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ミスティ・コープランド~夢を実現させたバレリーナ

ミスティ・コープランドについて子ども新聞で読みました。

コープランドは、アメリカン・バレエ・シアター黒人のソリストです。バレエを始めたのは13歳と遅く、恵まれない家庭出身で、からだつきもバレリーナ向きではありません。しかし、持って生まれた才能に、努力を重ね現在の地位をつかみました。

2015年6月30日にはアメリカのバレエ史上初めての黒人の首席ダンサーに選ばれています。その件についてはこちらの記事に書いています⇒ミスティ・コープランドがアメリカのバレエ史上初の黒人のプリマに選ばれる

タイトルは
Vidéo : Billy Elliot au féminin… et pour de vrai !
ビデオ:ビリー・エリオットの女性版・・・でも実話です

コープランドは、2014年の夏、「アンダー・アーマー」というスポーツウエアのブランドのCMに出演し、何かと話題にのぼっているダンサーです。



Vidéo : Billy Elliot au féminin… et pour de vrai ! ビデオ:ビリー・エリオットの女性版・・・でも実話です

Misty Copeland n’avait jamais fait de danse classique lorsqu’elle a été repérée, à 13 ans, aux Etats-Unis. Douée et très travailleuse, elle est la seule danseuse noire de l’American Ballet Theatre à New York. Son histoire rappelle celle du héros Billy Elliot.

ミスティ・コープランドは13歳のときにアメリカで発見されるまで、クラシックバレエをしたことは一度もありませんでした。

才能に恵まれ、また、大変な努力をしてアメリカン・バレエ・シアターの唯一の黒人ダンサーと成ったのです*。ミスティの物語はヒーロー、ビリー・エリオットを思わせます。

32歳のクラシックバレリーナ、ミスティ・コープランドの物語は、おとぎ話のようです。

始まり Débuts

ミスティがまだ13歳のとき、バレエの先生がアメリカのバスケットグラウンドで彼女を見つけました。この時ミスティはクラシックバレエの経験は全くありませんでした。

ミスティは医療秘書をしている母親と、5人のきょうだいと共に、モーテルからモーテルを移り住む暮しをしていました。

ミスティは生まれつき美しく、明らかにバレエの才能があり、努力を惜しまない気質もそなえていました。

3ヶ月後、彼女はトウシューズをはきます。その後2年たたないうちに、初めて、ある団体の奨学金を勝ち取ります。

「13歳から15歳まで、私は日に、バレエのクラスを3つとっていました。午前中、5歳の女の子たちと一緒に基礎を学び、その後午後も踊っていたのです」自伝の中でミスティはこう語っています。

疑い Doutes

16歳のとき、ミスティはバレエの先生の家族とともに住むことになりました。遅くから始めたトレーニングを積む中で、彼女は疑いを感じることがよくありました。

黒人なので役を逃すことがありました。それに、自分の体は「クラシック」バレエ向きではないこともよくわかっていたのです。

19歳のとき、彼女は身長1メートル57センチ、ふくよかで、足のサイズは40でした*。

けれども小柄でも足が大きいと、トウシューズを」はけば有利です。ミスティーは手足が長いのです。

1年かけて、彼女は自分の体をスリムにしました。現在はアスリートのような体つきです。

スター誕生 Une étoile est née

以後、ミスティ・コープランドはアメリカのスターです。

彼女はニューヨークのアメリカン・バレエ・シアター唯一の黒人のソリストです。スポーツ衣料ブランドの「アンダー・アーマー」のCMに出演しています。

子どもむけの本や自伝を出版。自伝は映画化されます。アメリカのテレビ局の番組にも出演します。

春には、オバマ大統領の前で、ワシントンバレエ団と『白鳥の湖』を踊ります。

恵まれない子どもたちにバレエを Faire danser les enfants défavorisés

ミスティは夢をかなえました。でも、すでに別の夢を持っています。それは、恵まれない子どもたちにクラシックバレエを踊るチャンスを与えること。

ミスティは、人口の多い地域のセンターでバレエを教えられる準備しています。

元記事 → www.jde.fr : Tous les articles : Vidéo : Billy Elliot au féminin… et pour de vrai ! ☆2020/07/25:記事が削除されたのでリンクをはずしました。

単語メモ

repérer 見つける

décrocher [話]~を勝ち取る、手に入れる

bourse 奨学金

tardif 遅い

échapper à qc ~に収まらない、~の埒外(らちがい)にある
L’occasion nous a échappé.
チャンスは去ってしまった。

Il sent que son fils lui échappe.
彼は息子が彼の手から離れていくのを感じている。

étirer 伸ばす

avoir en tête de + 不定法 ~する計画である

サイズ40
靴のサイズ40は、日本のサイズで25.7センチぐらい。
詳しくはこちら⇒フランスの靴のサイズ

ミスティ・コープランド

ミスティは1982年9月10日生まれ。

お母さんが、何度も結婚と離婚を繰り返しミスティはお母さんの相手が変わるたびに引っ越しをしていた模様。

ミスティがバレエを始める頃は、お母さんはシングルマザーで、一家6人でモーテルに住んでいました。

ミスティは父親が同じきょうだいが3人いて、あとの2人はお父さんが違います。実の父とは2歳から22歳になるまで1度も会わなかったそうです。

記事にあるように、バスケットボールのコートで踊っているミスティを見て、シンシアという人が才能を認め、指導を始めます。シンシアはもとバレリーナで地域の子どもたちに踊るチャンスを与えるたくてクラブを作っていました。

ミスティの家庭の事情で、スタジオに通うのが難しかったため、シンシアが、自分の家にミスティを住まわせ、週末は親元に返していました。

この後、ミスティが「もうお母さんの家に帰りたくないから」と、裁判所に訴え、彼女の身柄を巡って親権争いが行われました。

19歳で彼女はABTに正式に入団。

バレリーナとしてはグラマーすぎるのが問題で、やせるように言われたそうですが、今は、これも個性の一部として認められているとか。

確かにミスティはひじょうに筋肉質で、あまりバレリーナっぽいからだつきではありません。



アンダー・アーマーのCM

こちらは話題になった「アンダー・アーマー」のCMです。両親とも黒人と白人のハーフなので、肌の色はそんなに黒くないです。

これはナレーションがフランス語のバージョン

こちらはオリジナルの英語版

I Will What I Want は「やりたいこと、やるわよ」という意味。

ナレーションはあるバレエ学校からの手紙。

内容をかいつまんで書くと、「入学申し込み書をありがとう。でも入学は許可できません。なぜなら、あなたはバレリーナ向きのからだつきではないから。そして、13歳はバレエを始めるには年をとり過ぎてます」というもの。

そのあとミスティが素晴らしい踊りを見せるこのコマーシャルはたいへんな話題になりました。

ミスティの自伝です(英語)

☆ミスティが首席ダンサーに選ばれたニュースはこちら⇒ミスティ・コープランドがアメリカのバレエ史上初の黒人のプリマに選ばれる

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第9回『赤い靴』

このCMの出演料は、コープランドのバレリーナとしての給料をゆうに超えるものだとか。

彼女は本も出版して多方面に才能がある女性ですね。

近々出演する番組はリアリティショーです。いわゆるリアリティーショーとは内容が少し違って、さまざまなバックグラウンドをもつアマチュアのダンサーをコープランドが指導して、メジャーにさせる趣向のようです。

バレエ版「スター誕生」ですね。

クラシックバレエは芸術ですから、バレリーナはいわゆる芸能人とは立ち位置が違います。コープランドはそういった境界線を超えるスターとして今後も活躍しそうです。






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