こんにちは。penです。
もうすぐ今年も半分終りますね。
きょうは、6月のことわざをご紹介します。
Pluie en juin donne belle avoine et chétif foin.
6月に雨が降ると、見事な麦とよくない干し草がとれる。
6月に雨が降ると、見事な麦とよくない干し草がとれる。
6月はjuin
フランス語で6月はjuinといいます。
語源は、ローマの女神、Junon(ジュノン)
ローマ神話では、Juno ユーノー
ユーノーは、神の中の王様、ユーピテル(ジュピター)の妻で、女神としては最高位。空と愛の女神さまです。
Category:Statues of Iuno – Wikimedia Commonsより
この女神さまは、結婚と多産の象徴でもあります。
だから、「6月の花嫁は幸せになる」と言い伝えられ、結婚式が多いのですね。
雨の多い6月
日本の6月は梅雨のシーズンですが、フランスでも雨の多い時期です。そして、この時期、雨がしっかり降れば、秋の豊作が見込まれます。
フランスは農業大国ですから、この時期の天候は、昔から国民の大きな関心ごとでした。
ですので、6月のことわざや、言い伝えは雨に関するものがひじょうに多いです。きょうのことわざも、そういったことわざの一つです。
よくわかる!フランス語の文法解説
単語の意味
pluie 雨 ことわざなので、冠詞が省略されています。
La pluie en juin donne ~ という言い方もあり。
en ~に (時間を表す)
juin 6月
donne < donner 生み出す、作り出す⇒後述
belle 素晴らしい beau の女性形
avoine えん麦、マカラス麦 (カラスムギ属の麦)
et ~と
chétif 虚弱な、育ちの悪い
foin まぐさ、干し草
無生物主語
このことわざの主語は「雨」という人間ではないもの。
こういうのを無生物主語といいます。無生物主語はフランス語ではとても多いですが、日本語では珍しいです。
donner は主語が人なら「あげる」でいいのですが、このような無生物主語のときは直訳すると、おかしくなるので、少し工夫する必要あり。
(例)
Ce pêcher donne beaucoup de fruits.
この桃の木には、実がたくさんなります。
Ce pays donne beaucoup de blé.
この国では小麦がたくさんとれる。
Le riz a peu donné cette année.
今年は、米は不作だった。
無生物主語についてはこちらをどうぞ⇒抽象名詞~翻訳講座第10回前半
直訳
6月の雨はたくさんの麦と乏しい干し草をもたらす。
補足
juin, avoine, foin 音は完全に同じではないですが、似た音で調子がいいです
Pluie de juin fait belle avoine et maigre foin. とも言います。
季節のことわざはこちらにも
⇒6~クリスマスがバルコニーならイースターは暖炉の前
ことわざの記事の目次を作りました。ご利用ください。
その1⇒フランス語のことわざ~目次 その1
湿度がたかくてムシムシする6月ですが、愛の季節でもあります。
そして、秋の豊作のために、地味な準備をする大事な月。
雨降りの日は、心が落ち着くので私はわりと好きです。
雨上がりは、緑がきれいだし、アジサイも目を楽しませてくれるし。
梅雨の晴れ間の太陽もうれしいもの。
夏至をすぎれば、夏もすぐそこですね。
皆さんも、心愉しい6月をお過ごしください。
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