フランスの新学年(rentrée)は9月開始です。
長い夏休みのあと、子供たちが学校に戻りましたが、学校に行きたくても行けない子は世界にたくさんいます。
そんな現状を2分で伝える動画(インフォグラフィック)を紹介します。
タイトルは、Quels obstacles à la scolarisation des enfants dans le monde ?(世界の子どもたちの就学をはばむものは何か?)
就学をはばむもの
1分55秒。フランス語の字幕あり。ラントレの時期にアップされたものです。
トランスクリプション
L’ambiance est de retour dans bon nombre de cours de récréation dans le monde.
Mais tous les enfants n’ont pas accès aux salles de classe.
Même s’il y a du progrès sur le nombre de garçons et filles scolarisés, le tableau est encore noir.
Un enfant sur cinq sur Terre fréquente partiellement ou ne fréquente pas du tout l’école.
Résultat, chaque année, 617 millions d’entre eux n’apprennent pas suffisamment les principes de base de la lecture ou du calcul.
La pauvreté est le plus grand obstacle à l’éducation. Dans les zones les plus déshéritées, il y a cinq fois plus de risque de ne pas bénéficier d’un enseignement primaire.
L’agence des Nations unies pour l’éducation affirme que si tous les jeunes achevaient leurs études secondaires, cela aboutirait à diminuer de moitié le nombre de personnes pauvres dans le monde.
On attend toujours des progrès concernant la parité. Les deux tiers des analphabètes dans le monde sont des femmes.
Les jeunes afghanes empêchées récemment par les talibans d’aller en cours viendront grossir cette triste statistique.
De la Syrie à l’Ukraine en passant par le Nord-Kivu, les théâtres de guerre sont bien sûr des freins à l’éducation : 27 millions d’enfants vivant dans ces zones de conflits ne sont pas scolarisés, ou alors, loin de chez eux.
Cette semaine, vingt mille Ukrainiens ont fait leur rentrée des classes en France.
La France, d’ailleurs, est-elle une bonne élève ? Dans le classement des meilleurs pays pour les taux de scolarisation, elle se trouve loin derrière le trio de tête, à savoir le Canada, Singapour et le Royaume-Uni, qui scolarisent près de 99% de leur population.
Derrière La Géorgie, derrière l’Iran ou encore la Malaisie, la France est 16e.
La Belgique est 27e de ce classement, les États-Unis sont 96e. Comme quoi, pour cette rentrée encore, il n’y a pas que les plus pauvres qui doivent revoir leur copie.
世界の教育の現状・和訳
世界の多くの校庭に活気が戻ってきました。
しかし、すべての子供たちが教室に通えるわけではありません。
通学する少年少女の数は増えているものの、現状はまだ暗いです(←黒板はまだ黒い)。
世界の子供たち5人に1人が、時々学校に行くか、まったく通っていません。
その結果、毎年、6億1700万人が読み書きや計算の基礎を十分に学んでいないのです。
教育の一番大きな障害は貧困です。再貧困地域では、初等教育を受けられないリスクが5倍にのぼります。
国連の教育機関は、すべての若者が中等教育を修了すれば、世界の貧困層の数を半減できると言っています。
パリテに関する進展も待たれます。世界の読み書きできない人の3分の2が女性です。
最近、タリバンに学校へ行くことをはばまれたアフガニスタンの若い女性が、この悲しい統計を増やすでしょう。
シリアから、北キヴを通って、ウクライナまでの戦争の舞台は、もちろん、教育の障害となっています。紛争地域に住む2700万人の子どもたちは学校に通っていないか、家から遠く離れた場所にいます。
今週、2万人のウクライナ人が、フランスで新学年を迎えました。
ところで、フランスは、優秀な生徒なのでしょうか? 就学率の高い国のランキングでは、人口の99%近くが就学しているカナダ、シンガポール、イギリスの上位3カ国には遠く及びません。
グルジア、イラン、マレーシアに次いでフランスは16位です。
このランキングではベルギーは27位、アメリカ合衆国は96位です。
だから、この新学年において、学校教育(←答案)を見直す必要があるのは最貧の人たちだけではありません。
単語メモ
déshérité 恵まれない人、貧しい人
analphabète 読み書きできない人、文盲の人
à savoir すなわち、列挙すれば
comme quoi したがって、だから
les taux de scolarisation は、たぶんユネスコの統計ですが、日本は15位で意外にランクが低い、と思うかもしれません。
しかし、上位の国は、99.89、99.65、99.34など、ひじょうに僅差なので、こんな順位もありうると思います。
ラントレ・関連動画
Un jour, elle ira à l’école… 彼女はいつか学校に行くだろう
学校に行けない女の子の様子。やはり女性は差別されていますね。まあ、学校に行けない男の子もたくさんいますが。
1分11秒。
Fournitures scolaires : pourquoi les prix vont augmenter à la rentrée 学用品:なぜ新学年に価格があがるのか?
1分48秒。
ラントレだから値上がりしたというより、たまたま今、新型コロナウイルスの影響や、石油の値段が上がっているせいで、値上がりしたんでしょうね。
Back to schoolの時期は、ふつう学用品の安売りをたくさんしていますから。
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■ラントレに関するほかの記事
ラントレ:フランスで新学年開始。2017年の学校改革はこんな感じ。
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日本の学校制度にも問題はあるものの、大半の人が、ごくふつうに初等教育と中等教育を受けられるのはラッキーなこことです。
子供のときは、自分がラッキーだなんて思ったことはありませんでしたが。
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