pour boire ! Petit à petit à grand renfort de manifestations publicitaires, le Beaujolais nouveau inonde le monde entier. Le spectacle est total.

Course d’automobiles de collection pour acheminer des bouteilles, marathons, rallye avec avions privés, hélicoptère et parachutistes.

En 1998, on roule des tonneaux de Beaujolais nouveau sur la Grande muraille de Chine. Un an plus tard, ce sont des ours dressés qui les poussent sur la Place Rouge à Moscou.

Au Canada, les danseuses du Moulin Rouge escortent l’arrivage, etc., etc.

Quelques jours avant la date fatidique, camions, trains, bateaux et avions acheminent des centaines de milliers de bouteilles aux quatre coins de la planète.

Le monde entier est prié d’attendre frénétiquement sous des affiches proclamant : « Le Beaujolais nouveau est arrivé ! » en français dans le texte, mercredi minuit, pour pouvoir déboucher dans une atmosphère électrique la première bouteille de l’année.

C’est la loi, ça crée l’événement et c’est sans doute le plus grand atout de ce petit vin auquel on n’a pas laissé le temps de grandir.

Et oui ! Un vin qu’on peut vendre tout de suite après les vendanges renfloue les caisses beaucoup plus vite qu’un vin qui doit se bonifier avec le temps.

Les plus grands buveurs de Beaujolais nouveau avant les Américains et les Allemands sont les Japonais qui ont d’ailleurs l’immense privilège d’être les premiers au monde à pouvoir boire le premier verre à cause du décalage horaire.

Qu’ils payent 25 euros une bouteille, qui en vaut 4, peu importe, it’s so french !

Mais comme souvent, le succès commercial a un revers.

La réputation de vin… pas très sérieux a déteint dans l’esprit des consommateurs surtout le reste de l’appellation Beaujolais donc sur des grands crus qui n’ont rien à voir avec ce pur produit du marketing qu’est le Beaujolais nouveau. Dommage !

トランスクリプションの引用元⇒ http://www.linguo.tv/video/180/le-beaujolais-nouveau-une-invention-marketing-recente Linguo.tv – Apprendre le français avec des sous-titres de vidéos 字幕を書き起こしました。(☆2022/07/27 リンク切れになるのでリンクをはずしました)

和訳

それはフランスの赤ワインです。リヨンの北の地方からやってきます。

とても若いワインで、3~4日しか漬けられず、数週間熟成して、半年以上持ちません。

収穫の直後に飲むので、できたてのワインです。ええ、ボジョレー・ヌーヴォーの話をしています。毎年、11月の第3木曜日に発売されます。

今年は21日です。

このワインはそんなに悪くないと言う人がいる一方で、飲めたものじゃないという言う人もいます。

エディ・ミッチェルは、こんなふうに言ったとか。「よくできた年は、タイル張りの床をきれいにできるが、悪い年は、床にすり傷をつけてしまう」。

おわかりでしょう。ボジョレー・ヌーヴォーは本格的なワインではありません。それは皆で楽しむためのワインだと、全員の意見が一致しています。

このワインは万聖節とクリスマスの間のやや暗い時期に、友だちと酔っ払うのに手頃なワインなのです。

ボジョレー・ヌーヴォーで大騒ぎする現象はごく最近始まりました。1950年代は、リヨン地方でのみ飲まれていたつつましい初物(はつもの)のワインでした。

次第に、原産地以外のほかの地方でも飲まれるようになりました。人気が急上昇したのは、1975年に、パリに上陸してからです。

ボジョレーの議員が、国民議会の議事堂のサロンで、ボジョレー・ヌーヴォーの洗礼を受ける(はじめて味わう)よう、議長を説得することに成功したのです。

この様子はテレビ中継され、代父と代母は歌手のジョルジュ・ブラッサンスとミレーユ・マチューが務めました。幅広い階層の人にアピールするための人選です。

こうして認められたあと、メディアの暴走が始まりました。毎年、試飲会がテレビ、パリのビストロ、駅、空港、フォーラムデアール(駅とつながっているパリの大型ショッピングセンター)、ふつうの街中で行われます。

