私の好きな歌手、フランソワーズ・アルディの曲を紹介します。1970年に発売されたアルバムに収録されている Soleil ソレイユ です。
ソレイユは「太陽」ですが、「お日さま」のほうが合うかな、と思い、記事のタイトルは「お日さま」としてみました。
夏の思い出を歌っている曲なので取り上げてみました。単語は簡単なので、ディクテにも向いていると思います。
Soleil :Françoise Hardy
それでは訳詞に挑戦!
ソレイユ:フランソワーズ・アルディ
☆関係代名詞が使われている部分は前から訳しています☆
それはお日さまだった
私たちを起こしてくれたのは
毎朝
海はとてもきれいで
私たちは海に向かって走った
手に手をとって
それから私たちは海岸を散歩して
あなたは貝殻を探したわ
子供のように
貝殻を耳にあて
聞いていた、私、覚えてるわ
貝殻の中の海の音を
☆お日様、あなたが大好き
だって、いつも
あなたは誠実だから
でも恋はそうはいかなかい
どうしてなの?☆
あなたはいつもおなかをすかせていて
熟れた果物とワインは
あなたのためにあったわね
あなたは時々むっとした
私が食べないと
大したことじゃないけど
潮が満ちて砂浜をぬらすと
私たちの夢も同じようにひろがった
私、覚えているわ
家の話をしたわね
子供を作る話も
私たち、うまくいっていたわ
☆~☆ 繰り返し
それはいつもお日様
私を起こしてくれるのは
毎朝
冬も夏も
太陽は見守ってくれる
恋がやってきては去っていき
つらい気持ちになるのを
どれだけ海岸や
ほかの人に出会わなければならないの
あなたのように、忘れるには?
家や金髪の子供たちのことを
私たちが持てなかった
☆~☆ 繰り返し 2回
単語メモ
réveil 目覚め
gronder しかる、たしなめる
s’allonger 長くなる、伸びる
semblable 似た、類似の
visage 顔、顔つき;人
l’eau s’allongeait sur le sable 砂浜に水が広がるとき、つまり、満潮のときだと思います。
潮が満ちると、2人が語る夢物語も最高潮。こんな家に住みたいね、子供は2人はほしいよね、みたいな話をしたのでしょう。
なお、上の歌詞で、スペルミスが2箇所あります。
courrions は条件法なので、正しくは courions、それから s’allongeait のEが抜けています。
きょうのプチ文法
この歌詞の文法ポイントは imparfait 半過去 です。
昔、こんなことやあんなことがあったけど、結局、恋は終わってしまったわ。という歌の中で、「こんなことがありました」と語る部分に使われています。
半過去の活用は、語幹(前の変わらない部分)は、現在形のnousの活用からonsを取ったもの。語尾は、決まっていて、
ais
ais
ait
ions
iez
aient
です。
歌詞から半過去の動詞を書き出すと
était < être (être の 語幹は ét です)
faisait < faire
courions < courir
marchions < marcher
cherchais < chercher
avais < avoir
étaient < être
grondais < gronder
mangeais < manger
s’allongeait < s’allonger
parlions < parler
étions < être
フランス語の文法の説明をしていて、半過去が登場すると、たいてい複合過去とどう使い分けるんだい、という話になります。
そのあたりを説明している、2分の動画を紹介します。
半過去について詳しくはこちらをどうぞ⇒「まいにちフランス語」33:L55 半過去
こんな記事もあります⇒半過去と複合過去の使い分け~仏作文力養成講座第4回 後半
☆その他の時制の動詞
ほかには現在形と以下の時制の動詞が出てきます
mettant < mettre 現在分詞(ジェロンディフ)⇒「まいにちフランス語」42:L64 現在分詞とジェロンディフ
Des enfants que nous aurions 条件法 現実ではない別の世界で持つはずだった子供
fera < faire 単純未来
faudra < falloir 単純未来
アルバム、Soleilについて
この曲は、フランソワーズ・アルディの10枚目のアルバムです。
発売されたときは、アルバムタイトルはなく、ジャケットに名前がのっていただけでした。しかし、今は Soleil という呼び名になっています。
数年前に日本で復刻版のCDが出ました。
なんと1000円。安いですね。アルバム・ジャケットは表がアルディが正面を見ている写真で、裏ジャケットはそれを裏から見た写真になっています。
アマゾンのページでは、この曲は「お陽さまと私」となっているのですが、これ、漢字が間違っているような気がします。「おようさま」と読んでしまったりしないんでしょうか?
邦題は「アルディのおとぎ話」です。
アルディは最初はVogue(ヴォーグ)というレーベルからレコードを出していいました。このアルバムは、もう少し、自由に音作りができそうなSonopresse(ソノプレス)というレーベルに移って気持ち新たに作ったものです。
アルディは1944年生まれなので、26歳の頃の作品です。
1960年代は、シングル優勢の時代で、統一感のあるアルバムを作ることはありませんでした。70年代に入ってから、フランスの歌手も、徐々にひとつの世界観を提示している、いわゆるトータルアルバムを作るようになりましたね。
たとえば、ヴェロニク・サンソンとか⇒歌と訳詞:Amoureuse(恋人)ヴェロニク・サンソン
アルディのこのアルバムは、いろいろなタイプの曲が入っていて、邦題どおり、さまざまなお話が詰め込まれている雰囲気です。
私はかつて、このアルバムのLPを持っていて、ひじょうによく聞いていました。歌っている内容はさっぱりわかりませんでしたが。
1970年は昭和45年で、わりとエポックメイキングな年です。
大阪で万博があり、よど号がハイジャックされ、アポロ13号が月面着陸した年です。ボーリングが流行っていたのもこの頃。
ファッションでは重ね着が流行っていました。今とちょっと違う重ね着です。下に長袖のTシャツを来て、上に半袖を着ます。
関連記事もどうぞ
これまで紹介したアルディの曲(の一部)です。
フランソワーズ・アルディ、Mon amie la rose(バラのほほえみ)の訳詩
オール・オーヴァー・ザ・ワールド:フランソワーズ・アルディ(訳詞)
フランソワーズ・アルディ:1日の最初の幸せ(Le premier bonheur du jour)~歌と訳詞
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大阪で万博があったとき、私も夏休みに家族と行きました。
計算すると、小学校5年のときです。パビリオンに関しては何も覚えていません。
泊まった旅館が料亭旅館で、なまもの(刺し身とか)を食べすぎて、翌日すごいじんましんがでました。
発熱もしたので、結局、親はもう一泊する予定をキャンセルして、家に帰ってきました。親もそんなに楽しくなかったのかもしれません。
我が家はもともと旅行や物見遊山にそこまで情熱を持てない一家でした。
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