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フランスにまつわるあれこれ

フランスの試験、バック(バカロレア)とは何か?

バック(Bac、バカロレア)は毎年6月にフランスで行われる全国規模の統一試験で、高校(中等教育)を修了したことを認定し、大学入学資格を与えるものです。

2019年のバックはすでに始まっています(哲学の試験から始まって2週間ほど続きます)。

きょうは、バックについて簡単に説明している1jour1questionの動画を紹介します。

バックはフランスで教育を受けていない人には関係ないのですが、6月のフランスの風物詩ですから、そういうのがあるんだ、と知っておくとよいかと思います。



バックって何?

1分42秒。

スクリプト

Le mot « bac » est l’abréviation de baccalauréat, un examen que passent les élèves à la fin de la classe de Terminale. C’est un examen qui permet d’obtenir un diplôme.

Et à quoi ça sert de passer le bac ?

En France depuis le XIXe siècle, le bac marque la fin des années collège et lycée. Il permet d’ouvrir les portes des études supérieures pour préparer sa future vie professionnelle.

Aujourd’hui il existe 3 sortes de bac.

Il y a le bac général qui débouche sur des études longues, par exemple à l’université, mais aussi le bac technologique après lequel on fait plutôt des études courtes. Enfin en passant un bac professionnel, on peut apprendre directement un métier.

Pour avoir le bac il faut obtenir une moyenne de 10 sur 20. Une note de 12 ou plus donne droit à une mention, assez bien, bien ou très bien. Si on échoue de peu, on a une 2e chance avec une épreuve de rattrapage à l’oral face à un prof qui pose des questions.

Du temps de tes grands-parents, c’était plus rare d’avoir le bac. Mais aujourd’hui le taux de réussite est très fort, plus de 85%. Certains trouvent même que le bac est devenu trop facile, mais c’est sûr il reste une étape importante. Maintenant si tu croises un lycée tout stressé au mois de juin, tu sauras pourquoi.

和訳

バックは、バカロレアの略で、リセの最終学年(Terminale)の最後に生徒が受ける試験です。

この試験に受かると修了証書を得られます。

バックにパスすると何の役に立つのでしょうか?

フランスでは19世紀から、中学と高校の最終学年でバックが行われています。

バックは、生徒たちに将来の仕事につく準備として、高等教育の扉を開いてくれるものです。

現在、3種類のバックがあります。

大学のように長期の教育への道を開く普通バック、比較的短い教育に続く工業バック、そして、職業に直結することを学ぶ道につながる職業バックの3つです。

バックを取得するには、20点満点のうち10点を取らなければなりません。

12点以上の成績は、(点数に応じて)良の下(assez bien)、良(bien)、優(très bien)という評価がつきます。

失敗してしまったら、追試験という2度めのチャンスがあります。追試験では、口頭で先生の質問に答えます。

きみたちの祖父母の時代には、バックを取得している人はひじょうにまれでした。

しかし、今は、合格率がとても高く、85パーセント以上です。

バックは簡単すぎると感じる人すらいますが、とても重要なステップであることは確かです。

さあこれで、もし6月の半ばにストレスいっぱいの高校生に出会ったら、その理由がわかりますね。

単語メモ

supérieur  上級の、高等な

déboucher   通じる

mention  成績、評価

une épreuve de rattrapage  追試

大学に進学するためには、バックは絶対必要な資格です。

バック関連動画

同じ1jour1questionの動画で、Pourquoi y a-t-il plusieurs Bacs ?(なぜ複数のバックがあるのか?)

バックはナポレオンが始めたのですね。

本人の志望する道によって、取得すべきバック(受ける試験)が変わります。

同じ哲学の試験でも、専攻によって問題が違います。

こちらは初日の哲学の試験を受ける前の様子をルポしたもの。

2019年、6月17日の月曜日にバックが始まりました。

このニュースはパリのリセの教室で取材していますが、大事な試験の前に、マスコミを教室に入れるってありなんでしょうか?

ですが、試験前の教室の様子を移しているニュース、ほかにもあります。

哲学の試験は4時間なので、一番前の女子学生は、水やおやつをスタンバイさせているんでしょうね。

机の上に物がたくさんのっていますが、そもそも哲学の試験は、お題に対して、自分の意見を書いていく筆記試験であり、カンニングしても、どうしようもないので、こんな感じなんでしょう。

こちらのニュースクリップの最後に哲学のお題のいくつかが紹介されています。

2分28秒

スマホは電源を切ってバックの中にしまっておけ、と先生が言っています。

Reconnaître ses devoirs, est-ce renoncer à sa liberté ?  自分の義務を認めることは、自由をあきらめることであるか?

La morale est-elle la meilleure des politiques ?  倫理は最良の政策か?

こんな感じの問題に答えるわけです。



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こういうニュースを見ると、学生でなくてよかった、と思います。

私はいまだに、8月の終わりに夏休みの宿題が終わってない夢や、テストを受けていて、答えがさっぱりわからない夢を見ます。

もう2度と学校には行きたくありません。






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