それはお祭りであり、人気のある集まりであり、ワインを飲む格好の言い訳なのです。

次第に、大きな広告が打たれるようになり、ボジョレー・ヌーヴォーは世界に進出しました。それは大きなショーです。

ボトルを運送するための自動車レース、マラソン、私有の飛行機、ヘリコプター、パラシューターによるラリー。

1998年には中国の万里の長城で樽を転がし、その1年後、モスクワの赤の広場で、調教されたクマが樽を押して運びました。カナダでは、ムーランルージュの踊り子が、到着したワインをエスコート、などなど。

解禁日の数日前に、トラック、列車、船、飛行機が地球上のあちこちに、何千何百というボトルを運びます。

世界中で、「ボジョレー・ヌーヴォーが入荷しました」というフランス語で書かれたポスターの下で、水曜の真夜中、人々は、その年の最初のボトルを開けることができるのを熱烈な思いで待っています。

それは掟(おきて)であり、それこそが大事件を作り出し、たぶんそれはこの熟成する時間を与えられないささやかなワインの最大の切り札なのです。

収穫してすぐに販売できるワインは、時間をかけて味をよくするワインより、ずっと早くお金を集めています。

ボジョレー・ヌーヴォーをもっともたくさん飲むのは、アメリカやドイツ人より、日本人です。ちなみに、日本の人は、時差のおかげで、世界で一番はやく最初のワインを飲める大きな特権があります。

彼らは、1本4ユーロのワインに25ユーロ払っています。でも、別にいいんです。だって、フランスの香りがするのですから。

しかし、しばしば、商業的な成功が裏目に出ます。

あまり本格的でないワインの評判のせいで、ほかのボジョレー産のワイン、つまり、純粋にマーケティングの産物であるボジョレー・ヌーヴォーとは関係のない、格のあるブドウ園に対しての、消費者の信頼が損なわれてしまったのです。

残念なことです。

単語メモ

primeur  走り、できたて

carrelage  タイル張り

rayer   ~にすり傷をつける、筋をつける

s’enivrer  酔う

engouement  熱中

parrain  代父

marraine  代母

consécration  容認、是認;神にささげること

s’emballer  夢中になる、われを忘れる;暴走する

dégustation  試飲、試食

liasse  (書類、手紙などの)束、つづり

à grand renfort de  多くの~を使って

acheminer  送る、運ぶ、向かわせる

rallye  ラリー(長距離を走ること)

tonneau  樽

la Grande muraille de Chine  万里の長城

dressé  訓練された、調教された

arrivage  到着、入荷

fatidique  運命の定めた jour fatidique 運命の日

être prié de +inf.  ~してください、~をお願いします

frénétiquement  熱狂的に、夢中になって

atout  切り札

renflouer  (難船など)を浮上させる、離礁させる;~の財政困難を救う、~に資金援助をする

caisse  金庫;資金、財源

se bonifier  改良される、向上する、よくなる

revers  裏、裏側;裏目、不運、失敗

déteindre  ~を退色させる、の色をあせさせる

appellation 呼称、appellation d’origine contrôlée ワンインの原産地呼称統制  A.O.C

詳しくはこちら⇒ワインのラベルの読み方~不思議の国のFrance#5(フランスダイレクト)

cru  (銘醸ワインを産する)ブドウ園、ブドウ生産地、シャトーやクリマ。

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ボジョレー・ヌーヴォーは何がそんなに特別なのか? 2年前にも、ボジョレー・ヌーヴォーに関する動画を紹介しています。

ワインに関係のある言葉:かわいいフランス語教えます(139)

モンマルトルの収穫祭 2013年 その2「虎と小鳥のフランス日記」第129話~ハチミツとワイン

*****

日本人は初物、先物、新しい物が好きなので、ボジョレー・ヌーヴォーも人気があるのでしょうね。

日本における、ふだんのワインの消費量はそこまで多くないと思いますが、ボジョレー・ヌーヴォーの輸出量が一番多いのは、日本であり、航空便で運ばれるそうです。






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