ミシェル・フュガンの1972年の大ヒット曲、Une Belle Histoire (愛の歴史)という曲をご紹介し、訳詞をします。ひと夏の恋の歌です。
愛の歴史(Une Belle Histoire)
この曲では、1970年代に、日本でサーカスが歌ってヒットした「Mr.サマータイム」の原曲です(後半で紹介しています)。
Une Belle Histoire
C’est un beau roman, c’est une belle histoire
C’est une romance d’aujourd’hui
Il rentrait chez lui, là-haut vers le brouillard
Elle descendait dans le midi, le midi
Ils se sont trouvés au bord du chemin
Sur l’autoroute des vacances
C’était sans doute un jour de chance
Ils avaient le ciel à portée de main
Un cadeau de la providence
Alors pourquoi penser au lendemain
それは美しい小説、それは美しい物語
現代の恋の物語
彼は自分の家へ帰ろうとしていた。北の霧のほうへ
彼女は南へ、南仏へ向かっていた
二人は道の端で出会った
ヴァカンスにむかう高速道路の
幸運な日だったことは疑いない
手の届く所に空があったのだ
神さまの贈り物が
翌日のことなど、なぜ考える必要があったろう
二人は大きな麦畑に身を隠した
流れに身を任せたんだ
始まったばかりの自分たちの人生について語った
まだ子どもに過ぎなかったのだ。子どもだ
道の端で出会った
ヴァカンスにむかう高速道路の
幸運な日だったことは疑いない
2人は天国を手にしたのだ
人が幸運をつかむように
明日のことは考えていなかった
それは美しい小説、それは美しい物語
現代の恋の物語
彼は自分の家へ帰ろうとしていた。北の霧のほうへ
彼女は南へ、南仏へ向かっていた
2人は昼前に、道の端で別れた
ヴァカンスにむかう高速道路の
それは幸運な日の終わり
2人はまたそれぞれの道に向かった
手をふりながら、幸運に感謝した
Il rentra chez lui, là-haut vers le brouillard
Elle est descendue là-bas dans le midi
C’est un beau roman, c’est une belle histoire
C’est une romance d’aujourd’hui
彼は自分の家、北の霧のほうへ帰っていくのだろう
彼女は南仏に下って行ったのだ
それは美しい小説、それは素晴らしい物語
現代の恋の物語
☆歌詞はこちら⇒Michel Fugain – Une Belle Histoire Lyrics | Genius Lyrics
単語メモ
providence 神の摂理、救いの神 la Providence 神
cueillirent < cueillir 摘む、迎える
creux くぼみ
au creux de la main 手のひら、たなごころ
reprirent < reprendre 単純未来
saluèrent < saluer 単純未来 敬意を表する、たたえる
faire un signe de la main 手で合図をする
この曲に出てくる時制について
歌詞には5つの時制が出てきます。
現在形
物事の説明。
C’est un beau roman
半過去形
物語を語っている箇所、状況を伝える。
Il rentrait chez lui 彼は家路に向かっていた
単純過去
過去の1点をズームアップ。
Ils reprirent alors chacun leur chemin
Saluèrent la providence en se faisant un signe de la main
手を降って別れの挨拶をしているところがズームアップ
単純未来形
これから起きること。
Il rentra chez lui, là-haut vers le brouillard
彼は自分の家、北の霧のほうへ帰っていくのだろう
複合過去
複合過去は話者が強調したい大事なできごとを述べています。半過去は背景描写です。
詳しくは
⇒「まいにちフランス語」34:L56 2つの過去~半過去と複合過去
Ils se sont trouvés au bord du chemin
Ils se sont cachés dans un grand champ de blé
Ils se sont quittés au bord du matin
Il rentra chez lui, là-haut vers le brouillard
Elle est descendue là-bas dans le midi
彼は北の霧のほうに向かうのだろう
彼女は南に下って行った
彼が車で出発したのを見送って、女性も逆方向に車を走らせてこの物語が終わります。
「愛の歴史」はこのアルバムに入っています。
ミュシェル・フュガンの春の曲もどうぞ
ミュシェル・フュガン Une Belle Histoire カテリーナ・カセッリとデュエット
カセッリはイタリアの歌手。彼女が登場してからイタリア語になります。
サーカス:「Mr.サマータイム」
1978年のヒット曲。このメンバーとしてサーカスのデビュー曲です。子の年のカネボウのキャンペーンソング。サーカスはリードボーカルがお姉さん、男性2人がその弟、もう1人の女性が従兄弟という、ファミリー・グループ。
YouTubeで聞けます⇒https://youtu.be/FpYdEcM7It0
このアレンジはフランスというよりアメリカンな感じがしますが、こちらも好きです。
レイモン・ルフェーブルの「愛の歴史」
Mr.サマータイムって、夏に会った行きずりの恋人のことのことなのか、もともといた恋人のことなのか、何度聞いてもよくわかりません。どっちみち彼女は両方とも失いました。美しい思い出が残っているからいいのでしょうか?
Chante la vie chante comme si tu devais mourir demain. もサーカスが日本語カバー「愛で殺したい」で一時期よく聞きましたね。
てるさん、こんにちは。
「愛で殺したい」ってどういう歌だっけ?
と思い、今、Spotifyで聞いてみました。
昔聞いたことがあるような気もしますが、
あまり印象に残っていません。
この歌、はやっていたんでしょうか。