フレンチポップスを聞きながら、フランス語に慣れるシリーズ。
今回は、ZAZが2015年に発売したSi jamais j’oublie(万が一、私が忘れたら)という曲を紹介します。
ミドルテンポで、歌詞は短いし(繰り返しが多い)、単語も構文も難しくありません。
私の訳詞(といっても、直訳に近く、詩という感じはない)をつけますので参考にしてください。
Si jamais j’oublie
3分26秒。
では、訳詞に挑戦!
もし私が忘れたら
その日とその年を思い出させて
どんな天気だったか思い出させて
もし私が忘れたら
私をゆさぶって
私が逃げ出したくなったら
閉じ込めて鍵を捨てて
思い出させる注射として
私の名前を言って
☆万が一私が忘れたら、私が過ごした夜を
ギターと叫びを
私が誰なのか、なぜ生きているのか思い出させて
万が一私が忘れて
大急ぎで逃げたら
私が誰で、何を自分に約束したのか思い出させて☆
私の一番野心的な夢を思い出させて
私の頬に伝う涙を思い出させて
もし私が忘れたら、私がどれほど歌うことが好きだったのかを
☆~☆ 繰り返し
単語メモ
se secouer 揺り動かす、揺さぶる
Il secouait violemment la porte fermée. 彼は閉まっているドアを激しく揺り動かした。
piqûre 注射、刺し傷
prendre ses jambes à son cou 大急ぎでいく、とんずらする というイディオムがあるので、Si jamais j’oublie les jambes à mon cou, si un jour je fuis はこの2行で、「もし私が忘れて一目散に逃げたら」としました。
ここ以外は、わかりにくいところはないと思います。
Si jamais j’oublie・関連動画
歌詞つきの動画
ZAZのプロフィールについては過去記事をごらんください⇒Je veux (私の欲しいもの)~Zaz (ザーズ)の歌と訳詞
Saint Valentin (ヴァレンタインデー):Zaz(歌と訳詞)。
ZAZはモンマルトルで歌っていたら話題になって、2010年にデビューしていきなり成功した、フランスの女性シンガーソングライターです。1980年生まれなので、今年43歳になります。
いきなり成功したといっても、小さいときから音楽学校に通っていて学生時代からさまざまな音楽活動をしていたので、才能プラス努力の人だと思います。
最近、ZAZが何しているのか知りませんが、インスタグラムをチェックしたら、93週間前の投稿で、「新型コロナウィルスに感染したから時間があるので、次のツアーの非公式な予告編を作ることができた」とありました。計算すると2022年の3月23日ぐらいの話です。
つまり去年の春は、ふつうにツアーをしていたようです。
それ以後、一度も投稿がないところを見ると、もともとインスタはそんなに熱心にやっていないのかもしれません。
PCで調べたので、もしかしたら、最近の投稿もあるのかもしれませんが。
と思ったら、12週間前のインタビューの動画も投稿されていました。
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歌のテーマは違いますが、この歌を聞いて、ユーミンの「卒業写真」を思い出しました。
卒業写真には
人ごみに流されて
変わってゆく私を
あなたはときどき 遠くで叱って
こんな歌詞があります。
「私が初心を忘れて、変な方向に行ったら、思い出させて」という内容は同じです。
ユーミンは、「遠くで叱って」と言っていますが、遠くで叱っても効果はないので、本心は、もうあなたには会えないとわかっているようです。
控えめなユーミンに比べて、ZAZはわりに激しくて、「私を閉じ込めて、鍵を捨てろ」とか、「揺さぶれ」とか、「カンフル剤打て」などと言っています。逃げ出したいと思うことがよくあるんでしょうか?
関係ありませんが、なぜ、インスタの日付の表示はこんなわかりにくいのか? ふつうに投稿日を表示すればいいのに。そして、PCで見た時にも、新しいものから時系列にしっかり並べてほしいですね。
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