『眠れる森の美女』はフランス語だと? の記事にアンさまより「プリンス・チャーミングにあたるフランス語をあるか」というコメントをいただきました。
そのコメントの返事を書いているとき、フランス・ギャルの『すてきな王子様』« Un prince charmant »という曲を思い出しましたので、きょうはこちらをご紹介します。
やはり王子さまは白馬に乗ってくるようです。
すてきな王子様
とってもさわやかな曲です。
1965年 18歳ぐらい
Un prince charmant
すてきな王子様
白馬に乗ったすてきな王子様
子どものころ私の夢の中に駆けてきたの
眠りにつけば、すぐに会えたの
そして、彼は私を連れて行った。
森の奥に彼のお城があった
そこでは、彼のお母さんが先に私を待っていてくれた
王子様は急いで着替え、私も急いで髪を整えて
真夜中に、彼は私と結婚したの
あのね、私を責めるわけにはいかないでしょ
私、15歳になったところだったもの
だって、そうでしょ。私のこと怒らないで
すてきな王子様のままにすぎなかったのよ★
白馬に乗ったすてきな王子様
子どものころ私の夢の中に駆けてきたの
もし、彼が怪我をしたら、私がやさしくなでてあげた
そして王子様はよくなったの
私のことを愛していた彼は王様になったの
何をするのも楽しかったころ
あなたは何でもできて、何にでもなれたけど、
それで好きになったんじゃないのよ
★~★ 繰り返し
白馬に乗ったすてきな王子様
子どものころ私の夢の中に駆けてきたの
私と踊り、キスをしてくれた
そして私の人生が始まったの
ええ、私あなたをずっと愛し、あなたの妻になる
私は決して忘れない
白馬に乗った王子様のことを
私の見た美しい夢、15歳の頃の私を
単語メモ
pourras < pouvoir 単純未来
galopait < galoper 馬がギャロップで走る。ギャロップについてはこちらを⇒フランス語のことわざ12~三つ子の魂百まで
s’en vouloir ~をとがめる、非難する、~の行動を後悔する
2020/06/16追記:コメントで、Tu sais il ne faut pas m’en vouloirの訳が間違っていると指摘を受けたので、こことその前後の訳を変えました。いまの彼(目の前にいる人に)、昔、夢の中で白馬の王子様と結婚した、だけどこれからはあなたと一緒になる、と言っている歌かと思われます。
penの感想
サビの部分、私の訳であってますよね?
雰囲気はまるで違いますが、山口百恵の「青い果実」や「ひと夏の経験」の歌詞と微妙にかぶる感じがあります。
でも、フランスって感じもします。
「白馬に乗った王子様」は女性にとって運命の相手を象徴しています。
自分にぴったりあった理想の相手。一緒になれば必ず幸せになれる人。
今はこんなふうに思っている人はいない気もしますが「結婚だけが女性の幸せ」と考えられていた頃はこういう王子さまのイルージョンがあったのでしょうね。
私は子どものころ、白馬に乗った王子様的なものには全くあこがれていませんでした。
でも、自分はこの家の子どもじゃなくて、いつか本当のお金持ちのお父さんとお母さんが、迎えに来てくれるんじゃないだろうか、とは思ってました。
誰も迎えに来てくれませんでしたが。
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⇒歌と訳詞:Laisse tomber les filles~フランス・ギャル(娘たちにかまわないで
【王子さま】
⇒もう読んだ?「星の王子さま」出版70周年
☆2013/06/19追記 フランス語学習仲間のbird_birdさんも同じ曲を訳してブログの記事にされています。
bird_birdさんは時制など分析しながら訳して、独自の解釈をしておられるます⇒フランス語の歌 Un prince charmant 素敵な王子様:気ままにフランス語、おまけのドイツ語:So-netブログ
人の数だけ訳詞はありますね。
私を欲しがるわけにはいかないでしょ。
なんて、魅惑的な訳ですね♪
私もPenさんと同じで、お金持ちがどうかはともかく、
別のところに本当のお母さん、お父さんがいるのかも・・・
と思ったことは何度かあります。
「橋の下で泣いているのを連れてきたんだよ^^」
と明るくブラックユーモアを言う母だったもので。
(真相は、もう母が亡くなったので
確かめようがありませんが)
月子さん、こんにちは。コメントありがとうございます。
え^^;魅惑的な訳ですか?う~ん。どう訳そうかちょっと悩んだところです。
昔の親ってたまに「あんたはこの家の子じゃない」って叱りませんでしたか?
