フランス・ギャルの Laisse tomber les filles という曲を紹介します。1964年発売された曲です。ドリフのズンドコ節をおしゃれにしたような歌です。
邦題は「娘たちにかまわないで」です。「娘たち」と書くと、なんか親が歌っているみたいですが。
娘たちにかまわないで
2分44秒
ひじょうに覚えやすいこの曲を作ったのは、セルジュ・ゲンズブールです。それでは訳詞に挑戦!
Laisse tomber les filles
女の子たちをほっておけば?
女の子たちをほっといたら?
女の子たちをほっといたら?
いつか今度、ふられるのはあなた
女の子たちをほっといたら?
女の子たちをほっといたら?
いつか今度、泣くのはあなた☆
ええ、私は泣いたわよ。でもこの次は
いいえ、もう泣かない
いいえ、もう泣かない
私はあなたにそれは当然のことって言うわ
わかったでしょって言うわ
わかったでしょって言うわ
女の子たちをほっといたら?
女の子たちをほっといたら?
この次痛い目を見るのはあなた
女の子たちをほっといたら?
女の子たちをほっといたら?
今度報いを受けるのはあなた
ただですむわけないじゃない
無垢な心をもてあそんだら
無垢な心をもてあそんだら
私がどんな気持ちかわかるわよ
すぐにね
すぐにね
運に見捨てられるわよ
人の心を傷つけることしか
知らない人はね
あなたをなぐさめてくれる人は
誰もいやしない
あなたは当然の報いを受けるのよ
☆~☆ 繰り返し
あなたに同情してくれる人なんて、
自分しかいないわよ
自分しかいないわよ
そのとき、あなたは思い出すわよ
私があなたに今言ったことをみんな
私があなたに今言ったことをみんな
単語メモ
laisser tomber qn (話)人を見捨てる、忘れる、関心を失う
Elle a laissé tomber son mari pour un autre.
彼女は夫を捨て、別の男に走った
Laisse tomber ! それは気にするな、あきらめろ。
s’apprendre ~を自分で学ぶ
se payer 償う、報いを受ける
impunément 罰せられずに、とがめられずに
On ne peut pas voler impunément.
盗みをすれば必ず罰せられる
ressens < ressentir ~を強く感じる、受け取る
ne pas l’avoir volé (話)当然の報いである
Cette punition, il ne l’a pas volée.
彼が罰せられたのは自業自得だ。
plaindre 気の毒に思う、同情する
Laisse tomber les filles カバーソング
この曲を英語でカバーしたものが、クエンティン・タランティーノ監督の2007年の映画『デス・プルーフ in グラインドハウス』«Death Proof»のエンド・クレジットで流れました。
曲名はChick Habit。歌っているのはApril・Marchという春爛漫な名前の方です。
2分30秒
また、2012年のサリュ・レ・コパン«Salut Les Copains»というミュージカル・コメディー映画でも歌われています。
Salut Les Copains, Le Spectacle Musical – Laisse tomber les filles (Clip Officiel) 2分36秒
この3人はフランス・ギャルより歌がうまいですね。まあ、アイドルはへたうまのほうがいいのかもしれません。
この映画に出てくる«Salut Les Copains»というのは、1959年から1976年までフランスで平日の夜、毎晩やっていたラジオ番組です。
イエイエの時代を作った番組と言われてます。社会現象になるほど人気があり、後に番組でかかった当時のヒット曲を集めたレコードが発売され、同じ名前のティーン向けアイドル雑誌もできました。
そして、今、こんなミュージカルまで制作されたわけです。
フランス・ギャルについて
フランス・ギャルは1965年に「夢見るシャンソン人形」でユーロビジョン・ソング・コンテストの1位になり、ブレイクしました。この曲は日本でもとても人気があるので、ご存知の方も多いと思います。
こちらで訳しています⇒夢見るシャンソン人形:フランス・ギャル(歌と訳詞)
フランス・ギャルは先日紹介したクロード・フランソワの映画にもちらっと出てきます。
もちろん映画に出てくるのは本人ではなく、フランス・ギャル役の女優さんです。
というのもクロクロ(クロード・フランソワのニックネーム)とフランスは昔、少しつきあっていたのですね。まだフランス・ギャルがごく若い10代のころです。でもクロクロがいろいろとわがままだったらしく、結局彼女は彼のもとを去ります。
クロクロがその失恋の痛手を歌ったのが『いつものように』 «Comme d’habitude»だと言われてます⇒クロード・フランソワの代表曲、いつものように/ マイウエイ(コム・ダビチュード)の訳詞。
こちらは映画の中のクロクロとフランス
フランス・ギャルのCDは年代別にいろいろ出ていますが、買うなら1960年代の曲を集めたものがいいでしょう。
☆フランス・ギャルの曲は他にもこんなのを訳しています。
⇒おしゃまな初恋:フランス・ギャル~歌と訳詞、フランス・ギャルの詳しいプロフィールつき
最近、懐古趣味がはやってるんでしょうかね? 確かに60年代の音楽のほうが今より楽しくてよかったとは思いますが。
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