きょうご紹介するフランスのお菓子はパピヨット。これは自分で作るというよりお店で買ってくるクリスマスのお菓子(チョコレート)です。
パピヨットのスペルは、papillote
パピヨットとは?
パピヨットは、チョコレートや砂糖漬けのフルーツを、紙でくるんでねじったもの。チョコレートが多いです。通常、お菓子に直接あたる包み紙(ハトロン紙みたいなの)にメッセージやジョークが書いてあります。その上からキラキラと光る金や銀の紙で包みます。
リヨン生まれのお菓子で、フランスではクリスマスの頃に出回り、ギフトによく使われます。
パピヨットの歴史
18世紀の終わりのリヨンにいた、パピヨットという名のお菓子屋さん(confiseur)の名前から来ているという言い伝えがあります(真偽のほどは不明)。
パピヨットさんが雇っていた見習いさんが、好きな女性にラブレターを書き、その便箋でチョコレートをくるんで女性に送っていました。
彼は、雇い主のパピヨットさんの商品を無断で包んでおりました。
これを見たパピヨットさんが、商品に手を出す見習いは首にしたものの、「お菓子を紙で包むのはいいアイデアかも」と思い、恋文の代わりに別のメセージをを書いた紙でチョコレートやフルーツ菓子を包んで販売を始めました。
その後、いくつかのチョコレートメーカーがパピヨットをベースにした商品を作り、れが今に伝わっています。
パピヨットという単語について
辞書を見ると、papillote という単語は、papillon パピヨン ちょうちょ という単語から派生したものです。
papillon には、折り込みページやビラ、ちらしという意味もあります。つまり紙ですね。
papillote にはいくつかの意味があります。
1.(髪をカールさせるための)カールペーパー、毛巻紙
2.キャンディーの包み紙、包装紙にくるんだキャンディー
3.包み焼きに使うパラフィン紙、アルミ箔。こういう紙でくるんで蒸し焼きにした料理のことも指します。紙のようなものでくるんであればみんなパピヨットで、中国のちまきも、パピヨットです。
4.ペーパーフリル、パピヨット。鶏の丸焼きの骨の先についているピラピラした飾りの紙のこと。
5.ユダヤ教で信徒がこめかみにつける巻き髪
6.おもちゃのクラッカー = papillote détonante
7.(古)金色や銀色のパイエット、ドレスの装飾に用いられる光り物
このうちクリスマスに関係あるのは、2番と6番です。西洋のクラッカー(パンと割って遊ぶもの)は、キャンディの形をしています。このクラッカーは次に紹介する2つ目のニュースの1番最後に出てきます。
パピヨットが出てくるニュース
パピヨットはフランスのクリスマスのお菓子の定番。クリスマスシーズンだけ製造されるので、毎年のようにニュースで取り上げられています。
こちらは2011年のfrance 3 のニュース。チョコレート専門店のパピヨットが出てきます。パピヨットだけでなく、クリスマスがテーマのチョコレートも。
チョコレート職人さんは、手先が器用じゃないとできない感じですね。
こちらは2014年のfrance 2のニュース。
パピヨットを包んでいるおばあさんは78歳のチョコレート屋さん、アイビールックで、三つ編みというファッションが強烈。でもよさそうな人です。もしかして、これ、店の制服でしょうか?
後半に出てくるチョコレートの工場は、Voisinというリヨンの有名なチョコレート専門店のものです。
パピヨットはクリスマスの頃のチョコレート屋さんのメイン商品。この時期、10キロチョコレートが売れると、その半分はパピヨットなのだそうです。
もっとチョコレートの記事を読みたい方はこちらからどうぞ⇒バレンタインデーとチョコレート関連記事の目次
クリスマスの記事はこちらから⇒クリスマスにちなんだ記事の目次 2013年版
次のお菓子はこちら⇒簡単チョコレートムース(ムース・オー・ショコラ)の作り方:フランスのお菓子(14)
パピヨットって見た目も名前もかわいいですね。
東京風月堂のお菓子に「パピヨット」というのがありますが、これはヨックモックの「シガール」つまりラングドシャがベースのお菓子ではないか、と思います。
ラングドシャはお菓子の記事では書いていませんが、こちらの記事の最後で詳しめに書いています⇒浅草の甘味処にて~日本の旅 #4(フランスダイレクト)
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