だから、そうなのかもと思ってましたよ。
お母様、ブラックユーモア好きだったのですね。私もです。
サビを私も訳してみました。
ねえ、私のことを悪く言わないで
私はほんの15歳だったのよ
そうよ。お願い、私のことを怒らないで
あれは、おとぎ話の王子さまにすぎなかったのよ
状況としては、今彼に過去の夢の中での王子様との出来事を謝っているという解釈です。
なんか私が訳すと殺伐としてしまうみたいで、
自分の品性の無さが情けなくなりました。
bird_birdさん、こんにちは。
実は私はこれを訳したときtuって誰なのか今ひとつわからなかったのです。
もしかしたら今目の前にいる人かもしれません。
該当の箇所は、sais が現在形だから、私のことを悪く思うべきではない、かもしれないです。
おしまいのほうに出てくるtu toi が、今、目の前にいる人かもしれないです。
でもそうすると、なんかタイトルが合わない気がしたのと、
以下のようにところどころ、論理が私的につながってないきがしたので、
登場人物は王子様と、その母と、フランス・ギャルだけにしてしまいました。
最初 Un prince charmant って出てきて、
つぎにこれをilで受けてます。これは普通ですね。
そして、
Au fond des forêts il avait un palais
Où déjà sa mère m´attendais
Vite ton habit et vite on me coiffait
À minuit, il m´épousait
この Vite ton habit et vite on me coiffait は
プリンスのお母さんがプリンスに言ってるってことかもしれませんが
おしまいのほうの、
Par amour pour moi il devenait Roi
Quand on aime on fait n´importe quoi
Toi tu deviendras ce que tu pourras
Je ne t´aime pas pour ça
王子さまは王様になった
人は好きあっていれば何でもできる
あなたは、何にでもなれる
でもそれで好きになったわけではない
ってどういうことなのか、とか?
Un prince charmant sur son cheval blanc
Galopait dans mes rêves d´enfant
Tu m´as fait danser, tu m´as embrassé
Et ma vie a commencé
ここのtuのところは複合過去形なってるから、
半過去のとこは王子様との過去で、
複合過去のところは今の彼とのことなのかとも思えるけど、
でもなんか論理がうまくつながってないし・・
だって、王子さまが夢にでてきた、とか行って、
なんであなたとダンスした、なんていきなり言うのか?
などと悩みました。
※ミスタイプは、訂正しておきました。
昨日はさらっと見ただけでしたが、思い切って全訳したので、
サイトにアップしました。
時制と人称だけをヒントに解釈しまくったので、
合っているとは思えないですが、面白かったです。
わざわざリンクは張らないでいいけど、良ければ見てください。
bird_birdさん、こんにちは。コメントありがとうございます。
>思い切って全訳した
そうですか。素晴らしいですね。
では、あとで拝見します。
リンク、もちろん記事内に貼ります。
それもなるべく目立つように・・
en vouloirで「責める」という意味で使われますが、「私を責める必要がないのは知ってるでしょ(私を責めないで)」が正しい訳ではないでしょうか?
serge さん
こんにちは。
コメントありがとうございます。
私もそう思います。責める、という訳にして、前後もちょっと変えてみましたが、どうでしょうか?
昔は、s’en vouloir(~に怒る)という表現を知らなかったので、「ほしがる」と訳していました。
また何かありましたら教えてください。
pen