「虎と小鳥のフランス日記」のバックナンバーを毎週1つずつ見ています。きょうは第15話。これはリュクサンブール公園・その1~第14話 の続きでリュクサンブール公園です。15話では、スポーツ施設とか遊園地など、子どもたちが楽しめる場所が紹介されています。
ナレーション部分はとても少なく、代わりに、いろんな施設の看板、表示、ただし書きがたくさん出てきます。
きょうのメニュー
それでは、復習行ってみよう!
3つのキーフレーズ
すべての公園がそうであるように
リュクサンブール公園は、すべての公園がそうであるように、特別な遊び、たとえばスポーツをする場所です。
Comme tous les jardins du monde, le jardin du Luxembourg est une terrain de jeu privilégié pour l’activité sportive.
ほら!~して
ほら!しっかりつかまって。
Allez ! Faut bien se tenir, hein.
子供専用というわけではありません。
マリオネットの劇場もあります。でも、それは子ども専用というわけではありません。
Il y a aussi un théâtre de marionnettes. Mais qui n’est pas destiné qu’aux enfants.
キーフレーズの解説
comme tous [toutes]+les+複数の名詞
すべての~のように
このcommeは ~のように という意味。
洋服のコムデギャルソン Comme des Garçons(男の子のように) の comme です。
ちなみに、コムサデモードというのは、フランス語的には意味が通らないので、こちらは造語でしょうね。今、スペルを調べたら、COMME CA DU MODE でした。大文字で書くと、アクサンをつけなくてもいいので、Comme ça du mode なのでしょうが、duは デュ という発音に近いです。デと書くと des と思ってしまいますね。
Faut bien se tenir
しっかり、つかまって。
これは Il faut bien se tenir の il の落ちた形。口語では il y a も y’a と発音されることが多く、こういった非人称の主語の il はよく省略されるようです。
n’est … pas que
Il y a aussi un théâtre de marionnettes. Mais qui n’est pas destiné qu’aux enfants.
これは2文に分かれていますが、関係代名詞、qui があるので、もし文法どおりに厳密に書くと、1文にしなければなりません。
でも、前に言ったことを受けて、次の文は関係代名詞で始めることはよくあります。何をさしているか明らかだからです。ここでの qui はマリオネット劇場のことです。
n’est … pas que 部分の説明をしやすくするために関係代名詞を軸に1文にすると、
Le théâtre de marionnettes n’est pas destiné qu’aux enfants. となります。
この文の構造ですが、まず動詞が
destiner A à B A を B(特定の人、目的)に用意する
この場合は destiner マリオネット劇場 à 子どもたち なので、 aux と à+les の縮約形になっています。
そして 受動態なので、est destiné aux enfants 子どもたちに用意されている となり、
さらにこれに限定表現の ne … que (~しかない) の否定 ne … pas que (~しかないわけではない)がついているので、子どもたちのために用意されているというわけではない⇒子ども専用というわけではない(大人も楽しめる)、という意味になります。
文字で説明するとわかりにくいですね…すみません。
きょうの豆知識
綿菓子
リュクサンブール公園の一角には、子どもむけにフェンスで囲まれた遊園地のような遊び場があります。キーフレーズのところに出てきたブランコとか、マリオネット劇場、メリーゴーラウンドなどを備えています。
子どもはお菓子が好きですから、綿菓子のスタンドもあり。
綿菓子はフランス語で Barbapapa です。これはもともとは Barbe à Papa (パパのおひげ)という意味です。ひげに見えませんよね?どう見たって綿です。
私も子どものころ、縁日で綿菓子を買ってもらうのがとても楽しみでした。縁日では、まんがのキャラクターの袋に入った綿菓子が、おめんなどと一緒にディスプレイされていました。
リュクサンブール公園では、作りたてを売ってるようです。たぶん作りたてのほうがおいしいと思います。
綿菓子(バーバパパ)の起源についてはこちらに詳しく書いています。
⇒フランス語でわたあめは「〇〇のひげ」
マリオネット劇場
マリオネット(marionette)の語源は、中世のフランス語で「聖母マリアの小さな像」という意味の、marionや marioleだと考えられています。16世紀に初めて、舞台でマリオネットが上演されました。フランスの伝統的な劇の1つですね。
今は子どもむけの上演が多いですが、昔はシャルルマーニュ大帝の軍記物やいろんな伝説がテーマの劇が行われていました。
リュクサンブール公園には1933年に作られた小さい人形劇場があります。そこには、
Les Marionettes amusent les enfants et les gens d’esprit.
マリオネットは子どもとエスプリのある人々を楽しませます。
と書いた看板があります。
これは、ジョルジュ・サンドの
Les marionnettes n’amusent que les enfants et les gens d’esprit.
マリオネットは子どもとエスプリのある人々だけを楽しませます。
という言葉からきています。
サンドはノアンのお屋敷に、自分のマリオネットの劇場を持っていて、もちろん自分で脚本を書いて、上演していました。
George Sand 1804 – 1876のMarionnettes de nohant のところから人形劇について、見られるはずなのですが、私のパソコン、最近フラッシュ関係がすべて不調で確認できませんでした。一応リンクしておきますね。
確かに、マリオネットは、けっこうウィットの聞いたセリフを言うので、大人も十分たのしめるようです。
人形が世相を切る、«Les Guignols de l’info»というテレビ番組までありますし。
こちらは、トリュフォー監督の「大人は判ってくれない」から有名なマリオネットのシーンです。
出し物は、『赤ずきんちゃん』ですね。子どもたちはすごく興奮して見ていますが、アントワーヌとルネはもう、そこまで子どもではないわけです。
「大人は判ってくれない」の予告編⇒ヌーヴェルヴァーグの代表作、大人は判ってくれない:フランス映画の予告編
リュクサンブール公園についてはこちらの記事でも書いています⇒パリのオアシス?リュクサンブール公園を散策しながらリアルなフランス語を学ぶ
春のリュクサンブール公園
最後に、前回は秋のリュクサンブール公園でしたので、きょうは春の様子をうつした動画をご紹介します。
BGMは前回と同じジョー・ダッサンの「リュクサンブール公園」です。
春は緑や花がよりいっそう美しいですね~。
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