フランス語を始めたばかりの初心者でもとっつきやすい暦リーズ。曜日の名前を1つずつ見ています。今回は金曜日です。
フランス語の曜日の名前はすべて男性名詞、小文字から初めます。また、英語のように略して書く(Tues, Satなど)ことは通常しません。印刷されたカレンダーや日記帳などに限られます。
金曜日:vendredi
語源 はラテン語の « le jour de Vénus » 「Vénusの日」。ヴェヌス(ヴィーナス)はローマ神話の愛と美の女神です。ギリシア神話では Aphrodite アフディーテ にあたります。
ラテン語の venus は肉体美 という意味。
英語のFridayは北欧神話の女神、Frigg の日です。
vendredi の発音はこちら
vendredi の入った表現、例文
premier vendredi 毎月第1金曜日、「初金」。カトリック教会では、9ヶ月連続してこの日にミサにあずかる信者は恩恵が与えられると考えられています。
vendredi saint 聖金曜日。復活祭の前々日。イエスが十字架にかけられた日の記念日。
vendredi treize 13日の金曜日
キリストが十字架にかけられた日が金曜日なので、キリスト教では不幸の日とされています。
詳しくはこちら⇒13日の金曜日の由来~意外にもギャンブル運のある日
Le vendredi est le cinquième jour de la semaine. Il vient après le jeudi et avant le samedi.
金曜日は1週間の5番目の日です。木曜のあと、土曜の前に来ます。
Tom va au club de judo tous les vendredis soir.
トムは毎週金曜の夜、柔道のクラブに行く。☆soirは副詞のように使われているので、複数形になりません☆
Tel qui rit vendredi dimanche pleurera. 金曜日に笑う者は日曜日に泣くだろう⇒朝(あした)に笑う者は夕べに泣く、盛者必衰。[ことわざ]詳しくはこちら⇒フランス語のことわざ16~朝(あした)に笑う者は夕べに泣く
un temps de vendredi saint ひどい天気(会話表現)
C’est vendredi :リンダ・ルメイ
vendrediがタイトルと歌詞に入っている曲を紹介します。カナダの女性シンガー、リンダ・ルメイの C’est vendredi です。意味は「きょうは金曜日」。邦題は「金曜日の独り言」のようです。
金曜日にバーにふらりとやってきて、「ほんの少しお酒を飲みたいわね、ちょっとだけ話し相手になってくれない」と歌っています。
冒頭は
J’en voudrais juste un tout petit verre
J’me contenterais du fond d’ta bière
私、小さなグラスでいいわ
あなたのビールをほんの少しもらえれば満足
vendredi が出てくる箇所は
C’est vendredi, ce serait pas grave
J’ferai pas d’folie, j’suis pas si cave
Juste pour le fun, juste une p’tite larme
Pour qu’on déconne, pour qu’on ricane
金曜日だもの、深刻にはならないわ
ばかなことはしないわよ。私ちゃんと分をわきまえてるわ
ちょっとした楽しみのため。少し涙を流すだけ
みんな浮かれて、にやにやしているから
というような意味です。
※単語メモ
cave 間抜けな、だまされやすい
déconner 浮かれる
ricaner にやにや割る、薄笑いを浮かべる
歌詞はこちら⇒Lynda Lemay – C'est Vendredi Lyrics
リンダ・ルメイは1966年生まれのケベックのシンガーソングライター。ケベック、フランスで人気があります。この曲のように、ストーリーやドラマのある曲をよく歌っています。
この曲は、彼女のセカンド・アルバム、1994年発売の«Y»に入っています。日本のアマゾンからMP3で購入可能。
この続きはこちら⇒フランス語で土曜日の発音は?
このシリーズを最初から読む方はこちらから⇒土曜日はサバトの日:フランス語の暦(16)
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私が若いころ、金曜日のことを「花金(花の金曜日)」と言ったりしましたが、いまはもう違うでしょうか。「カジュアルフライデー」なんて言葉のほうが有名かもしれませんね。
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